情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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「カツ丼のカツは全部残す」というのは何故なのか考えてみる


昨日の天声人語の内容から一歩踏み込んでみます。
そもそもカツ丼を注文するなよ、というのは無しの方向で。


まず、検討を始める前に解決すべき大きな問題が一つあります。
「カツ丼」とはどんな食べ物の事を指しているのかです。


長野県、福井県福島県山梨県などの名物とされる、「ソースカツ丼」というものが存在します。
これをメインに出す店や地方では、ソースカツ丼の事をカツ丼と呼び、卵で閉じてあるものは煮カツ丼や卵カツ丼と呼ぶらしいのです。また、名古屋には味噌カツ丼というものも存在するようです。
この文章を書いた記者がそういった地域の人間であった可能性は一概に否定することは出来ません。
では、この「カツ丼のカツ抜き」はソースキャベツ丼とでも言うべきものや、少しソースのかかった単なる丼飯を漬物で食べる、といったものだったのでしょうか。


答えは否です。すでに、記事は我々に読み解くための重大なヒントを与えてくれています。
「生野菜は大の苦手」「たくあんやキムチには目もくれない」
つまり、これは元のカツ丼がソースカツ丼味噌カツ丼であった場合には小泉首相の嗜好(とされるもの)とは異なる食べ物になってしまい、前後の文章の内容と一致しないのです。



ということで、これ以降は「カツ丼」を「トンカツ、玉葱を甘辛いつゆなどで煮たものを玉子でとじたものを丼飯の上にのせたもの」として考察を進めて行きたいと思います。*1



トンカツとは、豚肉に衣をつけて油で揚げたもののことです。
ならば、カツ丼中の「カツ」とは肉と衣であると言えますね。
しかし、カツ丼というのは玉子でとじてあるものだから、玉子と衣は不可分に融着しているのではないでしょうか。
この状態から「カツ」全てを取り除くのはいささか困難を伴うと言わざるを得ないでしょう。
つまり、衣は玉子とともにご飯上に残り、カツ内部の豚肉部分のみをよけた、と考えるのが妥当ではないでしょうか。
しかし、これを詳細に書こうとすれば「カツ丼のカツの中の肉は全部残す」となり冗長であるとして、「カツ丼のカツは全部残す」という文章になったのではないでしょうか。


ということは、首相が食べたのは「カツの衣の玉子とじ丼」であると言い換えても良いのではないでしょうか。
つまりは変形の「たぬき丼」なわけですよ。




(ここから勝手な妄想)
日本国総理大臣小泉純一郎はある日の昼食*2に「たぬき丼」が猛烈に食べたくなったのではないでしょうか。
国会議員が食事を食べに行く場所、それも丼物を注文できる場所と言えば、議員食堂あたりでしょうか。
出前を取ったとすれば、首相官邸や国会議事堂や議員会館に出入りしている蕎麦屋や丼物を扱ってる店*3なわけですよ。


ところがそこに「たぬき丼」というものが存在しなかったとしたらどうでしょうか。
メニューはそうそう変わるもんじゃないし、一国の総理大臣がフラっと町の食堂に入るわけにもいかない。


さあ、どうするか。ここで発想の転換です。
「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」いや「衣だけしか食いたくなければ肉を食わなければいいじゃない」


こういう考えから、カツ丼を注文して肉を除けると言う行動に出たのでした。
(妄想おわり)




こうした経緯があったと想像できるわけですよ。
つまり、「カツ丼のカツ抜き」は「たぬき丼」が無い、でも食いたい、という所から生まれた苦肉の食だったのではないでしょうか。
特別注文で作らせるという手もありますが、それもわがままに過ぎると考えたのかもしれません。


いやー、意外な食べ物が好きなんだなー、純ちゃんも。いいとこあるじゃんよ。



・・・まあ、この想像の一番の欠陥は、小泉首相がたぬき丼を好きなのかどうか分からないってことなんですが。



(追記id:NATROMさんがもっとシンプルな答えを書かれてました。 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20050323#p1)



*1:玉葱じゃなくて長葱だろ、とか、上には三つ葉orグリンピースor万能葱をのせる、とかは好みの問題なので・・・

*2:朝は和食のはずだし、夜はそういうものを食べられる店には行ってないはずですから

*3:そういうものがあれば