最近手に入れた本なんですが、これがなかなか面白い。
昭和六年、1931年発行の教科書で、この当時の「中等教育」だと今の高校相当かな?
上巻の内容は>戦前の家庭科の教科書 : 青蓮亭日記で詳しくご紹介されてるのでご参照ください。
使用上の注意が書いてあるのですが、4番以外は現代とまったく同じかもしれません
- 過量な食品を入れぬこと。
- 扉の開閉をなるべく少なくする事。
- 温き物は予め冷やして入れること
- 氷の供給を忘れぬこと
- 取出した食品を直ちに処理すること
牛肉の等級はかなり大雑把かも。書き込みで「鞍下の肉」と鉛筆の文字が見えます。
あと、建物の図解やら解説があるんで、当時の小説なんかを理解する助けになるかもしれません。
例えば障子及び戸の種類。右上から左下に
- 普通障子
- 硝子障子
- 額入障子
- 猫間障子
- 舞良戸
- 帯戸
- 桟戸
- 唐戸
- 鏡戸
で、下巻の方はどちらかというと「主婦」寄りみたいな内容。
- 第一篇 養老
- 第二篇 看護
- 第三篇 育児
- 第四篇 家事経済
- 第五篇 一家の管理
中には「使用人の取扱」「家風の樹立」なんていう、当時この教科書を使ってたのは富裕層だったんだな、と感じさせる章も。
年中行事もやっぱり当時のもので「国家社会的年中行事」として以下のように挙げられています。
当時の生活を知る上では、「中産階級の生活会計」として年収別の食費・被服費・住宅費・光熱費・その他の表なんてのも。
また、家計簿のつけかたの項に、当時の物価詳細を知る手がかりとなる記述も。
洗濯石鹸十五銭、新聞代九十銭、瓦斯代二円五十銭、など。
といったところで今回はここまで。