情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

国会図書館に無い漫画や雑誌はどこでどうやって読むか



 近代麻雀漫画生活:国会図書館で幻の名作を読もう

手持ち無沙汰なので周りを見回すと、情報中毒者のsoorceさんや、TOKYO巡礼歌の四方田さんが居たりするので

 名前を出していただいた上にリンクまで張っていただいてますが、そんな頻繁には行ってません、というか行けません。登録者カードは一応持ってるんでコピーサービスとかですかね。


 ところで、

日本国内で出版されたすべての出版物が保存されているという


 とあるんですがこれは半分本当で半分間違いです。実際は無いものも結構あります。理由は後述。
 じゃあ、そういう風に国会図書館に存在しない漫画はどうすれば読めるのかって話です。

  1. 他の収蔵してる図書館で読む
  2. 自分で買う
    • 古書店で、ネットオークションで、目録で。金とスペースにどうしたって限界がありますが。
  3. 持ってる人に借りる
    • 持ってる人を探すのが大変かもしれませんし、コレクターは・・・。


 今思いつくのはこんなもんかなー。
 ただ、それでもどうしても見つからない、読めないってこともあります。
 自分も、15年来探してる本とか幾つかあるし。


 そういう時は気長に幸運を待つしかありません。死ぬまでに読めたら幸運、くらいの心積もりで。


国会図書館に「無い」ってどういうことか


 



 国立国会図書館法に以下のような条文がありまして、出版社は法律で納本しなければならないことになっています。


第二十四条  国の諸機関により又は国の諸機関のため、次の各号のいずれかに該当する出版物(機密扱いのもの及び書式、ひな形その他簡易なものを除く。以下同じ。)が発行されたときは、当該機関は、公用又は外国政府出版物との交換その他の国際的交換の用に供するために、館長の定めるところにより、三十部以下の部数を直ちに国立国会図書館に納入しなければならない。
一  図書
二  小冊子
三  逐次刊行物
四  楽譜
五  地図
六  映画フィルム
七  前各号に掲げるもののほか、印刷その他の方法により複製した文書又は図画
八  蓄音機用レコード
九  電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつては認識することができない方法により文字、映像、音又はプログラムを記録した物

e-GovSearch


第二十五条  前二条に規定する者以外の者は、第二十四条第一項に規定する出版物を発行したときは、前二条の規定に該当する場合を除いて、文化財の蓄積及びその利用に資するため、発行の日から三十日以内に、最良版の完全なもの一部を国立国会図書館に納入しなければならない。但し、発行者がその出版物を国立国会図書館に寄贈若しくは遺贈したとき、又は館長が特別の事由があると認めたときは、この限りでない。

e-GovSearch


 ですから、「出版社が納本した」すべての出版物が保存されています。


 しかし、出版社が倒産してしまった場合や、担当者のミス、法律に触れることをなんとも思わない場合など、国会図書館に納本をしていない場合も多々あるのです。
 雑誌なら、検索した際に(調)とか(欠)になってるのがそれ。


 雑誌の場合は、増刊号が所蔵欠けになっていたり、全5号で休刊してしまった雑誌の2号までしか無かったり、はたまた通常の号でも何故か1ヶ月だけ抜けてたり。
 単行本でも、同じくある作家の作品は収蔵されてるのに別の作家のは無かったり、全29巻なのに、3巻から27巻までしかなかったり、そもそも無かったり。


 具体的な名前を出すと色々アレですが、既に休刊してる雑誌を例にすると


 などはかなりの号が欠号だったかな。これはどちらも現代マンガ図書館にあったはず。

  • サンリオ「リリカ」
  • 奇想天外社「マンガ奇想天外」


 は1冊もありません。これも現代マンガ図書館や東京都立図書館、大阪府立国際児童文学館などにあります。



 単行本だと、少年画報社ヤングキングコミックスはほとんど納本されていません。
 荒くれKNIGHTBAD BOYSHELLSING惑星のさみだれも無い、というか、あるのは文庫化されてるの以外では3作品くらい。
 ここの編集長さん(フデタニンさん)はコミックマーケットの代表やってるくらいで、見本誌を使った図書館作ろうってなことやってるのに自社の出版物はないがしろって大概ですよねー。


 閑話休題


 他にも、エロ漫画・雑誌は収蔵されてる方が少ないですかね。


 そうそう、一度国会図書館で司書さんに聞いてみたことがあるんです。
 「国会図書館に無い資料を持っている場合、寄贈ってできるの?」と。


 曰く「相談していただければ、資料の拡充に協力していただくに吝かではない」と。
 現状国会図書館に無い資料をもってらっしゃって、寄贈してもいいかな、って場合は相談してみるのも一つの手かと。


 特に漫画家さんや作家さんの場合、出版社が自著を納本していないようなら自分で寄贈するってのもありじゃないでしょうか。(事実、同人誌でも納本されている場合があるし、そう難しくはないでしょう。)*1
 弱点としては、単行本なんかはカバー欠け状態で収蔵されるのでそういう仕掛けのある本はどうだろうか、というところ。


 あいかわらず余談の方が長いけど今回はここまで。




*1:例えば「漫画をめくる冒険」とか、白泉社LaLaを検索したときに出てくる「総目次」は同人誌。