情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

コミックチャージが休刊になったので、創刊から休刊までの印象を語ってみる(他の隔週青年誌についても少々)



 本日発売号で角川書店コミックチャージが休刊となりました。2年弱、合計44号ですか。
 一時期は漫画アクションコミックチャージコミックヨシモトと3誌が並立していた第1,3火曜発売の雑誌が、また1つだけになってしまいました。


 これで隔週の漫画雑誌は、中綴じ青年誌が15誌、平綴じ少女・女性誌が6誌*1ということになります。*2


隔週青年誌について


 自分が読んでるのは青年誌なんでそこについて話をしますが、どの雑誌も基本的に看板というかメインの長期連載ストーリー作品があって、それを軸に他の作品がある*3という感じですか。
 大雑把にまとめると↓のような感じ。


 長く連載されている*4ものに(長)とつけておきました。目安は15巻超えくらい。続編で合計が超えてるのも含みます。
 「主力作品」としてるのは、表紙になることが多かったり、単行本XX部!と喧伝されたり、連載が長かったり、ドラマ化されたりアニメ化されたり、そういう感じのをsoorceの偏見で選んでます。

各雑誌概要

印象や概観


 創刊時期が一番古いのはビッグコミックプレイコミックで1968年。ただし、週刊漫画アクションの創刊が1967年で、一旦休刊・復活後隔週化してるので歴史の長さはほぼ同じくらい。
 一番新しいのはヤングガンガンの2004年*6ヤングアニマルは1992年ですが月刊アニマルハウスの隔週化なんで、みこすり半劇場の1990年がその次かな。
 もちろん、この間に色々な雑誌が創刊されては休刊していったり、月刊→隔週→月刊と変遷したりしてるわけですが、生き残ってるのはこれだけということです。


 実際の読者年齢層は創刊時期に比例してるか、と言われるとあまり関係ないかも。他と一緒にビッグコミックオリジナルを読んでる、とか組み合わせがありそう。
 ただ、プレイコミック別冊漫画ゴラクのようなオヤジ雑誌系列はまた独特っぽい。


チャージ創刊から休刊まで


 こうしてみると、チャージが狙っていた読者層はスペリオールが一番近かったのかな?
 スペリオール・イブニング・ヤングガンガンの中間オタク抜きみたいな感じか。


 その割にテコ入れ策がなんかちぐはぐだったのは否めません。
 自分の感想記録から時系列順にピックアップすると、

  • 創刊。角川映画のDVDが付録。でもこれ以降映画関連は最終期近くまでなし。
  • これはよかった。家族八景@筒井康隆@清原なつの
  • 2号目で、壬生義士伝@浅田次郎×ながやす巧の連載予告。実際に掲載されたのは半年後の2007年11月。
  • 航空機、CAネタが多かったか。ぶっちぎりCA@大和田秀樹、レディイーグル@鳴海章×千葉きよかず、Carrier-グランドスタッフ・ストーリー-@清水洋三(協力:洲崎耕輔)。
  • 何故かエヴァンゲリオン関連でテコ入れ。ポストカード、マウスパッド、CD-ROM、コスプレグラビア。
  • 吾妻ひでおが参入。ロリアル探検隊、でメイド喫茶レポート漫画。でも全部で3回くらいしか載ってない。
      • その後、新現実でやってたのを引き継いで自伝作品。地を這う魚。
  • ゲスト読切。アンラッキー・ヤングメン@大塚英志×藤原カムイ
  • 連載は原作付が多かった。んだけどなあ。
  • 矢沢永吉漫画開始。
    • ステッカーとかポスターとか。誰向けだったんだろう。
  • 岩明均の単行本未収録作品を掲載したり。目を見て話せ@岩明均
  • 藤沢とおるの新連載、っても2話くらいしか掲載されずにぶっちぎり。あんハピっ!@藤沢とおる
  • 山田貴敏が新連載予告漫画→開始されず。PreCompleX@山田貴敏
  • タイアップ作品を投入する一方、オリジナル作品は打ち切ったり。方針がわからない。
  • TVタイアップ。ジュテーム-わたしはけもの-@鎌田敏夫×陽香。
  • この辺で1周年。
  • 大物原作付作品。グラスホッパー@井坂幸太郎×井田ヒロト
  • ゆうきまさみの初期作品集にあわせて再掲と宣伝漫画。
  • パチスロのコミカライズ。ハードボイルド-グリフォンの幻影-@Sammy×海瀬壮祐
  • グラビア増やしてみたり、誌上通販をやるために振込用紙が入ってたり。
  • 原作付きドラマタイアップ。女子大生会計士の事件簿@山田真哉×左菱虚秋。
  • グラビア増加、最終回になる作品増える。
  • 休刊。


 方向性が全く見えないまま、かつメインとなる長期ストーリーが出ないまま終わってしまったかなと。
 本来ならば大塚英志原作の漫画が毎号掲載でそれを看板に、というあたりだったのかも知れませんが、サイコも黒鷺死体宅配便もゆったり目の掲載ペース*7でそうはなりませんでした。


 経済学習漫画的なのや原作付作品を多く投入していたのですが、それもなんだか中途半端に終わったような。
 大きくオタク方向にもヤンキー方向にもホワイトカラーにもブルーカラーにも振れないままというか。


 以前書いた図で言えば、AにもCにも行けず、上にも下にもいけない。
 
 でも王道作品、中心に位置する作品は掲載されないままだったのでドーナッツ化した雑誌のまま瓦解した、というところ。




 でも、短期連載・ギャグ・コメディー陣は良かったと思います。
 単行本でいえば
 家族八景家族八景 上巻 家族八景 下巻 壬生義士伝壬生義士伝 (2) (KADOKAWA CHARGE COMICS 20-2)、サラリーマン田中K一がゆく!サラリーマン田中K一がゆく!、へっポコ!へっポコ! (KADOKAWA CHARGE COMICS 9-1)が出たのと、(予定ではあるけど)地を這う魚、マンガ家田中K一がゆく!が出るのは高評価。


 何にせよ、新雑誌移管作品を含めきちんと決着を付けて欲しいところです。


付記

 自分の感想記録の中から原作者、漫画家、監修等の名前を拾ってみました。感想を書いていない作品もあると思うのですが、単行本未収録データなどを探す際のご参考まで。


 Sammy、かわのこうへい、かわのゆうすけ、きたがわ翔こしのりょうしりあがり寿たかはまこちくやまきよし、ちょうすけ、ながやす巧はしもとみつおほりのぶゆきゆうきまさみサタミシュウ、パトリック・ユー、阿部潤、旭凜太郎、伊藤ひろかつ、伊藤一天、伊藤洋一、井坂幸太郎、井田ヒロト夏緑、花小路ゆみ、海瀬壮祐梶研吾鎌田敏夫岩明均、逆夜れらく、宮本延春金平守人呉エイジ吾妻ひでお幸田真音、江島一二三、紅林直高橋功一郎佐野タカシ、左菱虚秋、坂本あきら山崎峰水、山田タロウ、山田貴敏山田真哉寺島優若林健次、樹生ナト、洲崎耕輔、渋谷直角、小堀洋、松本ひなつ、森田信吾森美夏、森由民、清原なつの、清水洋三、西岡恭子、石川たくみ、石川勝也、千葉きよかず浅田次郎倉田真由美大崎裕史大塚英志大和田秀樹中山昌亮、中尾礼、貞本義行田中圭一田島昭宇筒井康隆藤原カムイ藤沢とおる福島孝徳本そういち本庄敬、鳴海章、木村ひかげ、矢上裕矢沢永吉、陽香。


*1:YOU、BE・LOVE、KISS、Sho-Comi、マーガレット、花とゆめ

*2:アクションピザッツは以前隔週で、今はDXと2週間差で売ってますが別口ということで

*3:みこすり半劇場は・・・読んでないからよくわかりませんが

*4:巻数が多い

*5:少年ジェッツ

*6:12月創刊なので実質は2005年

*7:という言い方をするとキレイだが、要は休載ばっかりだったってことです