情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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英訳版「バオー来訪者」表紙イラストの謎を追う(1990年、アメリカViz Comics)

 先日、某古書店のアメコミコーナーでこんな本を購入しました。


 
 荒木飛呂彦バオー来訪者」の英訳ペーパーバック版(以下、「旧訳版」とします)の3巻。


 全部で52ページ(本文48ページ)しかない薄さで、ジャンプ本誌と同じサイズ。(少し細い)
 

 定価は、$2.95 USA。当時のレートだと450〜400円くらい。
 


 1冊2〜3話掲載・絵は左右反転・月刊で全8巻で刊行されたようです。
 本文より。
  
 



 ※現在出てる英語版(以下「新訳版」とします)は日本の単行本と同じ全2巻。ペーパーバックサイズです。
 Baoh Vol.1 (Viz Graphic Novel) Baoh Vol.2 (Baoh)



 それでですね、この旧訳版の表紙に使われてるイラスト、他で見たことが無いものなんですよ。


 一部拡大。
 


 ジョジョ3部頃っぽい、というかスタンド使いとスタンドを、バオーと橋沢育朗で模したような、ジョジョ立ちの一種と言ってもいいイラスト。


 他の巻はどうかと見てみたところ、全8巻のうちいくつか、私が知らない、またはもっと後に描かれたのだと思ってた絵があったんです。
 謎だ。


 ということで、追ってみました。


基本時系列

  • バオーのジャンプ上での連載は1984年、単行本は1985年
  • OVAが1989年に発売
  • 旧訳版は1989年〜1990年に発行
  • 新訳版は1995年発行
  • 文庫版は2000年発行
  • コンビニコミックのBT&バオーは2004年発行

調べて判明した事と、推測になってしまった部分


 検索して旧訳版の他の巻を探してみると、こんな絵です。
 参考サイト>http://connect.collectorz.com/comics/database/baoh


 


 左上から右下に、1〜8巻。
 やはり後に描かれた絵っぽいのが3巻以外にもある。


 まず、1,5,6,7,8巻は初出がわかりました。

  • 1巻

 OVA時にパッケージ&パンフレットの表紙イラストとして使用されていたイラスト。(左右は反転)
 参考記事>「バオー来訪者」のアニメ劇場公開時(1989年)パンフレットはこんなだった

  • 5巻

 OVAのオリジナルサウンドトラックLPのカバー絵。後に、ジョジョ展限定ポストカードに流用。
 (四角いのでLPかLDだろうな、と探したらドンピシャ)

  • 6、7巻

 オリジナルのジャンプコミックス版1,2巻表紙の流用(1巻のみ左右反転)
 バオー来訪者 1 (ジャンプコミックス) バオー来訪者 (2)

  • 8巻

 月刊ファンロード1986年5月号に掲載された描き下ろしイラスト。
 画像検索で探せばわりとすぐ見つかります。


 と、ここまではいいんです。しかしやっぱり、2,3,4がわからんのですわ。

  • 2〜4巻

 ここが初出不明。
 ただし、2巻は後に文庫版のカバーに使用(2000年)。その10年前には描かれていたって事ですよね。
 バオー 来訪者 (集英社文庫―コミック版)



 1990年時にアメリカ版表紙としての描き下ろしだったのでしょうか。

 しかし、しかしですね、OVA発売時の予約特典として「描き下ろしポストカードプレゼント」として、新イラスト3枚があった筈なのですよ。
 


 その絵だとすると、枚数も3枚で合うし、しっくりくるんだよなあ。
 誰か、本当にそうなのかわかる方いませんかね?


 といった所で今回はここまで。



 ちなみに、巻末にはコブラの広告が。洒落てるわ。