情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

うかつ賢二「耐えよペン」に見る酷い編集者の実態



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 マンガ家は耐える心が必要である!!
 プレッシャーに耐え ストレスに耐え 睡魔に耐え
 そして――――――



 人間関係に耐えねばならない!!




 雷句誠小学館を提訴した時に思い出したのはやはりこの作品。
 酷い編集者のことを描いた漫画といえば、燃えよペン、吼えよペンに登場するうかつ賢二の「耐えよペン」です。
 全8Pの掌編ですが、今のところ単行本などには収録されておりません。



 もちろん、「うかつ賢二」というのは実在の漫画家ではありません。中津賢也をモデルにした漫画俳優とでも言うべき存在です。
 しかし、燃えよペンの第2話から登場し、作中において*1実在の漫画家をモデルにした最初の登場人物でもあります。



 でもこの作品に関して言えば、内容もフィクションとのことなので、実在の人物や編集者とは関係ありませんから、このようなクレジットになっております。


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 耐えよペン 第1部 担当編集激耐編 中津賢也 改め うかつ賢二【ウソ】

 でもね、実際こんな編集者が居た筈がありませんよ。
 この「うかつの担当編集者 ハッタリ半蔵」さんの発言の酷いこと。


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 マンガってのはさァ、編集と作家の共同作業だと思うんだよね
 編集が8で作家は2ってとこかな


 いい編集にめぐまれた作家がいいものを描くのはそういうことなんだよ


 自分で言うのはなんだけどボクはいい編集だと思うしな


 うかつ君は幸せだよ


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 うかつ君、カラーが苦手だって言ってたよな
 今日はいいものもってきてやったよ

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 読みなよ、参考になるよ


 今度ボクが学生時代にかいた絵をもってきてやるよ
 色の使い方とか参考にするといいよ


 こんなことをされても言われても


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 作家は・・・耐えるしかないのだ!!


 しかし、臨界点というのはあるもので。




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 いやー、それにしても


 自分でもつくづく思うんだけどよー


 おれほど作家の気持ちがわかる編集って 他にはいねえよな

 ぺきぃん。



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 一応、参考までに書いておくと、1991年1月号のコミックコンプに掲載された「ちぇりーげいる金」の最終話はなぜか下書き掲載で、その上ちゃんと完結もせず単行本も最後まで出なかったんです。偶然の一致ってあるものですねえ。
 参考URL>ちぇりーげいる金最終回掲載のコンプ



 もちろん、フィクションであるこの作品と、その昔コミックコ○プに実在した編集の○ットリさんとは無関係に決まってるじゃないですか。
 決して「コミックコンプ 編集者 ハッタリ」って検索して出てくるログとか見ないように。



 いやー、人間関係って難しいですね。




 その後中津賢也は、「Gods*2を経て、少年画報社ヤングキングで「桃色サバス」(全12巻)「妖怪仕置人」(全18巻)と長期連載をしてます。
 今は「大江戸せくすぽっぷ」終わってから連載の谷間ってとこですね。



 また、この作品が掲載されたのは1991年5月16日発行のまんがくらぶ増刊号「燃えよペン島本和彦SPECIAL」。
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 実写漫画「燃えよペン」(燃えよペンの単行本にも収録)に中津賢也もうかつ賢二役で友情出演しております。
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 といったところで今回はここまで。



*1:炎尾燃を除けば

*2:これは近代麻雀で連載された作品。イーピンゴッドとか