情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

月刊アフタヌーンのSF漫画をざっくりまとめてみた。やっぱ良作多いわ。


 講談社月刊アフタヌーンって、面白いSF漫画がかなり多く載ってた・載ってるというイメージが自分の中にあったので確認して見たところ、やっぱり多いし、面白いのも沢山あるし、こりゃあまとめとくしかないな、と思ったのですよ。



 参考資料は、昨年の3月号に創刊25周年記念として付いてきた「アフタヌーン大辞典1987〜2012」という冊子と、それ以降の現物。
 古い作品については結構うろ覚えだったりするので、間違ってたらご指摘いただけると幸いです。


 「SF」の基準としては、「自分がSFだと思ったもの」です。*1



 5年区切りで見ていきます

1987〜1991年


 創刊時は、中綴じ雑誌だったアフタヌーン
 この中ではやはり「寄生獣」の存在が大きい。


 「寄生獣」は、ある意味鉄板。パラサイト達も人間たちも、魅力的なキャラクターが多い。
 寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664))


 「地球氷解事紀」は、谷口作品には珍しい未来SF。氷の世界の描写は、後の「神々の山嶺」にも繋がったか。
 地球氷解事紀 上   アクションコミックス



1992〜1996年


 この時期から平綴じに。ページ数がどんどん増えて厚くなって行く。
 ハードSFから日常系SFまで豊富。
 「AQUA」「キバクロウ」などイラストストーリー的な作品も。*2


 「岸和田博士の科学的愛情」は、超絶画力全力でくだらないギャグをやってみせるのが楽しい作品。
 岸和田博士の科学的愛情(1) (ワイドKCアフタヌーン (148))


 「ワッハマン」の、仕込みとそれをばらして行きながら最終決戦へ繋がるのが見事すぎる。無表情だからこその表現も多々。
 ワッハマン 1 (モーニングKC)


 「要塞学園」は、不良漫画フォーマットを軸にしながら、その迫力ある絵と展開で心を掴んでくれる。
 要塞学園 1 (アフタヌーンKC)


 「ヨコハマ買い出し紀行」は、未来SFなんだが癒し系というか、ゆるやかな世界。
 ヨコハマ買い出し紀行 1 新装版 (アフタヌーンKC)


 「電夢時空」は、続編の「RUNNER」含めて異様な迫力があるんだよな。構図とかもわけわからんし。
 電夢時空 (デラックスコミックス) 電夢時空2 RUNNER (アフタヌーンKCデラックス)




1997〜2001年

 今までに無かった、と言われる様な作品も出てくる中で、続編作品もありつつ、という不思議なバランス感。
 ナマモノっぽいのが多いか?

 「BLAME!」はこんなハードSFをやっちゃうんだ、そしてこんなに面白いんだ、と衝撃的な作品だった。
BLAME!(1)



 「なるたる」がSFかどうかは意見が分かれそうな所ではある。そして、好き嫌いが極端に分かれる作品でもある。
 なるたる(1) (アフタヌーンKC (186))


 「宇宙家族カールビンソン」は、復活連載というか。キャプテンがなくなったのでお引越しでもあった。
 宇宙家族カールビンソン 1 (アフタヌーンKC)


 「てんでフリーズ!」は女だらけの能力バトル漫画なんだけど、不思議なカラっとした明るさがある。
 てんでフリーズ 上巻 (ヤングキングコミックス)


2002〜2006年


 原作付きのコミカライズが載り始めたのがこの辺。
 短期作品が多いかなあ。


 「空談師」は、バーチャルゲームを舞台にしているものの、描かれるのは「人間」だった。
 空談師(1) (アフタヌーンKC)


 「ナチュン」は異形な作品というか、生命SFの一種なんだが、よくこんなん思いつくなあ、というのを絵にしていた。
 ナチュン(1) (アフタヌーンKC)



2007年〜現在


 日常系から遠宇宙、生命と意識、異形生物、と多種多彩。
 こうしてみると宇宙人が多い気もする。


 「ベントラーベントラー」は宇宙人が居るのが日常な世界。不思議なデザインがいいんだこれが。
 ベントラーベントラー(1) (アフタヌーンKC)


 「百舌谷さん逆上する」は設定上の奇病がSFといえなくもない気がしなくもない。
 百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)


 「友達100人できるかな」「ぼくらのよあけ」は、どっちもジュブナイル的な作品で、とても良い。
 友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC) ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC)



 「勇者ヴォグ・ランバ」は、連載時は「なんだかわからんがとにかく凄い」だったが、単行本で纏めて読むとまた少し見方が変わった。
 勇者ヴォグ・ランバ(1) (アフタヌーンKC)


連載以外

 読切作品でもSFはかなり多いですね。四季賞作品でも結構多いイメージ。
 最近ので単行本になってるのだと



 虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC) 25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC) 三文未来の家庭訪問 (アフタヌーンKC)



 などでしょうか。
 やっぱり良作多いよな。
 発売日が同じ雑誌が多いし重いので持って帰るの大変だけど、読もう!アフタヌーン



 といった所で今回はここまで。

*1:除外した例で言えば、「ああっ女神様」はファンタジー、「無限の住人」は伝奇だと考えています。

*2:これらはファンタジーか?

*3:コンパイラの続編

*4:原作は、1,2巻が森本洋、以降が武田俊也

*5:カタン野郎の続編