情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

「花森安治 戯文集 1〜3巻」が面白かった


 世相に対する鋭い視点、とも言えるけど、ボヤキ芸とも言えるかも知れない。


 花森安治 戯文集1 [逆立ちの世の中]ほか 花森安治 戯文集2 [風俗時評]ほか 花森安治 戯文集3 [暮しの眼鏡]ほか




 なんだか変な、なんだか楽しいエッセイの集合。
 自分がこれは良い、と思った言葉のうちいくつかを挙げてみると


 元来男と女は、アダムイヴの劫初から、食うか食われるかである。男尊女卑にあらずんば女尊男卑である、妥協など出来る余地は毛一筋もない筈


 ホテルというのは、一夜ないし数日、あの一室を借り切る場所である。家具付きアパートの短期契約みたいなものである。ところが、宿屋、旅館というのはこちらが泊まるのではない。宿屋とか旅館とか、そういう名で呼ばれる接客業者の御自宅に泊めていただくのである。


 総合雑誌は名前で売れ、大衆雑誌は肉体小説で売れ、婦人雑誌は付録で売れている


 空を青くするために、川と湖と海を澄みとおらせるために戦え。地球を守るために戦え!


 これまでに未収録となっていたものも発掘されていたり、他者が花森安治を語る文章が収録されていたり、なんだかとりとめもない感じですが、この強烈な個性を持った人物の一端として色々と面白い。
 オススメです。