情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

フランス語版の「鋼の錬金術師」はこんな感じ


 鋼の錬金術 フランス版 001 鋼の錬金術 フランス版 002


 これは、先日のブックフェアで買ってきた鋼の錬金術師@荒川弘のフランス版1、2巻。
 鋼の錬金術師(1) (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師(2) (ガンガンコミックス)の忠実なフランス語訳
 ISBN:2351420179ISBN:2351420187。(2007年9月現在で13巻まで刊行、14巻が予約受付中。日本より1年遅れってとこですか)
 (フランスのアマゾンには「MANGA」というカテゴリがちゃんとあるのです>。Amazon.fr : Manga : Livres)


 画像は別ウィンドウで開きます(フォト蔵を使用)



タイトルについて


 フランス版でもタイトルは「FULLMETAL ALCHEMIST」。フランス語じゃありませんやね。
 (フランス語だと錬金術師は「alchimiste」*1だし、鋼とか鋼の、だと「acier」「mettallique」あたり)
 これは日本でつけられている洋題をそのまま使ってるってことですかね。


 各話タイトルは(カッコ内が原題)

  • Les deux alchemist(二人の錬金術師)
  • La valeur de la vie(命の代価)
  • La ville houiller(炭鉱の街)
  • Du grabuge sur wagon(車上の戦い)
  • Alchime dans la souffrance(錬金術師の苦悩)
  • Le bras droit de la destruction(破壊の右手)
  • Apres la pluie(雨の後)
  • La route de l'espoir(希望の道)

 となっておりました。

装丁・造本など


 版形は日本と同じ。若干幅が広いような(4mmくらい。製本段階の誤差かも)
 あと、カバーがコート紙になってるのと、特色銀は灰色に。これは仕方ないか。
 鋼の錬金術 フランス版 003


 カバーデザインもそのまま流用。って、ふと思ったんだけど、デザインそのものは誰に元々の権利があるんだろう?
 スクウェア・エニックスのデザイナー?まあ、権利関係はその辺含めての翻訳許諾なんでしょう。



 背表紙・裏表紙もバーコードの位置やサイズの違い以外はほぼ同じ。
 巻数の変形丸かこみ鋼の錬金術 フランス版 005_2の形まで一緒です。あ、背には作者名無いか。


 鋼の錬金術 フランス版 005 鋼の錬金術 フランス版 004


 背表紙見返しにはアニメDVDの宣伝。奥付見ると2005年9月初版の様なので、アニメよりもコミックがあとだったんですね。
 鋼の錬金術 フランス版 006


 価格は1冊6.5ユーロですから、2007年9月現在のレートで1000〜1100円くらい。
 漫画1冊の値段としては結構高いような感じもしますが、こんなもんらしいです。
 上でリンクしたamazon.frでも大体そのくらいの値段です。


巻頭コメントとカバー下


 見返しの作者コメント、カバー下おまけ漫画、カバー下背表紙天国行きもちゃんと再現されています。
 鋼の錬金術 フランス版 007 鋼の錬金術 フランス版 008


 鋼の錬金術 フランス版 010 鋼の錬金術 フランス版 011


 鋼の錬金術 フランス版 009


 一番最初の遊び紙に紋章入ってるのは独自仕様っぽいですか。




本文はこんな風


 当然、台詞および記載されている文字はすべてフランス語に置換されています。(手書き文字含む)
 擬音描き文字もすべてフランス語に置換。
 ただ、何故か吹き出しの中は全部大文字なんですよね。


 以下、左側が日本版、右がフランス版。


 擬音と台詞。
 鋼の錬金術 フランス版 012鋼の錬金術 フランス版 013



 背景効果と擬音が混じってるのも。
 鋼の錬金術 フランス版 016鋼の錬金術 フランス版 017


 細かい手書き文字までよくまあ。
 鋼の錬金術 フランス版 018鋼の錬金術 フランス版 019


 おまけも当然。
 鋼の錬金術 フランス版 014鋼の錬金術 フランス版 015


 http://en.wikipedia.org/wiki/Yonkoma なんかを見るに、アメリカ版とはまた別に訳されてるみたいですね。
 擬音とか修正するの考えるとアルファベット版1個作ってそれ流用とかできないんでしょうか。
 (誰が、ってのはありますが)



登場人物名など


 これは基本的に日本語版に人物紹介にある横文字表記のまま。
 Edward Elric、Alphonse Elricとか、Roy Mustangとか。


 例外はショウ・タッカーが「Shou」でなく「Sho」になってるのと、スカーの「傷の男」が「L'homme a la cicatrice」って表記されてるくらいかな(以下2巻の登場人物紹介より)
 鋼の錬金術 フランス版 020 鋼の錬金術 フランス版 021



 登場人物間の呼び方では、アルがエドを呼ぶときに「SEUL」て言ってたり「EDWARD」って言ってたり。(207/09/04 22:30取り消し線 通りすがりさんのコメントにより取り消し線。翻訳上「兄さん」とは言ってないそうです。すいませんでした。)
 翻訳というよりも習慣の差か?2話以降は「EDWARD」で固まってるけど。アニメではどう呼んでたんだろう。

 鋼の錬金術 フランス版 022鋼の錬金術 フランス版 023


 鋼の錬金術 フランス版 024鋼の錬金術 フランス版 025


 鋼の錬金術 フランス版 026鋼の錬金術 フランス版 027


 これは「焔の錬金術師」「豪腕の錬金術師」の名乗り。
 鋼の錬金術 フランス版 028 鋼の錬金術 フランス版 029



 こっちは「焔の錬金術師が始まります」で、「FULL FLAME」ってなんか微妙にニュアンスが違うのかな?
 鋼の錬金術 フランス版 030


 こうして吹き出しの中や擬音をみると、日本語は縦書き横書き出来るから配置自由だけど、アルファベットは折り返しになったりしてその辺不自由なのが結構効いてる感じ。
 でも擬音は基本的に横書きなんで関係ない、いや、それは何かおかしいな。文字であるよりも先に絵だからか?*2



 といったところで今回はここまで。



※当ブログの海外漫画関連記事はこちら。




*1:本文中でもそう言ってる

*2:参考というか、「ネギま!で遊ぶ」より「ネギま!で読む「ネームの文法」前編〜コマの中を流れる力〜 」なんかでは横書きの文字を読む方向との関係は書いてなかったか。文字として認識してるけど一々読んでるわけじゃないからいいのかな。