今、週刊少年マガジンで小林まことが「青春少年マガジン1978〜1983」ってのを短期集中連載してるんですけど、これが面白いのなんの。
そこで、その周辺のこと書いた本があったら読みたいなと探してきたのがこれ。
2004年に東邦出版から出た『「ダメ!」と言われてメガヒット』
これの第8章が「1・2の三四郎」とその後の小林まことに割かれているんですが、アシスタントだったこしばしげるらが語った原稿を落とした時のエピソードがちょっと酷いのでご紹介。
夏のある日、小林さんが仕事場に来なかったので、こしばさんは近所の公園で音楽を聴きながら体を焼いていた。
フッと気がつくと、いつの間にか、小林さんが横にいる。逃げ疲れた犯罪者のような顔をしていた。
「いいなー、こしばは・・・・・・」
そう言いのこすと、またいなくなった。そして、その週マイケル*1の原稿は落ちた・・・。
そもそも仕事場に来ない、というのが普通になっていたというのが駄目なのではないか。
小林さんはパーティーが好きだった。「原稿が落ちそうなのにアシスタントを連れてパーティーに出席し、連れ戻されていた」
このころ、ヤングマガジンは隔週誌だったが、小林さんの「柔道部物語」は、西さんが担当になった途端、3回連続で落ちてしまったのだ。まさに前代未聞のことだった。
一月半の休載ということですが、今時は結構ありがちな気も・・・。
いや、よくないけどね。
(2回目の)締切2日前の日曜夜、自宅へ電話すると、夫人が「仕事場へ行くと言ってきのうから帰ってきてない」との返事。どうにか行きつけの店で小林さんを見つけると、「なんとか頑張るよ」と答えたので、「じゃ、仕事場で待ってます」。だが、締め切りまで、ついに戻ってこなかった。
(3回目の)締め切り3日前の土曜日、朝イチで西さんが仕事場へ行くと、「ちょっとメシを食いにいってきます」と小林さんの置き手紙があった。
「そのまま締め切りの火曜日の朝まで帰ってこない。締め切りがとっくに過ぎたけど、夜まで待っても帰ってこない。」
担当さんは体と心病みそうだなあ・・・。
週刊少年ジャンプの冨樫担とかどうなんだろう。
逃亡するマンガ家は「自宅にも近寄れないし、行きつけの店にも行けない。行く場所が思いつかなくて、車で関越自動車道に乗っちゃって、気がつくと、翌朝、水上温泉(群馬県)のおかみさんに『お気をつけて』と送られたこともあった」という。
当時だと探しようも無かったろうし、これはキツイ。
今時だったら携帯の電源切って、って事になるだろうけど物理的に逃亡されると原稿も何も無いよな。
他のエピソードも色々と面白いの満載なんですが、柳沢きみおとのがまた面白い。
柳沢きみおが自作の事を語るというオマケまで。
ってWEB上でそこ読めますな。
興味があったら読んで見てください。
この本、基本的には作品ごとにまとまってて
の9作品が取り上げられてるんですが、どの作品のエピソードも色々あって興味深い。
なんでこれを今まで読んでなかったんだ。
といったところで本日はここまで。
*1:モーニングで連載されていた「What's マイケル」