情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

「浅草 染太郎の世界」(1983年、かのう書房)は、常連さんが寄ってたかってこしらえた凄い本だった



 良い飲食店てのは、良い常連さんに恵まれるもんだ、と言いますな。
 そういう店に一見の客として行った時には、常連の席を借りてるようなものなので短め・早めに引き上げるのが心得ってもんかもしれません。


 そんな良い常連に恵まれたお店だと、こんな風に商業出版されちゃう本が出るなんて事もあるようです。



 染太郎の世界 (1983年)
染太郎の世界 (1983年)


 さて、この本は、浅草で今も営業しているお好み焼き屋「染太郎」の開店50周年、および、初代店主である崎本はるさんの米寿を記念して、1983年に出版されたもの。



 そもそも、お店の命名が高見順によるもので「如何なる星の下に」の舞台になってる店だとか、坂口安吾もこの店の常連で、「モンアサクサ」や「青春論」に名前が出てきていたり、と文人との関わりが深いんですね。
 その常連たちによる寄せ書き的な本なので、その内容も面子も濃いんだこれが。


 わかりやすい名前を挙げると(目次とイラスト関連より抜粋、敬称略、あいうえお順)


 他にも、普通の常連さん(主婦、魚河岸勤務、銀行員、医師、新聞記者、などなど)からの寄稿も多く、この店が、女将さんが如何に慕われてたのかってのがよくわかります。


 お店や作家との思い出話、盛り場としての浅草の話、芸人の思い出などなど、場所・お店・人・歴史が多角的に切り取られ、書かれているんですね。
 いや、面白い。

内容から一部紹介


 目次より寄稿者名一覧。
 
 
 
 
 
 



 表紙・裏表紙の見返しには昭和10年代の浅草絵地図。
 
 


 「染太郎お好み焼き教室」てなイラスト解説も。
 
 


 また、出版当時のお店紹介は当然。
 


 作家などからの色紙、芸人さんの写真なども色々。
  
  



 坂本九ですかね。
 

 常連さんたちとの集合写真?
 


 現在のお店の様子などは、HPや食べログからどうぞ。


 といった所で今回はここまで。