情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

「ゴジラ」の監督、本多猪四郎の「私の信条」



 観客を楽しませること、特別な人に向けた芸術に偏るのでは無いこと。
 それでいて、数多の最高の作品を作り上げた監督ならではの言葉だと思います。



私の信条

  • 大衆と共に楽しむ。それが私の心情だ。
  • 理想をもって生きる。それが私の心積もりだ。
  • 花園の雑草だ。決して主役の花ではない。
  • 主役の花を見に来た人々が、こんな処にこんな花がと見てくれる。
  • 右にかたよっても、左にかたよっても、権力につながるものには反撥する。
  • 戦うと云う言葉は一番嫌いな言葉だ。
  • 話合いで結論を出す。納得し合う。
  • 始めから結論をもっての話合いは否、苦手。
  • 話合ってるうちに、にじみ出て来る合意!!

 本多猪四郎 「ゴジラ」とわが映画人生  より
 1987年に書かれたもの。



 本多監督は、1935年〜1937年、1939年〜1942年、1944年〜1945年、と軍隊経験、虜囚経験があり、その影響もこの信条には多分に反映されていると思います。


 始めから結論をもっての話合いは否、苦手

 などは、現代においても過去においてもそういう人って結構、いや、ものすごく沢山いますよねえ、と思ってしまいますが。



 この言葉が書かれた本、インタビュー部分は少しインタビュアーが偏ってる感がありますが、それでも本多監督の映画観や人柄がにじみ出て面白い。
 オススメです。



「ゴジラ」とわが映画人生 (ワニブックスPLUS新書)
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