情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

やっぱり、最も多くの形態で出版された漫画は「鉄腕アトム」かもしれない・・・んだけどちょっと微妙という話



まとめ

  • 単行本含めた出版形態の多さでは「鉄腕アトム」が「あしたのジョー」より多い
  • ただし、掲載誌が分散、単行本間のバージョン差が存在しているため、「最も多くの形態で同じものが出版された」のは「あしたのジョー」でいいと思う

発端


 先日こんな記事を書きました。


 これについてこんなコメントを頂きました。

mm

 昔、アトムを調べたら15種類くらいありましたが、それより多いものがあるとは思わなかった。

http://d.hatena.ne.jp/soorce/comment?date=20110513#c

 

 手塚治虫作品なんかもよく分からないぐらい出てる気がするけど実際どうなんだろう。

ゴルゴ31


 そうか、手塚治虫の「鉄腕アトム」があったの忘れてた!
 ということで調べてみたら、そっちのが多いんじゃ、という話。


言い訳


 これがねー、微妙と言うか、それは鉄腕アトムだけど同じものではないのが多いというか、難しいところなんですよ。
 先日の「あしたのジョー」は長編作品なので、どのバージョンにおいても、泪橋での出会いから真っ白に燃え尽きるまで、という一つの話として収録されるんですけど、連作短編であるアトムの場合は難しい。
 主に

 という2点で大きく変わってきちゃうんです。
 例えば手塚治虫全集版では、他の版に見られる手塚治虫の独白ページなどが無かったりします。(「十字架島」の最初のランプのモデルのくだりとか)


 鉄腕アトムを知っていますか?と聞けば、多くの人が「知っている」と答えるでしょう。
 漫画の鉄腕アトムを読んだことがあるか、と聞くと、今度は少し減るかも知れませんが、それでも多くの人が「読んだことがある」と思います。


 しかし、どの単行本で読んだかで違いすぎるんです。
 ジョーで例えると、力石死亡後の雪の中で倒れてるシーンで終わってるバージョンもあれば、途中の金飛竜戦が抜けてるバージョンもある、みたいなもん。それはおかしいか。


鉄腕アトムの単行本は、一体何種類あるのか


 雑誌掲載についてはWikipediaの記述が詳しいですね。


 で、こちらのページの単行本データなどより(1巻本を除いて)表に起こしてみると


番号名称出版社全巻数
1光文社単行本光文社3
2手塚治虫漫画全集(光文社版)光文社8
3カッパコミックス光文社32
4カッパコミックスデラックス光文社3
5虫プロミニまんが(豆本)虫プロ3
6手塚治虫全集(小学館版)小学館20
7サンコミックス朝日ソノラマ22
8豪華愛蔵版朝日ソノラマ3
9手塚治虫漫画全集(講談社版)講談社18
10月刊マンガ少年別冊朝日ソノラマ12
11ほるぷ版手塚治虫選集ほるぷ出版6
12手塚治虫作品翠楊社3
13KCスペシャ講談社6
14講談社コミックス豪華愛蔵版講談社15
15手塚治虫全集DVD-ROM版講談社3
16光文社文庫秋田書店15
17秋田書店サンデー・コミックス講談社24
18講談社漫画文庫小学館13
19My First Big小学館12
20ビッグコミックススペシャ小学館9
21鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集光文社6
22ぴっかぴかコミックス小学館2
23手塚治虫文庫全集講談社10


 となります。こうしてみると「あしたのジョー」よりも多い・・・んですが、豆本の全3巻とか、よくわからないのも入ってます。
 何かを話す場合に底本として使うべきなのは、


 ということになるんでしょうか。


 とはいえ、今読むとなると、手塚治虫全集鉄腕アトム(1) (手塚治虫漫画全集 (221))秋田書店サンデーコミックス鉄腕アトム―大人気SFコミックス (1) (Sunday comics)手塚治虫文庫全集鉄腕アトム(1) (手塚治虫文庫全集 BT 1)のどれかになると思いますが、この3者も内容同じでは無いようで・・・。

収録状況調べていた人がすげー!という話


 で、その辺を研究してまとめてる方がいらっしゃいまして、一目瞭然。


 結構差があるもんですねえ・・・。
 生前だけで何回くらい改稿したんでしょうなあ。


 結局、鉄腕アトムを「全部読んだ」と言う為には色々やらなきゃダメってことっぽいですが、それもどうなんだろう。
 関連全原稿を集めたバージョンがあればいいんでしょうが、難しいでしょうなあ。



 といった所で今回はここまで。