情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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堀井雄二が「ネット版ドラゴンクエスト」(仮称)に前向きとのコメント




ドラゴンクエスト』のネット版を作りたいね
                            堀井雄二




 ハビタットのようなマルチプレイヤー・ネットワークには、すごく興味がありますね。ドラゴンクエストなどでは、プログラムにかかれたことしかできないが、ネットワーク・ゲームでは、人間どうしのコミュニケーションによってゲームのバリエーションが無限になっていく。こんなところにコンピュータ相手のゲームとは違った面白さがあるはず。
 ボクが考えてるのは、ハビタットのような世界をネットワーク上に作るのではなく、ドラゴンクエストのような世界をネットワーク上に構築して、その世界で遊ぶことで、別の人生を経験してもらえればと思っている。だれでも、いまと違う人生を送りたいと考えてますよね。ネットワーク上では、自由にプレイヤーの望む人生を送ることができる。ここでは、失敗しても簡単にやりなおせるし、死んだとしてもGAME OVERになるだけ。だから、安心して別の人生を楽しめる。自分と違った人生をネットワーク上で疑似体験できれば面白い。そうやって、みんなと共同幻想をネットワーク上に作ることができれば最高だな。こう考えて始めたのが、アスキー社で行ってる電脳空間RPG。まだ、テスト中だけど、一般公開時にはきっと面白いゲームになってますよ。


 GORO 1988 No18 堀井雄二コメント


 はい、期待した方ごめんなさい。
 嘘ではありませんが、滅茶苦茶古いです。


 このコメントは今を去ること20年前、1988年(昭和六十三年)の小学館「GORO」9月8日号(No.18)に掲載されたもの。


 GORO 1988 No18 表紙




 ドラゴンクエストIII発売の年にはもう現在のオンラインMMO・ファンタジーネットワークゲームに近いものを構想していたという、恐ろしいほどの先見の明。
 コメント内にあるアスキーのネットRPGは結局一般公開はされなかったんでしたっけね。
 また、余談ですが、「虹色ディップスイッチ」(ISBN:4893660713)にもネットワークゲームに関する記述がある*1んですが、そこでも現在に通じる考察がなされてるので未読の方は読んでみてはいかがでしょうか。





 ちなみに、このコメントは「Aオーディオ+Vビジュアル+Cコンピュータでキミもエスパーになれる コンピュータ超能力主義」という特集の中に収められていたもの。
 ウィリアム・ギブスンブルース・スターリングのコメント、大友克洋のインタビューもあるんでそのうち紹介予定。エスパー清田とMr.マリックは・・・まあいいか。



 また、文中に出てくる「ハビタット」は日本の富士通ハビタットではなく、ジョージ・ルーカスが世界で始めて作り上げたネットワーク仮想社会ゲームのこと。1987年〜1988年にアメリカ国内でクローズドβが行われました。詳しくは以下のページなどを参考にして下さい。
 アメリカっぽい仮想空間ゲームってのは、現在のセカンドライフに至るまで20年間、根本のところで何一つ変わっちゃ居ないということがお分かりいただけるんじゃないでしょうか。



 あと、この特集内でゲーム関係者のコメントがもう二つあるのでそちらも紹介しておきます。

  • 木屋善夫「そろそろ大魔王を倒すのに飽きてもいいよね」

 GORO 1988 No18 木屋善夫コメント
  こっちはROMサイズの話があって、現在では比較にならない(このコメント中で「ソーサリアン」は1.5MB、というのが出てくる)ので文字起しはせず。



  • 内藤寛「プログラミングはアートです」

 GORO 1988 No18 内藤寛コメント
  こちらはゲームは現実に近づいていくよねー、というようなお話。



 といったところで今回はここまで。
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#エスパー清田の公式サイト(http://www.super-gaia.org/)、「充念中」ってなってますがこれは執行猶予終わるまでこのままってことなんでしょうかねえ。

*1:ふぁんくしょん24、「ネットワークRPGの巻」など