情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

今日の天声人語@朝日新聞が突っ込みどころ満載で楽しかった

以下、太字は引用部分
http://www.asahi.com/paper/column20050322.html

 
>折々に小泉首相が「食生活の大切さを子供たちに教えたい」と訴えている。施政方針演説でも2年続けて、「食育」の問題を取り上げた。そう言う首相は、どんなものを食べているのだろうか。


 ここまではまあいいんですよ。
 他人の食事ってのは気になる、というか、読んで面白いことが多い。
 古川ロッパの日記や昭和天皇の料理番やってた人の本は確かに面白かった。
 「あなたが普段食べているものを言ってみたまえ。あなたがどんな人物であるか、当ててあげよう。」*1なんて言葉もあるくらいだし。
 

>朝刊の「動静」欄から首相の晩餐(ばんさん)先を拾うと、際だった傾向が浮かび上がる。とにかくイタリア料理が多い。同じ店に中2日の間隔で通うこともある。これに中華が続く。伊・中・和の輪番が基本のようだ。韓国や中東、ロシアの料理は皆無に近い。地域の偏りが目についた。


 こっからおかしくなる。
 地域の偏り?韓国料理はともかく、中東料理やロシア料理はそんなに頻繁に食べられてるものなんですかね?
 普通に生活してて食べる率と比較して極端に少ないのでしょうか?偏ってるのは筆者の視点ではないでしょうか。
 自分が中東・ロシア料理を去年一年間で食べた回数と小泉首相を比較したのでしょうかね?
 電話帳(Yahoo電話帳ですが)で調べてみても全然見つからないんですよ、これがまた。
 それに、韓国料理をあまり食べないのは翌日以降に臭いが残ったりするのを避けるためなんじゃないですかね。
 会談や取材を控えてる時にニンニク臭の強い料理を避けるのは当たり前だと思うんですが。
 同じ店に中2日で通うってのも、世の中には週5日同じ店で昼食を食うとか、そのくらいの人はざらに居ると思うんですが。


首相官邸の担当記者によると、朝と昼は純和風という。朝食はご飯にみそ汁、大根おろし、ちりめんじゃこというのが定番で、お昼はだいたいソバらしい。「ギョーザに目がない」「生野菜は大の苦手」「たくあんやキムチには目もくれない」「カツ丼のカツは全部残す」。そんな目撃証言もある。かなり好き嫌いがあるようだ。


 朝と昼が純和風、ヘルシーでいいじゃないですか。
 朝食抜くのは健康に良くないからしっかり食べるってのを実践してるし。
 好き嫌いはともかく、生の野菜が苦手だから火を通した状態で野菜を摂るべくギョーザ食ってるんじゃないの、とか。


 たくあんやキムチには目もくれないってのは、付け合せに付いて来たのを残してるのか、それともわざわざ単品で頼んでおいて食わないのかどっちなんですかね。
たぶん前者でしょうけど、出前の食いもんに付いてくる漬物で美味しいのってあんまり無いと思うんですが。美味しくないものでも残さず食べましょうってこと?
 残さず食べたら食べたで、漬物が好物らしいが塩分の摂りすぎには気をつけていただきたいって書くだけなんじゃないの?


 カツ丼のカツを残すってのは、それが衣を食べていたかどうかでまったく評価が変わりますね。
 衣も残していたのなら玉子丼を最初から頼めよ、となりますが、肉の部分だけ残していたのならこれは東海林さだおなどが言う所の「下手味」好きなんですね、ということになるのですが。
 そこんとこちゃんと取材してくださいよ。好き嫌いじゃなくてコロモ問題をハッキリさせていただきたい。


>平安の昔、栄華を誇った藤原道長は、過食か偏食か、長く糖尿病に苦しみ、食事療法に励んだ。ヘルシー志向の家康は麦飯を好み、臣下にも粗食をすすめたそうだ。

>戦後で言えば、食通を誇った吉田茂首相は、お気に入りの料理人を官邸に雇い入れ、美食を楽しんだ。せっかちな田中角栄氏は、カツ丼やラーメンといった手軽な品を好んだという。まさに食は人を表す。


 「栄華を誇った」「ヘルシー志向の」「食通を誇る」「せっかち」って評価基準が違いすぎて対比にもなんにもなってないんじゃないですかね。
 この4人とは違うからあんたのほうが下ですよとでも言いたいのでしょうか?
 食事のことと過去の偉人をからめてどうにかしたいんだったら、粗食で長生きしたとか、暴飲暴食が祟って死んだとか*2、アル中だったけど業績は残したとか、もっと極端でエキセントリックな例を出さなきゃ。
 まったく意味の無い段落としか言いようが無い。どこがどうなって「食は人を表す」んでしょう?


>先月初め、首相は風邪で公務を休んだ。在任4年で病欠は初めてだ。その後も鼻水やくしゃみが止まらない。どうやら花粉症らしい。医食同源ともいう。


 これまで一度も病欠していなかったことは評価に値すると思いますが。
 公務がある時に病気になっちゃいけないてんなら小渕さんはどうなっちゃうんでしょうねえ。
 在任中に病に倒れてお亡くなりになったわけですが。
 それも食事が悪かった?死者に鞭打つような真似はあまり好きになれませんね。
 

 また、花粉症が食べ物の好き嫌いと関係が有るというのは初耳です。好き嫌いなく食べてて花粉症になってる人間に対する皮肉ですか?
 是非とも紙面で花粉症が治る食生活の特集を組んで頂きたい。そしたら購読するかもしれませんよ。
 ついでに言えば医食同源ってのは小泉さんの好きな中華料理の思想であって、あまり食べられてない韓国・ロシア・中東料理とは関係ないでしょう。



 そしてますます意味不明な文章。


>「食育」普及のためにも、好き嫌いを見直して、どうかご自愛を。


 食べ物の好き嫌いを無くす、というのはもちろん良い事でしょうねえ。強制さえしなければ。*3
 だけど、個人の食べ物の好き嫌いと「食育」普及にどんな関連性が?
 小泉さんは好き嫌いがあるから君たちも好き嫌いがあっていいんだよ、と教えるとでもいうのでしょうか。
 それこそ独断と偏見に満ちた決め付けで、教育を行う者すべてを馬鹿にして見下してるとしか言い様が無いですよ。




 ・・・と最近、食育の話題が気になってるので噛み付いてみましたが、別に誰に恨みが有るわけで無し。
 こんだけ楽しませてくれたのは素直にありがとう、としか言いようがありませんね。


 ちなみに、私がはてなで300日強つけてるごはん日記の中では、ロシア料理も中東料理も一度も食ってません。*4
 韓国料理は焼肉が1回、キムチが10回程度出てくるだけです。*5
 なんで、こんだけ書いても所詮は「地域の偏り」がある食生活を送っている、「食生活の大切さ」が分かってるはずもない人間の書いた突っ込みでしかないのですけどね。




#ここで疑問が一つ。朝日新聞には推敲や内容チェックといったものは存在しないのでしょうか?

*1:ブリア・サヴァラン

*2:家康は鯛の天ぷらで死んだってな話もあるんだから、粗食をしても、寿命は時の運ですよ、と言いたいのかも?

*3:苦手で食べられないなら口に押し込むような教育なんてのも世の中にはあるんですがね

*4:ビーフシチューとボルシチの差がどこにあるのか知りませんが、ロシア料理、と意識して作ってはいませんねえ

*5:そのキムチもメインではなしに食材として使うか、漬物として食ってる