情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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はるき悦巳短編集にも収録されなかった幻の掌編「おふくろの味」と、同時期のインタビューなど



 6/30に、小学館から「はるき悦巳短編全集 力道山がやって来た」が発売になります。
 絶版になった「舌町物語」に収録されていたものに加え、今まで単行本未収録だった短編、未発表作品まで網羅された作品集。


はるき悦巳短編全集 力道山がやって来た (ビッグコミックススペシャル)
はるき悦巳短編全集 力道山がやって来た (ビッグコミックススペシャル)


 参考記事:「じゃりン子チエ」のはるき悦巳、初収録作品満載の短編集 - コミックナタリー



 ところが、残念ながらここに収録されなかった作品もあります。
 それがこの「おふくろの味」。


 



 日本文芸社カスタムコミック1981年5月号に掲載された3Pの掌編。掲載時は赤黒2色でした。
 色んな作家が描く「CUSTOM-GAG」シリーズ*1の一遍として掲載されたもの。


  



 なんとこの作品、小鉄とジュニアが(そういう名前では呼ばれないけど)登場しております。
 双葉社以外で描かれたことあったんですね、というかスターシステムかな。


余談 インタビューとか


 はるき悦巳については、関西じゃりン子チエ研究会さんがネット上で最も詳しいといっても過言ではないでしょう。

 なので、こちらで掲載されていない情報をご紹介。


 こちらは、女性セブン1980年20号「ニュースウェーブ」コーナーに掲載された記事『「じゃりン子チエ」は猫好き親孝行の5年生』。はるき悦巳本人のコメントが少しあります。(顔写真は本来ちゃんと載ってたけどボカシ)


 

 最初は一回きりのつもりで描いたんやけど、人気がよくて、もう一回、もう一回といってるうちに、連載になってしもたんですワ

 人間だとキザに聞こえる言葉でも、猫だと平気な気ィするのね。だから猫にしゃべらせちゃう。

 ぼくはなまけ者で、バイトで1か月働いては、3か月なにもしないというような生活やったけど、女房もろて、なんとかしなきゃいけなくなり、そや、まんがでも描いたろと思って、描き始めたんですワ。

 家におってまんが描いて、締め切り日に編集者に作品を渡すだけで、外部との接触はあまりあらへん。作品の反応もさっぱりわからへんのです


 この時期(1980年〜1982年)は、井上ひさしによる書評をきっかけとして(?)インタビュー・取材記事など非常に多く、「徹子の部屋」にも出演したくらいなんで、顔を隠してたわけじゃあないんですけどね。


 こっちはまんが専門誌FUSION PRODUCT創刊号(1981年7月)に掲載された「まんが家48人インタビュウ」より。


  
 自画像は後姿です。


 



 

―今、月にどれくらい描いてます?


 100枚ちょっとかな。苦しいわ。嫁はんが子供できてから手伝いできんようなったし。『アクション』でアシスタント募集を出すんやけど、まあカケアミくらいやけど、なんとか一人でもやれんことないやろと思うしね。


 いずれも、興味があったら探してみてください。読むだけならそう難しくは無い、と思います。
 といったところで今回はここまで。




*1:さいとう・たかをちばてつやなども同シリーズで描いてるが、お二人の公式サイトに記録が載っていない。どういうことだ!