情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

こんな野球漫画もあった。いけうち・誠一「あらしのエース」(1975年)がひどすぎる。



 「野球漫画」って言うのが失礼なひどさなんだが、当時っぽい、のかねこれ。


 
 以下、いけうち・誠一「あらしのエース」
 立風書房ダイナミックコミックスより、1975年6月15日1刷。



 1970年代中盤に発行された、魔球漫画としては後発作品になると思うんですが、これ、雑誌連載されてたのか?
 単行本描き下ろしなのかも。

イントロ


 全国から「野球あらくれ」が青嵐高校に転校してきた!
 ってこいつらの二つ名がひでえ。

 

「奥州の殺人打者」


 

「北海道のヒグマ」


 

甲州のチョロ」「紀州の策士」「中国の怪物」「土佐の安打職人」「九州男児スラッガー


 最後もう考えるの放棄してるだろこれ。


 そして、主人公がこの「剛直丸」だ!
 



 あれ、人数たりなくね?と思ったら、既存の野球部の人が数あわせで入ります。


なんだかよくわからない魔球たち!


 「魔のスクリュー」
 



 直丸の編み出した「ハリケーン投法」
 



 そして、途中の敵が使うのが


 

「病魔球!?」打者をガンにする魔球!?


 ガンにするって・・・。斬新だけどさあ・・・。



登場する強敵!

 地方予選で当たった相手は、組織暴力団「角川組」の息の掛かった「岩波高校」!
 


 おい、この名前大丈夫なのか。おい。


 最初は敵だったけど味方っぽくなった「白土三平キャラみたいな髪型のヤツ」!(最初はヌンチャクもって主人公に襲い掛かってました)
 


 ついに進んだ甲子園決勝の相手は、改造したボールによるすさまじい変化球の使い手御曹司!
 


 そのイカサマボールに気付かせない手段は「手品師の弟子」!
 


 さらに加えて、直丸の母を誘拐!脅迫!(この後、試合中にもかかわらず球場外に出て居場所見つけて救出しますが)
 


 野球・・・?


バトル!


 
 
 

 全部KOじゃねえか!
 いやまあ、そういうテニス漫画だってあるもんな。


 そして、例のイカサマボールの所との決勝戦はもはやボールもバットも使わない乱闘になって終わるのでした。
 




 

 これが直丸式 ケンカ野球!!


 アバヨ!!


 って、「ケンカ野球」じゃないよね、ケンカだよね、野球やってないよね!
 表紙にある「熱血甲子園賛歌」ってどこがだよ!


 とまあ、作品中で「XX対XXで勝利、お互いに礼」というようなシーンは一度も描かれていないという。
 勢いだけでやっちゃったんだろうなあ、というこの「あらしのエース」、ひどいんだけど、ある意味面白いので、興味があったら読んでみてはいかがでしょうか。