本日発売の週刊漫画TIMES 9/26号より、原作:花形怜、作画:山口よしのぶで、「チーズの時間」が新連載です。
山口よしのぶといえば、白泉社ヤングアニマルの「名物!たびてつ友の会」や集英社スーパージャンプでの「オサムシ教授の事件簿 」など、一橋系の青年誌を中心に活躍してきた漫画家ですが、今回は舞台を大きく変えてオヤジ漫画雑誌での連載となります。
今回の連載は原作者付きで、テーマは「チーズ」。
フランス育ちでフランスチーズ鑑評騎士(詳しくはフランスチーズ鑑評騎士の会 [シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ]を参照)を叙任した日本人美女が東京の下町でチーズ屋を開いて奮闘する・・・みたいな話になるようです。
今回はフランスでの叙任から日本でのお店探しまで。
絵柄がこの雑誌っぽくないのでなんだかもの凄く違う雑誌を読んでる感。
表紙はいつもどおり塚本馨三。しかし、新連載イラストも結構大きく描かれています。
まあしかし、ブリア・サヴァランが「美味礼賛」 の巻頭にある二十の箴言にも"チーズのないデザートは片目の美女である。"という言葉を遺しているのだけれど、日本人にはチーズ、それもプロセスチーズ以外のチーズというのはあまり馴染みが無いのは数十年来*1変わっていないのですよね。
池波正太郎はエッセイ「チーズの在る情景」で"日本でするピクニックの、にぎりめしがパンで、タクワンがチーズというところか・・・・・・。"、倉田保雄は「フロマージュ・チーズ・窓際族」で同じくタクアンに例えて"(日本のレストランで置いてないチーズの種類のことで)なんでも、日本人はくさいといって食べないから置かないのだそうだが、私に言わせれば、タクアンの臭いとほとんど変わらないと思う。(中略)タクアンでお茶漬けをするのはこたえられない。だが、同時に、バゲットにミュンステールをのせて、ヴァン・ルージュ-ボージョレ・ヌーヴォーがよい-を飲みながら食べるのもまたこたえられない"、金井美恵子は「チーズ入りライス・コロッケ」で"クロック・ムッシューより、ピッツァより、お米とチーズというものは、よくあうのではないかと思ってしまう"などと書いています。*2
が、この四半世紀前の文章の理解と言うか馴染度から現在まででそんな変わってないと思うんですよね。
ワインの消費量は五倍近くまで伸びていますが*3、チーズはそれに応じて伸びてるか、というと三倍程度*4、しかもプロセスチーズの原料が主だったりするのでまだまだ伸び代はあるかもな、というところ。
さてさて、どちらかと言えばホッピーにチューハイじゃね、という週漫読者*5にどこまで受け入れられるのか。
といった所で今回はここまで。
*1:いや数百年来かも
*2:以上、引用は雪印乳業株式会社「チーズのある生活」1983年より
*3:http://www.winery.or.jp/Statistics/shipment.html
*4:http://worldfood.apionet.or.jp/graph/graph.cgi?byear=1964&eyear=2003&country=JAPAN&article=cheese&pop=0&type=3
*5:soorceの偏見