この辺がらみの話
生涯で15万枚
これ、どういう計算かよくわからないんだけど
ってあるんで、生涯で15万枚の原稿を描いた(アニメ関連や文字仕事抜きで)ってことにしておく。
これは、2009年現在において一ヶ月に発売される全漫画単行本を総計したくらいの量。(参考:http://www.taiyosha.co.jp/comic/comic0909_date1.html によれば今月は746冊)
ある月の漫画新刊が全部手塚治虫作品に入れ替わってるのをイメージしていただければよいのかな。
週刊少年ジャンプ1本の連載だった場合、(150000/19)/48=164.47、ということで165年くらい連載しないとこのページ数にはならない。
週刊18P+月刊32ページ、という場合は(150000/(18*4+32))/12=120、ということでそれでも120年以上かかる。
デビューから10年目でのページ数
で、手塚治虫氏に匹敵する、最近の作家を教えてください。 「手塚治… - 人力検索はてなで気になったのが「最近の作家」が「匹敵する」ってどういう意味なんだろうかと。
「面白く深みがある」なんて主観的なのは、質問者が「私はそうは思いません」って言えば終わりなので問う意味が無いですね。
デビュー10年目の作家が、デビュー10年目の手塚治虫と同じページ数作品掲載されてるって今ありえるか?位の話です。
ということで、手塚治虫 のすべて(encyclopedia of Osamu Tezuka)さんの年代別ページからデビュー10年目、1956年の発表作品を見てみると、月刊連載が7本、四コマと絵物語の連載があって、他に読切が10本以上あるんで、えーと、年にして2000ページ強くらいかな。
月だと160〜170ページ?一回あたりのページ数多めに見積もってるのかな、この計算だと。月150は越えてると思う。
- 仮定1:手塚治虫はデビュー10周年(1956年)頃には月150ページ以上描いていた
今最も多くのページ数を発表してる漫画家は誰か、というのはちょっと分からないんだけど、立原あゆみ・国友やすゆきが週刊1本+隔週2本*1で、月に(18*4)+(24*2)*2=168ページ、よりは少ないくらいの見積もり。
人気と執筆速度があれば、デビュー10年目の手塚治虫と同じかそれより多いくらいの位のページ量を発表してる漫画家は現代にも居ます。
でも、デビュー10年以内だとちょっと今思いつく漫画家はいないです。
占有率
ここで「占有率」(といっていいのかどうかよくわかんない)の話です。
2009年現在、漫画雑誌などを合計すると月に10万ページ以上の漫画が(商業誌だけで)掲載されている、と思う。(参考:以前の試算>2007年現在、1ヶ月間で雑誌に掲載される漫画は10万ページを超えている)
つまり月に200ページって漫画家が居たとても10万ページに対して0.2パーセントでしかないんですね。
それに対してこの1956年には、漫画の総量というのは今と比較にならないほど少なかった。
雑誌自体がそもそもページ数が少ない上に漫画専門ではなく、漫画と読み物で構成されていたので、月当たりだとうーん、雑誌の数との概算から言って、5000ページは行ってなかったんじゃなかろうか。
別冊付録なんかを考えて、でも週刊の漫画雑誌が無かったというのもあるし、多めに見積もって3000ページくらい?
- 仮定2:1956年頃、月に雑誌に掲載される漫画の総量は3000ページ程度
仮定1,2より、デビュー10周年頃の手塚治虫の誌面占有率は5%くらい。
現在に直すと、5000ページ以上って計算ですね。これは、週刊少年4誌全部に掲載される漫画一ヶ月分に相当します。
仮定2の方がかなーりアバウト*2なんですが、イメージとしてはそんな感じ。
匹敵も何もあったもんじゃ無いわな。