情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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25〜6年前(?)、台湾での二種類の「らんま1/2」海賊版「七笑拳」を見比べる



 海賊版って同じ国で複数バージョンあったりするもんなんですね。(らんまも、多分この2バージョン以外に複数あるっぽい)
 多分、1987年か88年頃に出たものだと思うんですけど、奥付に発行日とか無いので、年代は推定です。


  

 左側が大然出版社「金歓楽優待版」のもの、右側が育民出版社「天下漫画」のもの。(「天下漫画」の方は、孫コピーっぽいんだよなあ。)
 タイトルは同じ「七笑拳」なので、どっちかが後発なんでしょう。


 以下、「金歓楽優待」は「金」、「天下漫画」は「天」で。


 「金」がかなりひどいのは、海賊版のくせに(R)マークつけてたり、奥付に「版権所有」なんて書いてたりすること。
 法律はどうなってたんだろう。


  


 定価は、どちらも60元なんですが、「金」では60元に×印がついて30元に(×印も印刷)


 裏表紙比較。
  


 部分拡大
 


 背表紙比較。
 


 絵に対する翻訳の仕方、というか加工が結構違ってます。


 各話扉では、「金」はサブタイトルもそのまま残してる、「天」は消してる。

  


 名前の訳し方とかは同じっぽい。(いずれも繁体字なのですが)
 意味と音とどっち基準かわからんね。早乙女>姫は意訳だろうが、玄馬>玄毛は音訳っぽいし・・・?


 
 



 など。してみると、最初に出た海賊版を参考にしてるのか、標準的な訳し方があるのか。
 正式版ではどうなってたんだろう。



 擬音の翻訳の仕方が違ってますね。
 「金」はそのまま、「天」一方は消して書き文字に置き換え。


  



 ただ、「天」は消すだけ消してそのまんま、なんてひどい箇所も。


  


 こんな風に、無理矢理置き換えてので共通箇所も(右下の差に注目)
 もとは「あ``〜〜〜〜」の書き文字だった箇所。


  



 擬音の翻訳は、中国語圏だと、現在はそのままのが一般的なんですかね

 
 参考記事:


 どちらもカバーレスペーパーバック仕様。
 紙質は下の上ってとこかな。



 「金」の方には、同時に出てた別作品の広告も出てます。
 車田正美大人気。男坂神輪会もあるとは。
  


 あと、レディス漫画もあったみたい。日本語タイトル不明。
 



 現在ではもちろん正式翻訳版が出てて、タイトルは「乱馬1/2」だそうです。正式版が出るまでに、総計何部くらいの海賊版が刷られたんでしょうな。


 といった所で今回はここまで。


 らんま1/2 (1) (少年サンデーコミックス) Ranma 1/2, Vol. 1