マンガ・アニメの送り手と受け手が、同人誌という作品を通じて出会える場所。それがコミケの基本です。
さらに、会誌の売買だけでな、同人誌を通じた人と人との出会いの場ということもコミケとしての機能にふくまれています。
祭りとしての性格もそこから生まれてくるのでしょう。けれど、その祭りをいかにすばらしいものにするかは、祭りと祭りのあいだの日常を、いかに充実した準備期間にするかにかかっていると思います。
上記の文章は今回の最終ページより。
太字強調はすべてsoorceによるものです。あと、一応顔が判別できそうなところにはボカシ入れてみた。当時16歳でも今40ですしねえ・・・。
以下、引用は徳間書店アニメージュ1982年5月号(4月10日発売)より。画像は別ウィンドウで拡大表示(フォト蔵を使用)
開いた先で「元画像」をクリックするとさらに大きい画像が開くはずです。
1982年3月21日・東京・晴海の国際貿易センター南館にて「コミック・マーケット(通称・コミケ)第20回」(1975年より年3回開催)がおこなわれた。
参加人員はおよそ7000人、参加サークルは約680。
晴海で2回目のコミケ。当日は雨。氷雨って感じだったと、昼には上がったような記録。
規模で言えば現在の3日間開催の場合の、参加人数は60分の1、サークル数は50分の1です。
午前8時15分の時点で会場周囲に2000人の行列。
10時34分準備会のアナウンスが。「遅れておりますが、あと6分で開催します。サークル員はブロック内に入り、通路を一般参加者のためにあけてください」と告げる。
10時41分「ただいまより第20回」コミケットを会場しまぁすのアナウンス。会場全体から拍手がわく。
徹夜で会場を待っていた人を先頭に一般参加者が入ってくる。別名「混みケット」の開始だ。
この時点では南館の2Fだけだったので、とにかくキャパが少なかったような。
まあ、参加サークルと人数からすると今の・・・何でしょうかね、オンリーイベントってやつよりも少ないくらい?
会場時の拍手って今もやってますよね?
とにかく、場内はコスチュームプレイを楽しんでる人が目につく。
この時点では「コスプレ」という略語は存在はしていないか、誌面で一般的に使われることはなかったようです。
もちろん、そういうグッズや衣装を売ってる店などあるはずもなく、手作り感ただようのが多かったような。(今でもか?)
キャプションより、
・・・。中段中央の「決めポーズでやたら注目を集めてた人」の名札を拡大してみましょうか。
破李拳竜氏じゃないですか!そりゃポーズも決まってるでしょうよ!
もうひとつ、人気が集中していたのはいわゆるロリコン関係を特集している会誌。その見出しは「少女愛好家のために」「クラリスちゃんのにっき」「クラリス姫無事保護、犯人は変質者集団ロリコングループ」etc...。
ところで、会誌を買う側はお金をいくらぐらいもってきて、そして何冊買って帰るのだろう。
「2万円から3万円のあいだです。これで20〜30冊買うつもり。お目当ては、マンガ家・高橋留美子さん関連とロリコン!!」(兵庫県神戸市・男子・高1)
「2万7000円使いました。これは、友だちに頼まれた分も入ってるから、自分用の会誌は1万7000円ぐらい買ったかしら。青池保子・松崎あけみ関係、アニメの美少年をあつかったものが中心」(都内・女性・22歳)
「2000円か3000円買いました何冊買ったのかわかんないなあ。それより、こんどは自分たちで会誌を作りコミケに参加したいな、なんて思ってます」(千葉県・女子・中一)さて、会場をひとまわりして外へ出てみると、早朝から会誌を買い、一段落ついたようすのコスチューム派とミリタリー派が集合中。みんな他の参加者に写真をパチパチとられ“モデル”を目一杯楽しんでいた。
キャプションより
- 自分たちで“映画”を撮影中のミリタリー派
コスプレ衣装の長物制限どころか、モデルガン持ち込んでますな。
「ミリタリー派」なんて言い方も何時頃まであったのかしらね。
午後4時15分、終了時刻が、そろそろ近づいてる。
5時、コミケ終了時間だ。「今回のコミケットはこれでおわります。ありがとうございました」のアナウンスがあると、開始時と同様に拍手がわき、コミケは終わった。
キャプションより
- これぞ、第20回コミケの記念写真
南館スロープ前ですね。いや、懐かしい。
といったところで今回はここまで。
※当ブログの関連記事
1982年に人気のあったアニメ、キャラクター、声優などはこんな感じ:http://d.hatena.ne.jp/soorce/20061105#p1
1982年頃のロリコンブームについて、米沢嘉博と内山亜紀へのインタビュー:http://d.hatena.ne.jp/soorce/20061110#p1
#あと一回、広告まわりでおしまいの予定。