情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

週刊漫画TIMESの「解体屋ゲン」での「包丁人味平」ネタが面白すぎたので、「味平」JC版最終巻でのビッグ錠のコメントとあとがきを紹介する



 週刊漫画TIMESで人気絶頂大好評連載中の、星野茂樹×石井さだよし「解体屋ゲン」。
 今週号は、商店街再生シリーズの続きで、新店舗としてカレー屋が開店する、という話の前編。


 あまりにも頼りない脱サラ店主をどうにかする為に、まずは外見から・・・。


 

 オイ。



 


 わかるヤツにゃあわかるんだよ


 わかるけどさあ。コスプレカレー店・・・。アリじゃねえかこれ。



 というのはともかく、今回のモトネタはもちろん、牛次郎×ビッグ錠包丁人味平」ですね。


 現在は絶版になっている、ジャンプコミックス版最終巻23巻での、ビッグ錠のコメントとあとがきが良いんですよ、ということでご紹介。
 


 ちなみに、発行日は1978年6月30日。グルメ・料理漫画で100巻オーバーのもの出てくるなんて想像も付かなかった頃ですね。


バー折り返しコメント


 


 長い間、ご愛読ありがとうございました。
 料理というとてつもない題材にとりくんでしまって、どうしとうかと迷いながらも、スッチャカメッチャカやってるうちに、とうとうコミックスの23巻まできてしまいました。
 ほんとうはもっと味平が年をとり、子どもができるころまで続けたいのですが、このあたりで一度ピリオドを打ち、いずれ稿を新めて、味平を登場させたいと思います。


 実際は、2012年現在まで味平は登場していませんが、そのコンセプトとネタの方向性としては「一本包丁満太郎」などで存分に描かれたと言って良いかと思います。


あとがき

 


 “味平”のカゲにこんな苦心談が・・・!
                  漫画家 ビッグ錠



 「くい物の話の漫画なんて、そんなに長くもつはずがないよ。せいぜい二か月どまりだよ。」なんていってはじめたのが、早いものです。『包丁人味平』が『少年ジャンプ』に出現して、すでに五年もすぎてしまったのです。
 ほんとに世の中ってわからないものです。
 コックさんや板前さん、ラーメン屋のおやじさん、タコ焼き屋のおっさん、寿司屋のあんちゃん、いろんな人に会って話をきいているうちに、どんどんとおもしろい話が出てきて、まだまだあと二十巻ぐらいは話が続けられるくらい、資料はあつまりました。


 連載中、いろんな人たちからはげましのお便りをいただき、何度救われたかわかりません。
 とくにプロの料理人のかたから、味平の生き方に共感したといって、手紙をいただいたときには、“ホントにこの漫画を描いてよかった!!”と思いました。
 失敗談もいろいろありました。


 (中略)


 あれやこれや、思い出はつきませんが、“味”などというとてつもないものをテーマに、よくこれだけ続けられたもんだ思います。
 これもすべて、読者の皆さまのあたたかい声援のたまものと感謝しています。
 ホントに長い間、ご愛読ありがとうございました。


 現在では「全23巻」はそう珍しくもない巻数なのですが、当時の少年ジャンプとしては、いや、漫画全体でも23巻にも及ぶ連載は大長編といって差し支えないものでした。


 グルメ漫画ブームが勃発するのはもう少し後と考えると、この「包丁人味平」がいかに先駆的な作品だったのかと思い知らされます。


 包丁人味平 全12巻セット (集英社文庫―コミック版)



 といったところで今回はここまで。