情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

大阪国際児童文学館創設前(1981年)の資料寄贈を求める呼びかけはこんなでした




 明日、2010年6月1日より、ようやく大阪府立中央図書館国際児童文学館の準指定資料の閲覧が開始される(要予約)ということです。


 で、HP内で資料寄贈の呼び掛けもしてるんですが

 甚だ勝手なお願いではございますが、明治大正期の子どもの本や関連資料をお持ちの方、 またご寄贈に関する情報をお持ちの方は、当館へご寄贈・ご連絡くださいますようお願いいたします。


 と、なんつーか、移転の経緯とか考えるともやもやと複雑なのですよ。
 明治大正限定?とかね。


 つーことで、1984年の開館に先立って、漫画マニア向けの雑誌に掲載された資料募集の呼びかけを見てみるとこんな感じ。


 

昔読んだまんがを集めています
 「大阪国際児童文学館」創設




 子どもの頃よんだマンガをもう一度よみたい。そうした気もちを持った人は多いはずである。あるいは、評論・研究活動の必要から、マンガ資料を探している。しかし、探し出せずに困っている。こんな立場に立たされた研究者も、少なくないでしょう。また、父兄・教師は、読書指導のために数多くのマンガをよみたいが、入手に苦慮しているかもしれません。
 子どもマンガが系統的に整備されている施設があればなあ・・・・・・。そんな思いをいだく人が増えているはずです。
 そうしたリクエストに応えるため、大阪の万博跡に、マンガの資料センターが、今建設されようとしています。そして、マンガ資料の寄贈を広く募っています。名称は大阪国際児童文学館(仮称)。正確に言えば、児童文化に関する資料全般を収集するセンターですが、マンガにもかなりのウェイトを置き、児童マンガについてのあらゆる情報・資料を収集、保存することを、目ざしています。
 これまでは、古いマンガを読みたい時には、マニアに頼るか、高値を承知で古書店に足を運ぶしか、手がありませんでした。あるいは、有志の努力によって解説された、現代マンガ図書館・あすかマンガ図書館*1などの、私設による資料館を利用することも、一つの方法でした。特にこの資料館の活動は、地味ながら、マンガ文化の一般への再認をはかる上で、大きな意義がありました。
 こんどの大阪国際児童文学館は、それを地方自治体レベルで運営しようとするものです。その成立事情方針等は、次のとおりです。


昨年一〇月、早稲田大学鳥越信教授は個人で約三〇年間にわたって収集された貴重な児童文学資料約一二万点を大阪府に寄贈する事を決定されました。
 これを契機に大阪府は、昭和五九年春のオープンを目指して、大阪国際児童文学館(仮称)の建築準備に着手いたしました。
 大阪国際児童文学館(仮称)は、鳥越教授から寄贈された児童文学資料を中心に、新たに出版される児童文学資料などを収集し、児童文化に関する総合資料センターとして、また、子供の読書活動、文化活動のセンターとして日本万国博覧会記念公園内に建設されるものです。
 一方、財団法人大阪国際児童文学館は、去る七月一日、この大阪国際児童文学館(仮称)の管理運営に将来当たる団体として、府の全額出捐により設立されました。
  (理事長 桑原武夫「財団法人 大阪国際児童文学館の開設に伴う協力依頼について」より。「大児文第一三号 昭五五」)


 文中には「児童文学」とありますが、児童文学に限らず、マンガも含めて児童文化の資料を収集、永久保存し、読者・研究者のために役立てようとするものです。
 理事長は桑原武夫氏。その他、マンガ家としては手塚治虫氏、永田竹丸氏などが「大阪国際児童文学館を育てる会」の発起人として、参加されています。
 現在事務所は、開館までの間、府立夕陽丘図書館内に置かれ、施設建設委員会・設置委員会など、具体的なチームが活動を開始しています。ぼくも準備委員会で、資料集めの手伝いをしています。
 しかし、まだ準備段階であり、充分な予算が府から下りているとは言えません。かなりの部分収蔵を寄贈に頼っているわけで、マンガもその例外ではありません。
 そこでみなさんにお願いなのですが、手もちのマンガを送っていただけないでしょうか。
 「少年サンデー」「マーガレット」「少年クラブ」「少女」など、ありとあらゆるマンガ雑誌、B6版・A5版・新書版のマンガ単行本、新旧を問わず、ボロボロでもけっこうですからお願いいたします。(もちろん、童話、絵本、紙芝居、アニメの本なども受け入れています。)
 この資料館では、資料をすべて複数そろえ、一部は永久保存用、一部は閲覧に用いるシステムをとるため、どんな本でも重なってもかまわないから、どしどし送ってほしいのです。
 また、マンガファンの同人誌、創作集情報誌、マンガ家の原稿、写真、講演録テープ、マンガに関する催しのパンフやポスター類までをも、収集の範囲にしていますので送ってください。(同人誌類も二部必要)


 あて先は、
 XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX*2


 どうか、ご協力お願いします。(竹内オサム)


FUSION PRODUCT 1981年11・12月合併号より。


 今の大阪の上のほうの人は、漫画は眼中に無いんでしょうなあ・・・。

今、漫画資料を寄贈するならばどこへ?


 もう漫画を自分の手元に置いておけない場合、古本屋に売る、捨てる以外に、漫画を収蔵している図書館に寄贈するというテがあります。
 そのまま送りつけたりしては迷惑になるのはもちろんのこと、重複だった場合は処分対象になったりという事もあると思うので、そこの図書館が所蔵していない資料、という見方でもいいかもしれません。


 また、場合によっては国会図書館http://www.ndl.go.jp/国際子ども図書館の抜け資料なんかなら、そちらに問い合わせてみてもいいかも知れません。
 国会図書館に無いんでカッとなって思わずヤフオクで落札した、とかそういう時に。




 あとは、自分の好きな作家の本を・・・とかもありなのかなー、どうかなーとか。
 たとえば、おがきちかの著作ってネットで蔵書検索できる図書館に、国会図書館含めて1冊も無いんですよ。
 単行本については少年画報社一迅社が法律違反してるだけだからしゃあないんだけど、雑誌のZEROSUMも2008年以降しか納本されてないし、掲載状況や作者の雑誌コメントを後で調べるのも不可能っすね。
 30年後くらいに調べようと思った人が気の毒です。


*1:2010年現在では既に閉館

*2:過去の住所なので略