こちらは先日、古書店で手に入れた、約30年前の本。
マンガ奇想天外臨時増刊「ネコマンガ大全集」(奇想天外社、1982年)
定価650円、302ページ。
執筆メンバーと作品は、掲載順に以下の通り
- ネコじゃネコじゃ(倉田江美)
- 出口(やまだ紫)
- ゆきねこ(伊東愛子)
- ネリマドールに鵺が鳴く(中山星香) *1
- ゴンベエとマアちゃん(いまいかおる)
- プシキャット プシキャット(萩尾望都)
- 斑猫(吉田秋生) *2
- みなこねこなみ(矢代まさこ)
- ライダーより愛をこめて(和田慎二)
- 菊千代 VS ニャロメ(赤塚不二夫)
- 猫日記(吾妻ひでお)
- 博士の好きな猫の目時計(ますむら・ひろし)
- ミルク・ラプソディ(大島弓子) *3 *4
- おけさのひょう六(手塚治虫) *5
- 魔女の右腕(高橋葉介)
- むせび泣く猫(水木しげる)
- BRUNO WALTER(松本零士)
「出口」のみがこのムックでの書き下ろしで、それ以外は雑誌再録。
とはいえ、この時点では「ライダーより愛をこめて」以外は単行本未収録という、なかなか贅沢な集め方。
傑作揃いって言って差し支えないでしょう。
2011年現在だと、途中で単行本掲載されても入手困難になっちゃってるのの方が多いかな。「おけさのひょう六」「魔女の右腕」「プシキャット プシキャット」あたりは容易だろうけど、「みなこねこなみ」なんかは現在まで未収録か。
また、記事として
- 宮田動物病院長のコレクション・ネコ
- 間所すずこさんの手づくりネコ
という猫グッズ紹介的なものと
- マンガ猫辞典-若いネッコの会結成に向けてのネコの紳士録-(米沢嘉博)
という漫画に出てくる猫を20匹(人?)集めた記事が掲載されています。
ちなみにその筆頭に挙げられているのは立原あゆみ「のらねこ教室」のイチクミでした。
全体を通して読んでみると、ミステリ・サスペンス要素入った作品が結構多いのですね。
「博士の好きな猫の目時計」も、アリバイ絡んでたりするし。
猫ミステリと猫アンソロジーと
上記の例はあくまでも「猫漫画アンソロジーとして最古」だろう、という程度の話。
日本の小説世界においては、一方に「吾輩は猫である」、また別の方向に「三毛猫ホームズ」という金字塔がありますが、猫小説アンソロジーは日本でも海外でも色々編まれてるようです。
何故か、ミステリ関係にすげー多い。
不思議の国の猫たち―12点のアンソロジー (光文社文庫) 猫が見ていた―猫ミステリー傑作選 (広済堂文庫) 猫のミステリー傑作選 (河出文庫)
漫画で個人だと、手塚治虫の猫作品オンリーがあったり。
複数作家が参加したのだと、モーニング系の「猫本」は結構最近、っても2が3年前か。。
猫漫画のみが掲載された雑誌(か、ムックか、コンビニコミックか?)が毎月発売されたりもしてますね。
作家・漫画家は猫派・犬派で言うと猫派が多いのではないか、とも思ってますが、ジャンルによって偏りあるのかも。
猫のイメージは、気まぐれだったり気分屋だったり、夜出歩いたり、と謎やミステリ方面に結びつきやすいのかもしれません。
・・・じゃあ犬がホームズってどうなんだってのはあれだ、正義側ならいいんじゃないのかな。
といった所で今回はここまで。