情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

数字で見るマガジンとサンデーの50年(週刊少年漫画雑誌について調べてみた その3)




 ライバルであり、戦友であり、稼ぎ頭*1であり。
 この2雑誌を切り離して考えるのは少し難しいので、まとめて。


 先に書いておくことにしますが、創刊当初はサンデーもマガジンも「漫画と読み物」の雑誌でした。
 年で言うと、1970年ごろまで。具体的にどんな風だったかと言うのはこの辺の記事を見てみてください。

 なのでその辺の年代については「作品単価」などはおかしい数値なのだ、とお考え下さい。



 一応、各年20号*2をサンプルとして、調べてみた結果です。*3
 18歳以上の方なら、誰でも国立国会図書館で確認可能なデータです。


 グラフ作成に使用した生データは最後にカンマ区切りテキストとして置いてあります。


価格の推移

 

 ほぼ変わらない、と言って良いんじゃあないですかね。


 

 ジャンプ創刊からの比較だと、やはり、ジャンプが少し安い時期が多い。


ページ数の推移


 

 ページ数は、表紙から裏表紙までの全ページ数。
 ここ15年くらいはどっちの雑誌も変動が大きいので、どう読み取ればいいのか難しいところです。
 500ページを超えて安定ってことは無いのかな・・・。
 現在がページ数限界なのかも。


 

 ジャンプとの比較では混戦模様。

「ページ単価」の推移

 価格/総ページ数から算出される数値。1ページは一体幾らなのか、という指標。
 いい勝負してますねえ。


 
 どちらも500P超えのときにはガクンと落ちている、ってのは無理をしていた、ともとれるんです。



 

 ジャンプと比べてみると、マガジンがジャンプより部数が多かった時はページ単価が安かった時、にも見える。
 これは逆か?部数で勝って居ればこそ広告が取れてページを増やせるってことか?



作品数の推移


 読み物を入れない「漫画作品」の数です。
 これも抜きつ抜かれつ。
 



 で、ジャンプとの比較をしてみると、読み物があった時代は数で負けてましたが、それ以降はギャグ・ショートの影響もあって殆どの場合2誌の方が多いんです。
 



「作品単価」の推移

 作品数で定価を割ってみた結果。
 



 これで見ると、サンマガのほうが頑張ってるなーと。。
 


単行本の価格


 については以前記事を書いてます。
講談社KCの値上げについて、本誌価格との比較グラフを作ってみた


 



 単行本のページ数が一定だと仮定した場合、ページ単価で考えると値上がりしてるんですが・・・これ他の物価と比べるべきなのかね。


 何を指標にすべきか、と考えるとやっぱ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」なんですかねえ、とかおもったら、国会図書館ってこち亀全部はアーカイブされてないぞ。41〜45巻と81巻以降しかない。
 なにやってんの集英社これはひどい、ひどすぎる。
 4巻の「天皇陛下バンザーイ」とかアーカイブされてない・・・ああ、雑誌はあるのか。どうなんだろうこれ。


 こち亀初版が2セットあるような人は寄贈してください、是非。



 といったところで今回はここまで。



使用したデータ

  • サンデー
年,定価,総ページ数,作品数,うち読切,ページ単価,作品単価
1959,30,106,4,,0.283,7.50
1960,40,126,8,,0.317,5.00
1961,40,136,6,,0.294,6.67
1962,40,152,5,,0.263,8.00
1963,50,218,7,,0.229,7.14
1964,50,218,8,,0.229,6.25
1965,50,226,8,,0.221,6.25
1966,50,230,9,1,0.217,5.56
1967,60,242,10,,0.248,6.00
1968,60,240,13,,0.250,4.62
1969,60,242,8,,0.248,7.50
1970,70,264,11,,0.265,6.36
1971,80,278,11,,0.288,7.27
1972,90,286,12,,0.315,7.50
1973,100,304,13,,0.329,7.69
1974,130,238,10,1,0.546,13.00
1975,130,254,11,1,0.512,11.82
1976,150,302,13,2,0.497,11.54
1977,150,300,12,1,0.500,12.50
1978,150,300,13,,0.500,11.54
1979,150,316,15,,0.475,10.00
1980,170,348,15,,0.489,11.33
1981,170,332,15,,0.512,11.33
1982,170,332,17,,0.512,10.00
1983,170,332,16,,0.512,10.63
1984,180,340,16,,0.529,11.25
1985,180,340,15,,0.529,12.00
1986,180,340,15,,0.529,12.00
1987,180,356,16,,0.506,11.25
1988,180,396,20,,0.455,9.00
1989,190,428,22,,0.444,8.64
1990,190,412,21,,0.461,9.05
1991,200,412,22,,0.485,9.09
1992,200,412,22,,0.485,9.09
1993,200,412,20,1,0.485,10.00
1994,200,404,22,1,0.495,9.09
1995,200,420,21,,0.476,9.52
1996,200,430,23,,0.465,8.70
1997,210,450,23,,0.467,9.13
1998,220,450,24,,0.489,9.17
1999,220,450,24,1,0.489,9.17
2000,220,448,23,1,0.491,9.57
2001,220,452,23,,0.487,9.57
2002,220,452,23,1,0.487,9.57
2003,230,452,22,1,0.509,10.45
2004,230,462,22,1,0.498,10.45
2005,240,452,24,1,0.531,10.00
2006,240,452,24,,0.531,10.00
2007,250,480,24,,0.521,10.42
2008,250,532,26,,0.470,9.62
2009,260,478,25,,0.544,10.40
2010,260,470,24,0,0.553,10.83
  • マガジン
年,定価,総ページ数,作品数,うち読切,ページ単価,作品単価
1959,30,112,4,,0.268,7.50
1960,30,108,6,,0.278,5.00
1961,40,138,6,,0.290,6.67
1962,40,152,5,,0.263,8.00
1963,40,184,6,,0.217,6.67
1964,50,218,8,,0.229,6.25
1965,50,232,9,,0.216,5.56
1966,50,224,9,,0.223,5.56
1967,60,240,11,,0.250,5.45
1968,60,240,9,,0.250,6.67
1969,60,234,7,,0.256,8.57
1970,70,264,9,,0.265,7.78
1971,80,282,11,,0.284,7.27
1972,90,288,11,,0.313,8.18
1973,100,298,11,,0.336,9.09
1974,130,238,11,,0.546,11.82
1975,130,252,10,,0.516,13.00
1976,150,300,15,,0.500,10.00
1977,170,332,14,,0.512,12.14
1978,170,332,14,,0.512,12.14
1979,170,348,15,,0.489,11.33
1980,170,348,15,,0.489,11.33
1981,180,348,14,,0.517,12.86
1982,180,348,14,1,0.517,12.86
1983,180,348,15,,0.517,12.00
1984,180,348,16,1,0.517,11.25
1985,180,348,15,1,0.517,12.00
1986,180,344,15,,0.523,12.00
1987,180,380,17,1,0.474,10.59
1988,180,396,19,,0.455,9.47
1989,190,412,21,1,0.461,9.05
1990,190,412,21,,0.461,9.05
1991,200,432,20,,0.463,10.00
1992,200,412,19,,0.485,10.53
1993,200,430,20,,0.465,10.00
1994,200,412,21,,0.485,9.52
1995,210,428,19,,0.491,11.05
1996,210,432,21,,0.486,10.00
1997,210,424,23,,0.495,9.13
1998,220,464,21,1,0.474,10.48
1999,230,480,24,,0.479,9.58
2000,230,480,22,,0.479,10.45
2001,230,492,22,,0.467,10.45
2002,230,472,21,1,0.487,10.95
2003,230,468,23,,0.491,10.00
2004,230,544,24,,0.423,9.58
2005,240,464,22,,0.517,10.91
2006,240,466,24,,0.515,10.00
2007,250,476,24,,0.525,10.42
2008,250,472,25,,0.530,10.00
2009,260,514,26,,0.506,10.00
2010,260,480,26,1,0.542,10.00







*1:単行本入れたらね

*2:20号が合併号や特別号などであった場合はその前後

*3:何故「20号」なのか、というと、GWの合併号の前、かつ、4月からの新連載などの影響の少ない「通常号」の場合が多いので

読んだ本

  1. 月刊 ヤングキングアワーズ
  • ヤングキングOURS
    • 表紙。南雲さんの言葉が響く。そして、2つ目の終局*1。目が離せない。>惑星のさみだれ@水上悟志
    • TRIGUN」スピンオフ読切。記録映像などから武術や技術を「発掘」するってのは崩壊世界型SFではたまにあるけど、武器はどうしたのか問題も。あの世界だと、実験台に出来る人数ってたかが知れてる気もします。>雷神-RISING-@竹山祐右。
    • コータローまかりとおる!でもバレリーノネタあったっけ。立ち方か・・・プロのモデルの人によるジョジョ立ち写真集というのはどうか。>ツマヌダ格闘街@上山道郎
    • カレーは万能。「紅の豚」のジーナの店や「カブのイサキ」のとか、飛行機乗りの店シリーズかしらん。古くは「素晴らしきヒコーキ野郎」素晴らしきヒコーキ野郎 [DVD]でもそういうヤツらが集まるたまり場の店的シーンがあったっけ。アメリカのバイク乗り*2でもなんでもそうだけど、同好の士が集う店ってのはそういうものかもしれん。打ち上げの方は「デイヴィッド王の宇宙船」「王立宇宙軍 オネアミスの翼」とかね>おいでませり@大石まさる
    • ヨーロッパの方はそんななってんのか。SFっぽい兵器がある世界だと地上戦は殲滅戦になる気もする。あと、ヤマトが海中からってアワーズの別作品で以前もあったような。>蒼き鋼のアルペジオ@ArkPerformance。
    • 読切シリーズ化。性質としては同じでも、害をなせば悪なんですけどね。>みくもとかさね@山崎峰水
    • いや、これはこれで見てみたいかもしれない。変身シーンとか>ブロッケンブラッドV@塩野干支郎次
    • 前半と後半で落差がひどい。銃弾とかの「物」はどのくらい融通が利くんでしょ>ドリフターズ@平野耕太


*1:1つ目は未来での地球破壊

*2:モンゴルズみたいな過激なの含め