観客を楽しませること、特別な人に向けた芸術に偏るのでは無いこと。
それでいて、数多の最高の作品を作り上げた監督ならではの言葉だと思います。
私の信条
- 大衆と共に楽しむ。それが私の心情だ。
- 理想をもって生きる。それが私の心積もりだ。
- 花園の雑草だ。決して主役の花ではない。
- 主役の花を見に来た人々が、こんな処にこんな花がと見てくれる。
- 右にかたよっても、左にかたよっても、権力につながるものには反撥する。
- 戦うと云う言葉は一番嫌いな言葉だ。
- 話合いで結論を出す。納得し合う。
- 始めから結論をもっての話合いは否、苦手。
- 話合ってるうちに、にじみ出て来る合意!!
本多猪四郎 「ゴジラ」とわが映画人生 より
1987年に書かれたもの。
本多監督は、1935年〜1937年、1939年〜1942年、1944年〜1945年、と軍隊経験、虜囚経験があり、その影響もこの信条には多分に反映されていると思います。
始めから結論をもっての話合いは否、苦手
などは、現代においても過去においてもそういう人って結構、いや、ものすごく沢山いますよねえ、と思ってしまいますが。
この言葉が書かれた本、インタビュー部分は少しインタビュアーが偏ってる感がありますが、それでも本多監督の映画観や人柄がにじみ出て面白い。
オススメです。