情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

これで夜の英会話もバッチリ!?「ポルノ解読辞典」が面白い。



 これは、先日古書店で購入した英和辞典。「ポルノ解読辞典」(ペンタグル・編 波書房、1971年)です。
 


 英和辞典、ではありますが、ちょっと特殊でポルノ用語、エロワードの為のもの。
 1971年っていうのは、ポルノ小説を読むのにも努力が必要とされた時代だったんですね。


 カバー見返しには


 ポルノを読んだからといって、決してキミの人格が下劣だということにはならない。いや、むしろキミが現代人であるならば、ポルノについての一家言をこそ持つべきだ。
 だが、まだわがジャパン国では、ポルノは禁止されている。残念ながら日本語ではお目にかかれない。そこで、万難を排してでも、横文字で読まねばならぬ。それには、辞
書が必要だ。


 てな文章が書かれてます。



 で、この本にはa〜zまで250ページ以上に渡って関連用語が列挙されているわけです。
 a〜z
  



 いくつかの単語を抜き出してみますと、


 「cat」だけでこんなに意味あるんですね。
 


 あ、「catamine」ってバンコランのあれだ、とか。
 


 「dog」も、やはり色々な訳語があたる。
 


 「member」は、こんな記述が・・・。そうか!「草なぎメンバー」って、草なぎペニスって事で全裸を揶揄してたのか!
 


 日本語由来のでは「Yoshiwara」なんてのが。これ、進駐軍から帰った人しか使ってなかったろうし、現在は通じないんじゃあないだろうか。
 


 現代において役に立つかは・・・微妙ですが、なかなか面白いものです。


時代背景の解説


 大雑把に。間違ってたらすいません。


 この本が出版された頃は、まだエロ小説・官能小説が気軽に購読できる時代ではありませんでした。
 もちろん、宇能鴻一郎など日本の作家による官能小説はこの時期もう出版されてはいましたが、海外作品の翻訳はあまり無かった、のかな。


 関連しそうな主な事象を並べると、こんな感じでしょうか。

  • 1951年:「チャタレー事件」
  • 1952年:GHQによる統治の終了
  • 1960年:「チャタレー夫人の恋人」の完全版がイギリスで刊行
  • 1959年:「悪徳の栄え事件」
  • 1964年:日本国外への渡航自由化
  • 1971年:「ポルノ解読辞典」発刊
  • 1972年:「四畳半襖の下張事件」
  • 1975年:フランス書院(文庫サイズ官能小説)の設立
  • 1977年:ロマン文庫(海外ポルノ小説を訳出)が刊行開始
  • これ以後は、漫画雑誌や新聞に、ロイ・カールスンなど作家の作品の、山下諭一らによる翻訳が載ったりしてます。


 1971年を考えると、海外旅行からポルノ雑誌などを持ち込んだら、税関でチェックされて基本的に写真はアウト。
 しかし、文字の物ならスルーされていた時期と言う可能性が高いですね。
 だからこそ、この辞書が役に立つ可能性があったと。


 今と違って、海外Amazonに頼めば送ってくれる、なんてのは当然無かったのですし、洋書を扱う店でもポルノ小説はあまりなかったんじゃあないかなあ。
 どうだろう。



 それが今や、インターネットでなんでもかんでも、なんだよなあ。
 しかし、WEB翻訳サービスや、普通の英和辞典ではその辺の単語はわからないし、エロワードを的確に翻訳出来るサービスには需要があるのかも?


 といったところで今回はここまで。


 日本の官能小説 性表現はどう深化したか (朝日新書) 教養としての官能小説案内 (ちくま新書)