情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

2011年のコミック市場も「ONE PIECE」無双。発行部数は4,000万部超え、100冊売れたら8冊はワンピ、などの話。


 とんでもない数字です。
 以下、出版月報2012年2月号の特集「コミック市場最前線」より。


 上記特集に掲載されていたデータなのですが、市場全体は小さくなってるのにONE PIECEは伸びているんですね。


 なんと、昨年の総発行部数は4,096万部。
 64巻ONE PIECE 64 (ジャンプコミックス)が初版400万部だったなど、新刊の部数が多かったことを考えても、なお既刊が伸び続けてたんですね。



 コミックス全体の推定発行部数と比較をしてみるとこうなります。


コミックス発行部数(万部) 2010年2011年前年比
全発行部数63,84262,04897.19%
うちONE PIECE3,9604,036101.92%
占有率6.206.50104.87%



 発行部数では、占有率約6.5%


 しかし、実売部数で考えると、コミックス全体での返本率は27.1%となっていますが、これだけ増刷がかかってるのでここでは返本率を通常の1/5、6%と見積もって計算してみます。
 すると、


コミックス実売部数(万部)2010年2011年前年比
全実売部数46,84945,21696.51%
ONE PIECE推定3,722.43,793.8101.92%
占有率7.958.39105.6%


 実売だと、100冊漫画が売れたら、うち8冊以上はONE PIECEなんじゃあないの、という計算結果になります。
 (とはいえ、店頭在庫を考えると、既刊全部合わせれば推定2000万部位はまだ売れていない状態、とも考えられるかしら。)


 積み重ねると何キロメートル位になるんだろう。


他のコミックス関連数字


 コミックスの実売部数・金額、コミック誌の推定発行部数・金額、コミック誌の実売発行部数・金額、を2010年と比較すると以下の様になってました。
 いずれも縮小傾向。


 実売部数

コミックス実売2010年2011年前年比
全実売部数46,84945,21696.51%
金額:億2,3152,25397.32%



 コミックスの新刊点数は

  • 雑誌扱い:9,128点
  • 書籍扱い:2,893点
  • 合計:12,021


 で、毎月1,000冊ものコミックスが出版されているということに。(2010年は合計11.977点)


コミック誌について

 コミック誌も、やはり縮小傾向。



コミック誌発行2010年2011年前年比
全発行部数77,97477,42099.29%
金額:億2,5982,43593.73%


コミック誌実売2010年2011年前年比
全実売部数55,91751,60392.28%
金額:億1,7761,65092.91%

 内訳は

    • 少年向け:31
    • 少女向け:38
    • 青年:61
    • レディスコミック:62
    • 4コマ:21
    • パチンコ・パチスロ:14
    • BL:16
    • 趣味・スポーツ・その他:7
    • 成年:45

 と、青年、レディス、成年がTOP3。


 雑誌として堅調を維持しているのは週刊少年ジャンプくらい(震災前で、印刷証明書付き部数が296万部まで到達)だが、


『ジャンプ』は、「ONE PIECE」の掲載の有無によって発行部数・実売が左右される傾向


 との記述があります。やっぱりなー。



特記事項として何点か


 書かれている内容から幾つか拾ってみますと

  • ONE PIECE」以外の人気作品に陰り
    • 君に届け」や「ブリーチ」など、映像化され既刊を伸ばした作品、長期人気作品が軒並みピークを越えてしまい
    • BLEACH」「NARUTO」など、長期連載作品が勢いを落としており、コミックス」全体ではとても堅調とは言い難い


 青の祓魔師 7 (ジャンプコミックス) 魔法少女まどか☆マギカ (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス) ブラック・ジャック創作秘話〜手徐ュ治虫の仕事場から〜 (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ) 花のズボラ飯(2) めしばな刑事タチバナ 4 (トクマコミックス) 進撃の巨人(6) (講談社コミックス)

  • 映像化作品やっぱり多い
    • 1年間で約160点
    • 分割2期方式、人気があれば夏目友人帳のようにどんどん続く

読者の情報源


 何を切っ掛けとして漫画を買うか、という話では
 ランキングへの一極集中が起きているが、これは新刊点数が多過ぎる事から、自力のみで面白い作品を発見するのが困難な為仕方ないし、書店もまた、としている。


 その一方、

 と、サイトの具体名まで上げられていたり。


 なかなか面白い特集なので、気になった方は読んでみよう!出版月報!