情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

半数以上は1年以下で打ち切り。週刊少年誌連載作品の「開始時期」と「連載期間」をデータ化・可視化してみてわかる、その厳しさ



 横軸を連載開始時期、縦軸を連載期間として散布図にするとこうなります。
 


 縦軸を10年までにするとこう。
 


 右下から左上に見えるのが「連載中」ライン。わかりやすいですね。


 対数表示にするとこう。
 


連載期間での区切りとパーセンテージ


 今回の集計対象の作品総数と、その内10年、5年、1年を超える連載期間の作品数。
 1年以上連載された作品ってのは、半分も無いのだ。
 ジャンプに至っては、3/4近くは一年以内に終わってる。


ジャンプマガジンサンデーチャンピオン
総数693520661705
10年越え9(1.3%)11(2.1%)9(1.4%)5(0.7%)
5年越え*144(6.3%)54(10.4%)51(7.7%)36(5.1%)
1年越え*2188(27.1%)235(45.2%)308(46.6%)277(39.3%)


 幾つかの長期連載作について、元データの都合上正しく出ていないので参考値。
 詳しくは後記、「元データについて」を参照。


簡単なまとめ

  • どの雑誌でも、1年連載が続くと中央値より上。つまり、半分の作品よりも長く続いたことになる
    • ジャンプはやっぱり打ち切り速いのか、少ない
    • マガジン・サンデーは長め
  • 長期連載はあくまでも特異点でしかないというのがわかる

主要統計データ


 平均値にすると1年を超えてるが、それでもこんなもんである。
 どの雑誌でも、作品の平均寿命は2年も行かない。
 しかし、ジャンプが一番低いし、中央値も低い。短期打ち切りが多い、というイメージは多分正しい。


ジャンプマガジンサンデーチャンピオン
平均1.3351.9351.7431.406
標準エラー0.1020.1240.0990.069
モード0.1730.2880.1730.173
中央値0.3850.8460.9040.731
第1四分位数0.2310.4230.4230.365
第3四分位数1.1732.2552.1921.596
分散7.2427.9836.4343.402
標準偏差2.6912.8252.5371.845
尖度73.14728.23745.7599.828
歪度6.7294.1685.2702.905
範囲39.98129.75032.09612.885
最小0.0190.0380.0190.038
最大40.00029.78832.11512.923
合計925.1151006.3461151.808991.135
カウント693520661705


 全体での最長は、もちろんこち亀の40年。突出しすぎだ。


全データ



 グラフ含め、すべて、Googleスプレッドシートで公開中。

 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1C9LR__GjlAngZjyyC1KzyUTc9m9XN2HV1DaEATsqJ5A/edit?usp=sharing


 なので、データをコピーするなりして、グラフの表示軸とか表示系列とか適当にいじってズームしたりして遊んでみて下さい。
 「ファイル」→形式を指定してダウンロード、でいけるはず。



これは一体何か


 週刊少年誌の連載作品が

  • いつ始まって
  • どの位の期間連載されたのか


 をどうやったら表現できるかなあと考えて作ったもの。
 作品が長期化傾向にあるっていうけど本当かね?という疑問がスタート。結論から言えば、そんなことは無い。


 横軸は連載開始時期。年でやってしまうと見づらいので、1年の内何時頃始まったかを号数から計算。(なので、実際の開始年とは多少異なる)
 縦軸は、連載期間。


 連載開始時期および連載期間については、下記のように計算した。

  • 年についてはそのまま採用した
    • その為、実際の発売時期と1か月程度異なると考えられる
  • 号数の1/52を小数点以下の値とした
    • 例:1991年39号~1994年51号まで連載された作品は、開始:1991.75(1991+(39/52)=)、連載期間:3.23(1994-1991+(51-39)/52=)となる
    • 53号まである年もあるが、それは誤差範囲として考慮対象外とした

元データについて

  • 連載開始時期と期間のデータはWikipediaの「~の連載作品一覧」を参照した
    • 連載中の物は、終了号を暫定的に2019年32号とした。
    • そのため、チャンピオンのドカベン、バキ、浦安鉄筋家族バチバチなどタイトルリセットが掛かってるものは不連続となって短く計算される
    • 休載は考慮していないので、HUNTER×HUNTERやはじめの一歩など休載が多いもの、金田一少年の事件簿の様にシリーズが途中で切れてるのでもそのまま
    • マガジンに関しては形式が異なっていたため連載中のものなども参照した
    • 不定期連載が「連載中」となってたりするので、サンデー最長もそうである(まじっく快斗)
    • あきらかにに間違ってるデータも散見されたが、修正していない
  • 他誌に移籍して続いた場合なども考慮していない(K2など)
  • 合併号での開始・終了は、開始号は前、終了号は後ろの数字を採用した(21/22合併号なら、開始だと21、終了だと22)

ちなみに


 各誌で、長期連載10%に入るのに必要な連載期間(年)は下記の通り。
 その程度で、とみるか、それだけ続かないと駄目とみるか。


ジャンプマガジンサンデーチャンピオン
上位10%に入れる長さ3.905.104.063.29


 チャンピオンは、ドカベン*3バキ浦安がどれも上位10%に入ってるから、実際はもう少し短くても入れる筈。



 といった所で今回はここまで。


*1:10年越えを含む

*2:10,5年越えを含む

*3:含む水島作品S