こちらは今週の月曜日に発売されたコンビニコミック。
土山しげるの「怒りのグルメ」です。
雑誌掲載時のタイトルからして「噴飯男(ふんぱんまん)」だったので、ダブルパロディでもあるわけですが、この改題はどうなんだ。
だって「漫画版野武士のグルメ」「荒野のグルメ」とヒット作を立て続けに出してるんですから、「あれ、またこの人か」って買っちゃいそうじゃあないですか。(しかも久住昌之が推薦文書いてて、コンビ作かと誤認させようともしてるだろ)
内容としては非常に吹っ飛んで面白い作品なので、買って損なし、なんだけどね。
例えば、「もしドラ」が流行った時は、「もし○○が××を読んだら」ってのが乱発された事がありました。
比較的まともなのから粗製乱造まで様々。あれ、結局何冊くらい出たんだろう。
で、こういうもじり・パロディ・あやかりタイトルってどこまで許せるのか。
今回の場合、「孤独のグルメ」(久住昌之×谷口ジロー)の昨今の大ヒットがあるのでこのタイトルなのは間違いないんだろうけど、それだけじゃあないんだよね。
家系図風にするとこんな感じ。なので、許されるんじゃあないか、というのが私の結論。
解説
「孤独のグルメ」の連載は今は無き「PANJA」で、1994年〜1996年。最初の単行本は1997年ですね。(現在出てるのは新装版)
実はこれより前に「殺しのグルメ (徳間文庫)」(ロバート・ブロック、1989年)ってのがありまして、多分、タイトルの成立としては関わってると考えていい。
で、原作者によるエッセイ「野武士のグルメ」(2009年)、これはアリでしょう。
その「野武士のグルメ」のコミカライズが、「漫画版野武士のグルメ」(久住昌之×土山しげる、2014年)。
原作者同じだし、まあセーフ。
となれば、同じコンビによる「荒野のグルメ」(久住昌之×土山しげる、2015年)もその兄弟としてアリですな。
そう考えると、そのコンビの作画側担当による「怒りのグルメ」(2015年)は、まあ、従兄弟くらいの関係にはなりそうだから、アリっちゃあり、かな。
背表紙で推薦者である久住昌之の名前書いて誤認させようとしてるのはちょっとアレだけど・・・。
だが「大市民のグルメ」(柳沢きみお)、テメーは駄目だ。
しかもこれ、雑誌連載としては双葉社・講談社・日本文芸社なのに、コンビニコミックは実業之日本社からだし。
ちなみに
土山しげるの場合「王」シリーズってのもあって、「食キング」以外はそれぞれの作品には繋がりが無いのに「〜キング」ってのが沢山。
借王(シャッキング)、蛮王(バンキング)、食キング(ショッキング)、売王(バイキング)、極食キング、喰王(クウキング)。*1
これらは原作付きとそうじゃないのが混在してて、義兄弟、みたいな感じですかねえ
といった所で今回はここまで。
当ブログの関連記事
*1:「喰王」は、雑誌連載時は「喰わせもん」だったのを改題