情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
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数字で見る週刊少年ジャンプの40年 (週刊少年漫画雑誌の価格・ページ数・作品数などについて調べてみた その1)




 2010年現在、「漫画雑誌」が330誌以上存在しているそうです。多い、多いよ。把握しきれないよそんなもん。
 とはいえ、その中で話題になったり語られたりする頻度が多いのは、やはり週刊の漫画雑誌なわけです。なにせ単純に月刊誌の4倍の回数出るんですから。


 その中でも、週刊少年漫画雑誌の歴史とかその辺を語る際に、(自分を含め)過去の思い出補正のかかった印象だけで書いたり喋ったりしちゃっていやしないかと。
 やっぱりこういうデータが必要かなー、ということで価格・ページ数・作品数などを調べてみました。



 一応、各年20号*1をサンプルとして、調べてみた結果です。*2
 18歳以上の方なら、誰でも国立国会図書館で確認可能なデータです。


 まずは週刊少年ジャンプから。
 グラフ作成に使用した生データは最後にカンマ区切りテキストとして置いてあります。


 参考までに、現在発売中の週刊少年ジャンプ2010年11号を例にすると
 定価:240円、ページ数:470ページ、作品数:23(うち読切1)、となります。



価格の推移


 

 過去に比べて値段が高くなった、という人はこれのみに注目しているのかな。
 (全ての雑誌で言えることですが)1974年のオイルショックが大きな分岐点であることはご記憶くださいますよう。



 自分が読み始めた頃の価格がどの辺か、というのも影響を与えそうですね。


 

 解説こういう感じで埋めようかと思ったけどウザいわこれ。


ページ数の推移


 

 ページ数は、表紙から裏表紙までの全ページ数。
 16の倍数に限らないのは、カラーページや折込などにより微妙に差が生じるからですね。


 定価の推移とほぼ同じにページ数も増えて行ってるんです。ということで↓が出てくるわけですね。


「ページ単価」の推移


 

 価格/総ページ数から算出される数値。1ページは一体幾らなのか、という指標。
 これは週刊少年四誌全てで言えるんだけど、実はオイルショック以降、それほど大きく変動していないのです。
 ・・・ところが、というのは次回以降。


作品数の推移


 

 ページ数が増えるということは、作品数が増えると言う事でもあります。
 ただし、ストーリー・ギャグ・コメディ、それぞれ標準的なページ数が違うため、そういう種別の数によって多くなったり少なくなったり。
 また、休載、連載開始と終了のタイミング、読切、特別編など、同じ年でも号によって3作品くらい上下するので大体の傾向でしかありません。


 作品数が多くなるということは、改変期に「打ち切られない作品」の数が多くなると言う事でもあり、連載の長期化傾向の一因となっている、のかも。


「作品単価」の推移


 

 で、作品数で定価を割ってみた結果。
 本当はページ数比較まで入れて計算しないとおかしいかも。
 今の計算だと、いぬまるだしっいぬまるだしっ 1 (ジャンプコミックス)ONE PIECEONE PIECE 巻55 (ジャンプコミックス)も同じ「1作品」ってことになりますからね。


 そうだ、「連載作品の平均単行本巻数」を調べたら面白いんじゃないか、と今思いついた。
 連載中の作品や、未単行本化作品なんてのがあるから計算方法が少し難しいか。


サブタイトル、話数など


 ちょっと余談。
 現在の週刊少年少年ジャンプでは、全ての連載作品にサブタイトルが、こち亀以外の作品には話数がついています。
 今週ので言えば、HUNTER×HUNTERが「NO.296 記憶」、バクマンが「73ページ 縁と星」てなふうに。


 このうち、「296」「73」は話数、「記憶」「縁と星」はサブタイトル。
 「No.」「ページ」はちょっと正式な呼び方が分からないため話数表示、とします。


 この話数表示などですが

  • ジャンプでは、創刊当初からサブタイトルは全ての作品についていた
    • マガジン・サンデーなどはストーリー漫画では付いていないことも多かった。チャンピオンも*3同じく。
  • サブタイトルは80年代前半までは「〜の巻」で統一*4、話数・話数表示が付き始めるとバリエーション増えた
  • 話数・話数表示が付き始めたのは1981年頃から
  • しかし、1980年代にスタートした作品でも有り無しは混合。*5
  • 話数表示は付き始めた当初から色々ある*6
  • 1990年代に入ると、全ての新連載に話数・話数表示が付くようになった。
  • (こち亀以外)全ての作品に付くようになったのは(ジョジョ5部が終了した)1998年。*7


 といった感じ。
 雑誌や出版社によってルールが異なるようですね。


 といったところで今回はここまで。他3誌のデータ、比較などに続く予定。


参考にさせていただいたサイト

使用したデータ

年,定価,総ページ数,作品数,うち読切,ページ単価,作品単価
1969,90,288,12,2,0.313,7.5
1970,80,276,14,1,0.290,5.71
1971,80,280,13,,0.286,6.15
1972,90,284,14,,0.317,6.43
1973,100,316,15,1,0.316,6.67
1974,130,252,12,1,0.516,10.83
1975,130,268,11,1,0.485,11.82
1976,150,318,14,,0.472,10.71
1977,150,320,13,1,0.469,11.54
1978,150,320,14,1,0.469,10.71
1979,150,336,14,1,0.446,10.71
1980,150,336,14,1,0.446,10.71
1981,170,348,15,1,0.489,11.33
1982,170,352,15,1,0.483,11.33
1983,170,356,15,,0.478,11.33
1984,170,358,16,,0.475,10.63
1985,170,356,16,,0.478,10.63
1986,170,354,16,,0.480,10.63
1987,170,378,17,,0.450,10
1988,170,382,18,,0.445,9.44
1989,180,436,20,1,0.413,9
1990,180,414,20,1,0.435,9
1991,190,418,19,,0.455,10
1992,190,424,19,,0.448,10
1993,190,420,19,,0.452,10
1994,190,416,20,,0.457,9.5
1995,190,428,19,1,0.444,10
1996,200,424,18,,0.472,11.11
1997,200,452,19,,0.442,10.53
1998,210,432,18,,0.486,11.67
1999,220,458,19,,0.480,11.58
2000,220,450,19,,0.489,11.58
2001,220,448,20,,0.491,11
2002,220,456,21,1,0.482,10.48
2003,220,450,20,1,0.489,11
2004,230,456,19,2,0.504,12.11
2005,230,458,20,,0.502,11.5
2006,230,484,20,,0.475,11.5
2007,230,490,22,1,0.469,10.45
2008,230,460,21,,0.500,10.95
2009,250,516,21,1,0.484,11.9
2010,240,470,23,1,0.511,10.43

*1:20号が合併号や特別号などであった場合はその前後

*2:何故「20号」なのか、というと、GWの合併号の前、かつ、4月からの新連載などの影響の少ない「通常号」の場合が多いので

*3:現在でもドカベンにはサブタイトルが無い

*4:故にこち亀は今もそうです

*5:例えば、魁!男塾魁!!男塾 (1) (集英社文庫―コミック版)には話数が無い

*6:ドラゴンボールでは「其之XXX」ついでにとんちんかんついでにとんちんかん (1) (集英社文庫―コミック版)では「アホのXXX」など

*7:ストーンオーシャンは話数表示あり