情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

「本とかに実在の土地を登場させてもらって盛り上げようぜ!」ってのが何時頃からあったか、という話




 漫画やアニメの舞台になった土地を訪ねる、聖地探訪ってのが話題になったりしております。
 作者が(勝手に)舞台に設定して描くというのが本来なんでしょうが、逆にその土地を盛り上げて欲しい方面から提案が出ることもままあるようです。


 じゃあ、何時頃からあったのか。
 今から160年位前、1846年頃にはあった、と言って良いんじゃないでしょうか。
 「三銃士」や「モンテ・クリスト伯」を書いた大デュマに関するエピソードとして、以下の様に書かれています。




 政府は植民地アルジェリアにさらに多くの殖民を誘致したいと考えていた。
 「もしデュマに二、三冊この地のことを書いてもらったら、三〇〇万人の読者のうち五、六万人はアルジェリアに対する興味を抱くだろう」というわけで政府はデュマに旅費を与えるのみか軍艦の使用さえも許可する。

 「デュマの大料理事典」内 “デュマの生涯” 歴史小説へ―全盛時代 P466 より。


 デュマの大料理事典



 ここでの「政府」はもちろんフランス政府。
 観光目的ではなく、移民政策であったとはいえ、当時の大人気作家であったデュマにその土地のことを書いて貰おう、という政治的な目論見だったわけですね。

日本だとどうか


 とはいえ、映画に出てきた土地に観光客が押し寄せる、なんてな日本でも結構前からあったと思うんですわ。
 例えば、大林宣彦監督の尾道三部作転校生 [DVD] 時をかける少女 [DVD] さびしんぼう [DVD]とか。


 もっと前なら、東海道中膝栗毛、お伊勢参り・・・は因果が逆か。
 「坊ちゃん」を読んで道後温泉に、とかですかね。


 そういうのに関しては特に「聖地探訪」って言い方はしてなかったんじゃないか。
 何時からそうなったんでしょ。今だと尾道は「かみちゅかみちゅ! Blu-ray BOXかもですが、そっち目的で行くと聖地探訪?




 まああれだ、観光地になってない所へ行く場合は、近隣の住民に迷惑をかけないように気をつけましょう、ってことで。
 といった所で今回はここまで。