情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

1960年オペラ・コミック座の冊子より その6 ジーン・ケリーによるバレエ「パ・ド・デュー」について


  というわけで1960年オペラ・コミック座の冊子よりの詳細編続き。


 実際のところ、バレエについては漫画で読んだのや今回調べた範囲以上の知識がありません。間違ってる所などありましたらご指摘ください。
 画像は別ウィンドウで拡大表示(フォト蔵を使用)。


公演日程・内容


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 「PAS DE DIEUX」を日本語表記でどう書くかですが、「パ・ド・デュー」が一般的なようです*1。邦題にするなら「神々の踊り」。
 ジゼルとの2幕で、PROGRAMME:3.00N.F.と書いてあります。
 これは入場料・・・じゃなくてプログラム(冊子)の値段なんでしょうか?


 フランス・フラン - Wikipediaによると、1新フラン(N.F.)ってのは100フランのこと、で、統計局ホームページ/日本の長期統計系列 第18章 貿易・国際収支・国際協力の18-10(外国為替相場(昭和25年〜平成15年))を見ると、1960年の1フランは72.29円。
 3.00N.F.は72.29×100×3=21,687円。冊子にしては高すぎますが、入場料って全席均一じゃなかろうし・・・。日本円に直すのが間違ってるんだろうか。


タイトルおよびスタッフ・メンバー一覧


 opera_comiq_b_017

 一応文字起こし。


PAS DE DIEUX


Ballet en trois mouvements de M. Gene KELLY
sur le Concert en fa de Georgr GERSHWIN
Choregraphie et mise en scene de M. Gene KELLY
Maquettes des decors' et des costumes de M. Andre FRANCOIS
Decors executes dans les ateliers de l'Opera
sous la direction de Mme TROSSEAU




Aphrodite . . . . . . . . Mlle Claude BESSY
Zeus . . . . . . . . . . MM. Attilio LABIS
Eros . . . . . . . . . . Michel DESCOMBEY
Le Maitre-Baigneur . . . . . Lucien DUTHOIT
Mlle << Queue de Cheval >> . . Mlle MONS
Un << Dur >> . . . . . . . M. FRANK



Mlles BASSI, AUDOYNAUD, SOUARD, EVEN, BERTHEAS.
MM. BLANC, MAYER, DUFLOT, HERRAULT, TOUROUGE, JODEL


Mlles OUDART, DAVRT, MALLARTE, DELINI, REMY, DELAUBIER,
JAVILLARD, GUILLEE, FORET, BRENOT, FUGERE, THIBON, PALKINA,
PERNEL.


MM. ATANASOFF, DUSSAIGNE, SARELLI, PARRES,
LEBERTRE, DAVENSE, BONNEFOUS, SCHMUKI.


Au piano solo : M. Michel QUEVAL



Ched d'Orchestre : M. Richard BLAREAU


Directeur de la Scene : M. Jose BECKMANS
Maitre de Ballet : M. George SKIBINE

ストーリー説明


 フランス語、英語でのストーリー解説がついてまして、こんな感じです。
 ギリシャ神話で痴話喧嘩って話ですかね。


 フランス語
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 英語
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その他

 参考資料から解説を引くと、こんな風に書かれています。

 ジーン・ケリーの『パ・ド・デュー』(一九六〇年)とウラジミール・ブルメイステル制作の『白鳥の湖』(モスクワ音楽劇場バレエ団一九五三年、オペラ座一九六〇年)はスキビン時代の優秀な振り付けであった。
 オペラ座においてジャズが聞かれたことはあったが(オルケストラ・アン・リベルテにおいて)、『パ・ド・デュー』は、オペラ座での最初の本格的ジャズ・バレエであった。
 伴奏はジョージ・ガーシュインヘ長調ピアノ協奏曲、舞台装置はアンドレ・フランソワの、この作品は見ても踊っても楽しいものであった。踊り手の先頭に立っていたのは、体操選手のような姿態と長い手足の驚くような絶世の美人ベッシーと、初演の月に<エトワール>となったアッティリオ・ラビスであった。

 パリ・オペラ座バレエ - P257より


 同ページより、ケリーとベッシーの写真。
 ケリーとベッシー



 クロード・ベッシーはこの後、1973年にパリ・オペラ座バレエ学校の校長に就任し、2004年まで31年間に渡り後輩の育成に努めました。
 それを纏めたドキュメンタリーがこのDVDですが、
 


 踊る阿呆を、観る阿呆。: 1962年の、パリ(オペラ座)のアメリカ人によると

 このDVDには、そのジーン・ケリーがクロード・ベッシーとパリ・オペラ座のために振り付けた作品『パ・ド・デュ Pas de Dieux』も、一部分収録されている。

 んだそうです。残ってるもんなんですね。



 初演リスト
 初演日は1960年7月6日(水)。*2
 このパンフレットの方は「VENDREDI 8 JUILLET 1960」つまり1960年7月8日(金)。2*3 Representationとなっていますから、第2回目の公演ということですね。
 初演との差は・・・分かりませんが。



 参考資料:
 パリ・オペラ座バレエ 表紙
 パリ・オペラ座バレエ パリ・オペラ座編、アイヴォール・ゲスト著、大屋政子*4訳、大政商事株式会社出版部発行、KKダイナミックセラーズ発売。1978年11月初版。ASIN:B000J8D2DU




※詳細編過去四回分。




#しかし、東洋の島国の漫画系ブログにこんなのが載ってるとはバレエ好きは思ってなかろうなあ・・・。ま、それも一興。

*1:「PAS DE DEUX」とは違います。こっちは「パ・ド・ドゥ」で「2人での踊り」

*2:パリ・オペラ座バレエでの初演日は水曜日が通例?現在はそうともかぎらない?

*3:小さく右上に「e」

*4:あの「マダム・オーヤ」「政子ちゃん」です