SF小説でこれ読んどけ、みたいな記事が流行ってますね。
ベタから変化球まで色々。
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でも、ちょっと考えてみると多くの人の「SF初体験」って、「ドラえもん」だったりするんじゃあないでしょうか。
(ドラえもんに関しては「すこしふしぎ」のSFとも言われますが、SF的考え方・概念はそこで知った物も多いでしょう)
ということで、「それってSFか?」という事には甘めに、SF漫画の中でもこれはいう物をご紹介。
現在連載中の作品(GANTSとか)は敢えて抜いて、完結済みのみ。
居候未来ロボットSF。小学館の守護神。
普段、この作品を「SF」としては意識してない人も多いとは思いますが、タイムマシン・タイムパラドクス、テレパシー、テレポートなど、SF的概念を後で「これ、ドラえもんであったアレだ!」という経験がある人も多いのでは。
これは「日常の中にSFを」で、「21エモン」が逆に「SFの中に日常を」なんじゃあないかと思います。
ロボットテーマの傑作。
手塚治虫のSF作品は数あれど、人間サイズのロボット、という以後の作品への影響においては外せない。
メイドロボットとかも、実はこの作品中で出てきたのが元祖なんじゃあないかとも思える。
巨大ロボットSFの金字塔。
人間が操縦する巨大ロボットを語るときにこの作品の影響抜きには何も始まらない。
シリーズによってサイズがかなり変わってたりする。
リメイクも色々されていて、長谷川裕一の解釈ではあの操縦装置は格闘ゲームのごとく「コマンド入力」って事になってたっけ。
SFコメディ。
マッドサイエンティストテーマ作品としては、最大のヒット作なんじゃあないだろうか。
「作成者と可愛いロボ娘」という類型、メガネ娘など、後代への影響は計り知れない。
ヒロイックハードボイルドスペースSF。
アメコミっぽさを持ちながら、独特の造形と展開で魅せる。
ヒロイン達のケツの美しさも素晴らしい。
警察ドラマとロボットSFの融合。
現在は既に作中の年代を大きく超えているが、それでも、自分が居る現代から地続きの未来、という感覚は薄れない。
後藤隊長と内海課長の造形は出色だよなあ。
- 岸和田博士の科学的愛情(トニーたけざき)
天才テーマSF。
物凄くくだらないギャグと、哲学的思想が、超絶画力の元にミックスされて、なんでこうなるんだ、という怪作。
過去の類型を意識して取り入れながら、不思議な到達点に至った作品。
- クレープを二度食えば (とり・みき)
時間テーマSF。
「中3チャレンジ」に掲載された作品。
青春です。
- はるかリフレイン (伊藤伸平)
http://www.j-comi.jp/book/comic/3531
Jコミで無料公開されています(2013/05/19 22:30 MNさんのコメントよりリンク先修正)
時間テーマSF。
「高一チャレンジ」に掲載された作品。
とにかく、ネタバレを知る前に読んだほうがいい。
短篇集成。
ショートショートから、中編くらいまで。
星新一の正等後継路線な作品群と言っていいのではないでしょうか。
スペースオペラからの流れを汲む正統派SF、でもある。
続編のネクストシートも完結済み。
風呂敷の広げ方と畳み方が見事すぎる。
クロノアイズも時間テーマSFの傑作だな。
- ワンダービット(島本和彦)
短篇集成。
色んな読切が入ってるけど、メイン主役は科学者。
ある種の実験作でもあるのだけど、島本作品の中でもこれが一番好きです。
- ライトニング・ブリゲイド (永福一成)
VMMORPGと現実が融合するってSF。
1990年代前半に描かれた作品だけど、その後の作品をどれだけ先行してるのかって話ですよ。
雑誌自体の休刊に巻き込まれての終了だったけど、きっちりまとまってる。
- 私を月まで連れてって! (竹宮惠子)
オールドSFへの愛が詰まった作品。
記事の元となったSF小説の名作系読んでる人たちなら楽しめること受け合い。
懐かしく、でも今読んでもそうだこれこれ、っていう感じ。
- 怪人アッカーマン (新田たつお)
SFパロディですかね。
「静かなるドン」でしか作者を知らない人からすると、驚きの連続だと思います。
タイトル自体も、有名なSFマニアからじゃないかな。
- 11人いる!(萩尾望都)
SFサスペンス。
登場人物、状況設定、展開など、SFガジェットを生かしていながら、人間ドラマとしても傑作。
これを少女漫画雑誌(別冊少女コミック)で掲載したってのがまずは奇跡的なんだが、そこまでの積み重ねあったればこそか。
21エモン、リュウの道、水惑星年代記、プラネテス、パタリロ!、うる星やつら、ARMS、暁星記、雲界の旅人などなど、まだまだ挙げたい作品も多いけど、今回はここまで。
そうそう、現在連載中のSF漫画で一番面白いのは「暗殺教室」じゃあないかな。