情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

「どげせん」作画担当の“RIN”がどう見ても笠原倫だったので、漫画家による原作とかについて少し考えてみる


 本日発売の週刊漫画ゴラクで、板垣恵介&RIN「どげせん」が新連載となりました。
 


 で、クレジット上は、

  • 企画・全面協力:板垣恵介
  • 作・画:RIN
  • シナリオ協力:秀井次吾朗
  • CGart:斉藤直葵


 となっていますが、作・画の“RIN”はどう見ても笠原倫


  


 この辺の絵を見たら一目瞭然ですね。



 笠原倫は、それこそ少年誌からオヤジ雑誌まで色んな雑誌で仕事をしてきた漫画家さん。
 代表的なところでは、週刊少年チャンピオンでは「サンガース」(これ、今絶対出版も復刊も不可能。ポアする、とかハーケンクロイツとか出まくり)、「唇にパンク」(6×9=53+1 ロックはゴミの一つ上)、「女郎」(最後のほうは生徒のヤンキー同士の喧嘩になっちゃってたけど)など。
 オヤジ雑誌はゴラク系(ネクスターで「リスク」)→マンサン(「黒い太陽」、「君たちに明日はない君たちに明日はない (1) (マンサンコミックス))→週漫(「黒い太陽-女王蘭-」続黒い太陽女王蘭 1 (芳文社コミックス))、と来てまたゴラクに帰ってきたということになります。


 で、今回の組み合わせ、板垣恵介笠原倫はかなり珍しい、自作、原作、原作付の作画、とどれもやる漫画家さん同士なんですね。


漫画作品を作るうえでの分担について


 これちょっと説明が必要ですかね。
 純粋に、ストーリー作りから絵までやるのが漫画家さんとしては大多数。これを仮に

  • 自作


 と呼ぶとして、分担型の作品においては

  • 原案
  • 原作
    • 小説形式
    • シナリオ形式
    • ネーム形式
  • 作画


 みたく、どの部分をどういう風に担当するかってのが別れるんです。
 で、元々漫画家として活躍した後に原作をやるようになった、って方がいらっしゃるわけです。


 例えばユリア100式の原作の原田重光は、自分が絵を描くのはもうなくて原作者になっちゃた、とか、竹光侍永福一成は、原作付作品描いてたこともあるけど、現在は(小説形式で)原作やってるとか。
 ストーリー志向か、画志向か、ってな話に近いのかもしれません。


 名前はそのままの場合とペンネームを変える場合ってのがあって、例として、司敬倉科遼立原あゆみ積木爆とかね。



 以下の表では混在してるタイプの漫画家さんの例として複数人挙げてみますが
 ○:アリ、×:ナシとして、こういう感じ


自作原案原作作画
板垣恵介
イダタツヒコ××
永福一成×
笠原倫×
倉科遼××
立原あゆみ×
谷口ジロー××
手塚治虫×*1
とみさわ千夏×
鳥山明×
永井豪


 竹光侍 8 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) MyPureLady(9) (アクションコミックス) XBLADE(11) (シリウスコミックス) 真マジンガーZERO 3 (チャンピオンREDコミックス)


 他の人の原作を漫画にしてみせる場合の再話・再構成能力的なものと、漫画家として作品を作った経験があればこその原作と、キャラクターや設定だけを渡してなおそのエッセンスが失われない原案能力と、作品によって求められるものが違うとは思うのですが、複数人で協力して作る作品に関わり、その上で面白いものを創ってみせるってやっぱりすごい事だと思うんですわ。


 漫画家さんが他の人に作品提供したり、原作に転向したりする場合は、ネームになった時の構成と絵があってそれが反映されて行くのかなあ、などと思うのですね。
 魅せゴマ、決め台詞的なものの構成とか。


 そういう事を考えてみると、今作での組み合わせには期待せざるを得ない、と思うわけです。
 チャンピオンで同時に連載してた頃も仲良かったみたいだし。


 そうそう、次号からは山本康人「69デナシ」が新連載。こちらもゴラク初登場。
 




 やっぱり読もう!週刊漫画ゴラク!!

*1:翻案はあり、「鬼丸大将」はクレジットが無いものの途中まで原作あり(2010/11/07 07:45 Twitterでのご指摘により修正 http://twitter.com/icenerv/status/713599517458432)