情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
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変わりゆく人々、変わらない場所。さらば源さん、さらば椿屋。「湯けむりスナイパー」ついに完結

 ひじかた憂峰*1×松森正湯けむりスナイパー Part3」第三巻が先日発売されました。
 1998年に週刊漫画サンデー誌上で連載が始まったこの作品。今年2月の同誌休刊により連載終了、8月に最後の単行本となる今巻が発売され、ついに完結。

湯けむりスナイパーPART3 (3) (マンサンコミックス)
湯けむりスナイパーPART3 (3) (マンサンコミックス)


 無印の最初は1998年の短期集中連載、その後本格連載となり、2004年に一旦完結。(全16巻)
 湯けむりスナイパー 第1巻 (マンサンコミックス) 湯けむりスナイパー 第16巻 (マンサンコミックス)


 Part2が2005年に掲載。(全2巻)
 湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 1 (マンサンコミックス) 湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 2 (マンサンコミックス)




 Part3は2007年から、松森先生の体調の影響もあり断続的に掲載され、2013年2月の雑誌休刊をもって終了(全3巻)。
 湯けむりスナイパーPart3 (1) (マンサンコミックス) 湯けむりスナイパーPART3 (2) (マンサンコミックス)




 全部で15年、21巻にもなる大長編と成りました。
 源さんの口癖である「ウィッス」も見納めですね。
 


 また、2009年にはTVドラマ化。主演を努めた遠藤憲一が、最終巻の帯に言葉を寄せています。
 


 湯けむりスナイパーDVD-BOX(5枚組) 湯けむりスナイパー 特別編 [DVD]



 最終巻らしく、最後には原作・作画によるあとがきにかえてのメッセージも掲載されています。
 


 この作品では、元・殺し屋である源さんを含め、椿屋を訪れる客を含め多くの人が心に何か暗い所、重いもの、そういった何かを抱えて居たように思います。
 それは時には夢であり、理想であり、また、それを外れた自分の弱さや引け目だったかもしれません。
 スケールに違いはあれ自分ひとりではどうしようもない事、それは天災だったり、不景気だったり、男女の仲だったり、親子関係だったり。
 しかし、その事に腐るのではなく、対応する、受け入れる、考える、出会う、そういったことを経て「変わっていく」事が描かれた作品でした。


 その場所から出て行って、戻ってきて、訪れて、通り過ぎて、留まって。
 椿屋とその周辺という一見変わらない場所、しかし、そこに関わる人たちが変化し続けていく事が、続きである何処か、何時かへと繋がっていくのでしょう。


 いい物語だった。ありがとうございました。
 ウィッス!