毎週日曜、その週に読んだ本の感想記録をつぶやいています。2019年は400冊弱に関して記録を残していました。*1
その中から、ノンフィクションに絞ってこれは面白かった!というのを16冊選んでみました。タイトルあいうえお順。
読んだのが2019年だっただけで、発行時期古いのもあり。
- アジアに生きるイスラーム
- アジアの各国、そして都市におけるイスラム教徒とそのありかたとを研究したもん。笹川記念財団による出版物。広まり方や人口比など、なるほどそうだったのかというのも多い。共生が出来ればというのは理想なんだろうけど。
- イカ4億年の生存戦略
- 遥かなる太古から海中に存在し続けている頭足類。その進化と変化の歴史を追う。環境が変化し、魚に食われ、分枝が絶滅してきた中で、現存種は如何にして生き残っていたのか。侵略して来るわ、これは。
- 居酒屋チェーン戦国史
- 外食産業の中でも栄枯盛衰の激しい居酒屋チェーン。その経営者列伝でもあり、野望と成長と戦いの歴史。ファミレスや中華が飲みに進出してる現在を考えると、居酒屋の未来は暗いのかもだが、どうなるか。
- 大阪のスラムと盛り場 近代都市と場所の系譜学
- お好み焼きの物語
- 数多くの資料から、お好み焼きってどうやって成立したのか、という歴史を探る。個人的体験はあてにならん。これまでの多くの俗説を、記録から正しく否定していくのは爽快でもある。ソースと醤油とか。現代と異なる情報・商売の伝播速度ってのも考えさせられる。
- 終らない物語
- 釜ケ崎合唱団 労働者たちが波乱の人生を語った
- 恐怖を知らない人たち
- 国道16号線スタディーズ
- 横須賀から富津まで、首都圏をぐるりと走る国道16号線。ロードサイド、そして各地域と、そのありかたと存在を探る。典型的風景でもあるが、それぞれに違う、というのはなるほど。
- ジェット・セックス スチュワーデスの歴史とアメリカ的「女性らしさ」の形成
- スタン・リー マーベル・ヒーローを創った男
- 2018年に亡くなった、スタン・リーの包括的伝記。毀誉褒貶があるのは、自分語りの時にも盛ってしまう、面白くしようとしてしまうっていうのがあったんだろうなあと。日本とシステム違うのも大きいね。
- 大政翼賛会のメディアミックス 「翼賛一家」と参加するファシズム
- 昭和十五年頃から作られた「翼賛一家」という漫画を中心にしたメディア展開の実像を追う。こんなのがあったのか、というのと創作が戦争で曲げられる恐ろしさと。手塚治虫の関わりも。
- 脱走王と呼ばれた男 第二次世界大戦中21回脱走した捕虜の半生
- イタリアで、移送先のドイツで、収容された場所から脱走しまくったイギリス人将校の話。それだけ脱走したという事は、逃げても逃げても捕まった、という話でもあるのよね。
- 図書館の日本史
- 古代から現代まで、蔵書家から公共図書館まで、日本における書籍の集積と利用についての概史。知識を保存し伝える、物語を楽しむ、そして。なるほどなあ。散逸の歴史としても面白い。
- もう「ゴミの島」と言わせない
- 香川県豊島の不法投棄、そこからの戦い。これなあ、田舎の「お上に逆らっては」とか「お前が得しようとしてるだろ」的な足の引っ張り合いが多すぎてもうね。しかし、なんで殺害しなかったんだろうなあって話も多いわ。
- わたしは哺乳類です 母乳から知能まで、進化の鍵は何か
- これは面白い。そもそも哺乳類ってなんだというのから、その特質をもたらす形質がどの様に形成されて来たのかを探り、不可分な領域と謎を見せていく。ミッシング・リンクもまた。
今年も面白い本が読めるといいですね。
といった所で今回はここまで。
*1:活字の本のみ、フィクション含む