情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

読書記録

イギリスの競馬場のコースレイアウトの多様さに驚いた。(「競馬の文化誌」より)

日本の競馬場のコースは、大きさに多少の差こそあれ殆どすべてが同じ形なんですが、イギリスの競馬場はどれも違うという絵図が、山本雅男「競馬の文化誌」という本に載っていたのですが、これはすごい。*1 ブリテン島内の59箇所の競馬場を描いたもの。 縦線…

最近読んだ中で面白かった本まとめ

twitterでつぶやいてたののまとめ。 タイトルとURL含めて140字の制限があるので、簡潔というか短め。 当然、読んでみたけど面白くなかったのは書いてないです。 「カジノの文化誌」読んだ。 http://amzn.to/AAJKa0 やっぱり胴元最強ってか。日本のパチンコ業…

「花森安治 戯文集 1〜3巻」が面白かった

世相に対する鋭い視点、とも言えるけど、ボヤキ芸とも言えるかも知れない。 なんだか変な、なんだか楽しいエッセイの集合。 自分がこれは良い、と思った言葉のうちいくつかを挙げてみると 元来男と女は、アダムイヴの劫初から、食うか食われるかである。男尊…

山口圭一「現代ポルノ考 ポルノの世界とその解禁論」(1977年)

今から35年前、1977年に、本郷出版社パピラス新書の一冊として出た本。 資料としてはいいのかもしれないけど、今読んで面白いかはちょっと・・・。 章立ては、 第I章 性的表現の自由化 第II章 ポルノの世界 第III章 「猥褻」の法的「基準」 第IV章 ポルノ解…

「ゴジラ」の監督、本多猪四郎の「私の信条」

観客を楽しませること、特別な人に向けた芸術に偏るのでは無いこと。 それでいて、数多の最高の作品を作り上げた監督ならではの言葉だと思います。 私の信条 大衆と共に楽しむ。それが私の心情だ。 理想をもって生きる。それが私の心積もりだ。 花園の雑草だ…

どこまでホントかわからないのが面白い「プロレスおもしろマッチ50」(1983年)

プロレスおもしろマッチ50―世界中の変形試合が全員集合 (東スポプロレスミニブックス) 東京スポーツ新聞社から1983年に出た本なんですが、これ、どこまでホントでどこから駄法螺なのかまったく分からりません。 眺めてるだけで楽しい。 プロレスの変則試合形…

歌と言葉とリズムと心。高橋掬太郎「歌謡の作り方」(1946年)

「酒は涙か溜息か」を作詞した高橋掬太郎が1946年に新興音楽出版*1で著した一冊。 これは面白い。 目次 奥付 作詞を志す人向けに書かれているのだが、言葉と言葉の音の数のつながりを「音格」として説明する項などはなるほどとうならせる。 歌謡の歌詞のみな…

「われわれは胃袋の哀れな奴隷にすぎない」 ジェローム・K・ジェローム「ボートの三人男」より。

胃袋がそう望まない限り、われわれは働くこともできなければ考えることもできない。胃袋はわれわれに対し、こういう感情を持て、こういう情熱を持てと命令するのである。 エッグズ・アンド・ベイコンを食べたあとで胃袋は言う―― 「働け!」 朝食と黒ビールが…

「マクドナルドはグローバルか」(ジェームズ・ワトソン編)にあった、日本についての勘違い記述

原題は「GOLDEN ARCHES EAST」もともとの論文集は1997年発行。 日本での訳出は2003年。 その第5章「日本のマクドナルド」(大貫・ティアニー・恵美子)のP225にこんな文章が。 第二のタブー、「汝立食いすべからずは」マクドナルドから直撃をうけた。 「立食い…

「TOURISM IN JAPAN」Tourist Industry Bureau(1961)

1961年の、外国人旅行者向け日本観光案内本。 日本向けツアーやってた会社が作ってたのかな? 日本にはこんなんありますよーとか、 日本のホテルや旅館はこんなんですよーみたいな写真もあり、 外国人旅行者はこんな来てるんですよ、増えてますよ、ってなデ…

「替歌百年 替歌と春歌のすべて」加太こうじ・柳田邦夫・吉田智恵男 編(1966年)

替歌と春歌を収集した本。昭和四十一年コダマプレス発行、定価350円。 各曲に対する解説がなかなか面白い。帯なし、帯アリ。 付録つきで、封筒に入った形で3cmのソノラマ盤が2枚と中綴じの「よりぬき春歌傑作選」が付録。 サイズ分かりにくいんでジャンプと…

藤野英夫「食いしんぼ気車の旅」(1962年改定増補版)

観光交通研究会発行、定価280円。 駅弁の歴史は明治十八年に宇都宮で始まったという話から始まる、各地の駅弁や各駅の名産品を紹介した今から50年前の本。 新幹線が開通する前なので、今と旅行の感覚が結構違うのも見て取れます。 目次 はしがき 駅の弁当 駅…

「フランス高級レストランの世界」は、起業を考える人、ブログなどでレビューをする人、そして全ての消費者にオススメの1冊

フランス高級レストランの世界 これは面白かった。 レストラン 評論家 お客 の3部構成となっていて、それぞれの部で オーナーシェフを中心にしたレストラン内部の人 ガイドブックの編集者・執筆者・評論家 常連・一見の「客」 を「高級レストラン」との関わ…

「ことばの生い立ち-ことばの研究室-」日本放送協会編(1956年)

ことばの生い立ち―ことばの研究室 (ミリオン・ブックス) 以下の六章に別れてまして、1955年11月〜1956年4月まで、全26回にわたって放送されたラジオ番組が基だそうです。 中国から来た言葉(奥野信太郎) 西洋から来た言葉(楳垣実) 訳語あれこれ(広田栄太郎) …

不良商品一覧表 日本消費者連盟編著(1970年)

色んな意味で面白い。 40年も前の本なので、法律・価格・消費者の理解・企業側の対応、と言う点で現在と大きな差があるものの、現在まで続く消費者団体っぽい何かと同じようなことやってんなーと。

実在の人物と、それに対する表現とのずれについて(海野弘)

私たちがよく知っていると思っている人が、文章や絵の中でおどろくほどすばらしく表現されていることがある。自分の印象では、それほどすばらしい人ではないはずだ。このようなずれをどう考えたらよいのだろう。 自分の判断を正しいとすれば、文章や絵は、つ…

「噺の処方箋」(稲田和浩・編)を読んで、人間ってそうそう変わらない、だからこそ今でも落語は面白いというのを再確認

人生相談と回答ってあるじゃないですか。ネットだと「発言小町」とか「はてな匿名ダイアリー」とか「Yahoo!知恵袋」に出てくるような。 落語長屋 噺の処方箋 この本は、そういった人生相談のありがち(とは限らないけど)質問を、落語と結びつけて演目を紹介し…

「機械仕掛けの歌姫」はボーカロイドファンのみならず、声優ファンやアイマスファンにも面白いであろう好著でした

機械仕掛けの歌姫―19世紀フランスにおける女性・声・人造性 機械仕掛けの歌姫-19世紀フランスにおける女性・声・人造性-(著:フェリシア・ミラー・フランク、訳:大串尚代)、これは面白かった。 章立ては以下のようになっています。 第一章 母なる声への郷愁…

パトリシア・A・マキリップ「ホアズブレスの龍追い人」

ホアズブレスの龍追い人 (創元推理文庫) 名作アレンジあり、奇想あり。「音楽の問題」がお気に入り。 訳者あとがきに「1982年〜1999年に書かれた15の短編を発表順に収録」ってあるのに各作品の発表年が無いってどういうことなの・・・。と思ったので調べてみ…

紅茶を運んだ「ティークリッパー」の船名

読んでた本にあったのでメモ。 「血火の十字架」ってなんだろう。「Fiery Cross」のことか?あとで全部の英語の綴りを調べる。 アリエル号 アン・マッキム号 オリエンタル号 カティーサーク号 ケアンゴーム号 血火の十字架号 サーモピレー号 サー・ランセロ…

キリスト教的な天使とか悪魔がそのまま出てくる小説は「ファンタジー」なのかどうか

「サンドマン・スリムと天使の街」(リチャード・キャドリー)を読んだ。 サンドマン・スリムと天使の街 (ハヤカワ文庫FT) ストーリーとは別の部分で気になる事が少し。 「グッド・オーメンズ」(ニール・ゲイマンズ) でもそうだったんだけど、地獄だの天国だの…

各自に道徳を作る機会を与えれば、自分にとって一番楽な、なるたけ都合の良いものができあがるだろう。(byアレグザンダー・マコール・スミス)

たいがいの道徳は正しいおこないについて説いている。 それが正しいとわかるのは、容認と遵守の長い過程を経ているからだ。 経験が追いつかない個人には、道徳を作ることができない。 なんの権利があって、祖先より自分のほうが分別があるなどと言えるだろう…

「たいふう」加古里子(1967年)

いかん!それは死亡フラグだ! ちょっと季節外れですが。 加古里子による「たいふう」です。良い顔。 福音館の月刊予約絵本《こどものとも》通巻138号。 1967年9月号なので、今から42年前の本ですね。 子供のための科学読み物的なのなんですが、出てくる小道…

ダーコーヴァ年代記(マリオン・ジマー・ブラッドリー)

ここ半年弱、毎週一冊ペースで読んできた「ダーコーヴァ年代記」*1の邦訳分、今日読んだ「キルガードの狼(下)」で読了。 多分、通して読んだのは十数年ぶり。 もったいないから今回はこのペースで読んだけど、結構忘れてるので新鮮。 ] 超能力*2の使い方など…

イデオロギーのために思考や感情を抑圧しては本末転倒である(by アーシュラ・K・ル=グイン)

私は女として、しばしば怒りに燃えています。 しかし私の女権主義的な怒りは、私たち人類がお互いに、あるいはこの地球に対して、または自由と生命との希望に対してやっていることに直面したときに私を捉える怒りや恐怖の一部分、一要素をなすにすぎません。…

楽な姿勢で本を読むには(byヘロイーズ)

「ライフハック」って日本語に訳すと「おばあちゃんの智恵袋」なんじゃあないのかなーと思う。 ベッドで半身を起こして本を読むときは、お腹の上に枕か、ティッシュ・ペーパーの箱を置き、その上に本をのせましょう。 ちょうどよい高さになって、腕と肩に余…

引越しの時、藏書だけで八トンあった(by丸谷才一)

(引越しの話の中で) 引越しでいちばん辛いのは、やはり引越しそれ自体。つまり、家財道具を運ぶことである。もちろん運送屋がやつてくれるのだが、その前の段階(箱に詰める)およびあとの段階(箱から出す)があつて、厄介なことこの上ない。おまけにわたし…

古本にハマると「読む」事の順位は下がっていく(by喜国雅彦)

古書好きの楽しみは「探す楽しみ」「騙し騙される楽しみ」「買う楽しみ」「持って帰る楽しみ」「並べる楽しみ」である。 (最初の動機であったはずの「読む楽しみ」は途中からどんどん順位が下がっていくからおかしい) 本棚探偵の冒険 (双葉文庫) P304-305よ…

本というものがいかに特殊な商品であるか(by山田風太郎)

山田風太郎のエッセイ集「半身棺桶」を読んでてなるほど、と思った文章があったんでご紹介。 (本屋に注文して新刊本を取り寄せる、という話の続きに) ちょいちょい困るのは、何かのてちがいで、注文しない本や、いちど買ったものがまちがってまた送られて来…

現代旅風俗絵地図 (安達忠良) 1973年

古本屋で買った。 中身の連載時期は1971〜1972年ということで、37〜8年前の各地のイラストレポなんですが、これがなかなか面白い。 表紙と目次 ファッションがサイケデリックな感じです。 つーことで一部抜粋。 仙台 コーヒー80円の店がまだあちこちにある、…