Dschinghis Khan(Genghis Khan)は知ってますよね。そう、♪ジーンジーンジンギスカーン、とか♪もすかうもすかう夢見るアンディーさん とかのジンギスカン。
そのグループの曲に「Rocking Son Of Dschinghis Khan」(邦題:ロッキング・サン)てのがあるんですが、それの話。
映像
これは結構最近の映像。原曲歌詞どおりに歌われてる。
こっちは古い映像で、英訳版歌詞で歌ってるため原曲とニュアンスが少し違う。
でもオリジナルの振り付けとダンス、歌唱パート分けなので意味は分かりやすい。
歌詞
歌詞とその邦訳は以下のサイトを参照してください。
あらすじと解説
この曲での役分けは
で、原曲だとドイツ語と英語で歌われています。*1
王様がドラ息子を呼びつけて叱り飛ばし、守旧派二人がコザックダンスを踊って見せるのに対し、王子はドラムを叩いてロックンロールを見せ付ける。(空耳歌詞などでは「母さんチョップ」とか書かれるのは「Kasatschok」で「コサックダンス」のこと。*2ロックンロールはそのままです)
そして終盤での争い、
ロックンロール!ガッザチョク!
ロックンロール!ガッザチョク!
ロックンロール!ガッザチョク!
ロックンロール!ガッザチョク!
ロック!ロック!ガッザチョク!ロック!ロック!ガッザチョク!ロック!ロック!ガッザチョク!ロック!ロック!
の繰り返しの後ではまだ王と守旧派はコサックの振り付けです。
が、その後には「ウッハッ ウッハッ ウッハッ ロックンロール!×4 ロックンロール イェーー!!」と守旧派ももうコサックダンスではなくなってる。
そして歌い始める王様は英語で、しかもロックンロールと息子を賞賛する。
守旧派も「No scandal and no shame!」と認めてしまう。
最後は全員で「Rock'n Roll!!」とロックンロール側になってる訳ですね。
社会主義(東側)で王と守旧派、資本主義(西側)が王子とそのファン、というところが物語の始まり。
この内、地の文と守旧派は最初ドイツ語で歌っているのですが、王子とファン、そして最後には王様までもが英語で歌っています。(地の文にあたるところはドラムソロの前までしかなく、そこ以降は全部英語ですね)
この曲のリリースは冷戦まっさかりの1979年。コサックダンスが象徴するのは東側の盟主国であるソビエト連邦を置いて他に無く、ロックンロールは西側の盟主国アメリカ以外ありません。*3
コサックダンスがロックンロールにとって変わられる、という物語の流れ。
そして、言語の区切りが対立構造の明示であり、最終的にはロックンロール側、資本主義側に全員が移行してる、つまり資本主義が勝つ、となるのです。
ジンギスカンは当時の西ドイツのグループ。
作詩をしたBernd Meinungerは経済学者であったそうなので、この曲にそういう意味が付加されていた、と見ても良いんじゃないでしょうか。

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#久々に強めの電波だった。上記記事は妄想から一気に書き上げたので、本当にそうなのかは一切保障できません。でも、そうだったらいいなあ。