情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

水木プロを追い出された男の青春回想記。土屋慎吾「ゲゲゲのアシスタント」を読んだ。

 先日の、谷根千一箱古本市の際に(新品で)手に入れた一冊。



 1968年〜1970年にかけて、水木しげるの元でアシスタントを勤め、クビになり、その後官能劇画家として活躍。
 今は主に似顔絵描きをしているという、土屋慎吾による水木プロ時代の想い出語り青春伝。
 元はWEBに掲載されていたとの事ですが、今は無いみたい。


 


 これ、不思議な作品です。
 当時の回想録日記で、本人および周囲の感情の起伏が生々しく描かれてる。
 影武者として鬼太郎の絵をまかされたり、かなり忙しかったはずなんですが、漫画を描くことよりも女の方が大事ってのを何ページにも渡って描いたリね。




 しかし、不思議とみんな愛嬌があるというか。
 アシスタントとして雇われた時には、後光まで。


 


 つげ義春鈴木翁二、佐々岡健二など、同時期に水木プロに入ったり出たりしたアシスタントの姿も描かれますが、なんだこりゃ、ってのも。


 


 最後の方では、アシスタントではあったけど、自分の作品の為に休むのを申し出て、繰り返して。


 


 不義理と我儘の結果、クビになって劇画家としてひとり立ちしていく。


 



 アシスタントのままデビュー出来ないで消えていくって人のことを考えると、その後の大活躍の時期とかあるわけだし、入門時の「ここで二・三年修行すれば」漫画家になれる、という水木しげるの言葉通りだった、とも言えるのですよね。
 (とはいえ、この作品にはその「官能劇画の帝王」時代は含まれないのですが。)



 泥臭もある青春の回想なんだけど、結果で見ると師匠に恵まれた我儘な弟子でもあり、なのに変に納得させられるさわやかさというか。
 馬鹿をやった回想だけどミサワ臭が無い、とでも言えばいいのかしら。


参考情報


 


 限定100部の販売ということで、直筆でシリアルナンバー入り。
 自分のは31番ですね。(実際にはナンバーなしの知人配布版などもあるそうなので、130冊くらいはあるのだろうか?)


 奥付にあるオフィシャルファンクラブのBlogによると、数部ですがヤフオクでの販売もあるとの事。
 (下記リンク参照。2013/05/07 23:00時点で1冊出品されてます)


 気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
 といった所で今回はここまで。


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