情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

旧版「気まぐれコンセプト」単行本(1984年)の帯と装丁とかはこんな感じ




 1981年に連載が始まったホイチョイ・プロダクションの「気まぐれコンセプト」は、28年の時を経て現在もビッグコミックスピリッツで連載中。
 その最初の単行本が出たのは今を去ること25年前、1984年のことでした。
 2007年に「気まぐれコンセプト クロニクル1984-2007気まぐれコンセプト クロニクルが出版されてるんで、(抜けが多いとはいえ)全体的な時代の雰囲気を把握するならそっちの方が向いています。


 それ以前の分が収録されたこの1984年版が出た頃、世はバブル景気直前、広告業界はもう笑いが止まらないような状況の時代だったと言って良いんじゃないでしょうか。
 今は中古価格も少々お高め?→アマゾンの気まぐれコンセプト。でも、それは漫画じゃない棚に間違って置かれてるからかもしれません。


 こんな風なので。


  



 帯表には
 


 あの“見栄講座”に続くホイチョイ・プロ第2弾!!


 お買い上げの後は、この帯をはずしてお読みください。はた目には、
 洋書に見えるよう配慮してあります。

 とあり、1983年に出た「見栄講座―ミーハーのための その戦略と展開*1のヒットの影響が見られます。そして、確かに帯以外には日本語は一切無く、洋書に見えるんですね、これ。



 帯裏がまたひどい。
 


糸井重里さんのコピイも、松田聖子さんの歌も、ビートたけしさんの番組も、
松坂慶子さんの写真集も、松任谷由実さんのレコードも、浅田彰さんの本もみんな評判がよろしいようですが愉快な広告マンが
総登場するこの本も、朝日新聞が絶賛してくれることを著者は強く希望しております。


 広告の手法としてはベタなハッタリの利かせ方だというのは確かです。



  


 帯を外すともうどこからどう見ても洋書ペーパーバックに見えます。
 この状態だと、古書店でも漫画の棚に置かれないことがあるかも。



 しかし、この裏表紙の外人さんは誰?
 

 

 Mr.David Rubin Copy Supervisor

中身も少し

 オープニング・エンディング漫画(というかそのようなもの)がついてたり
 



 当時の有名コピーライターが紹介されてたり
 


 なぜかいきなり2色になるページが*2あったり、
 



 そして出てくる単語がやっぱり「あの頃」です。
 松本伊代、柏原芳江、松田聖子、ディズニーランド*3、ソウル・オリンピック*4、オールナイトフジ、etc....
  
  



 カーテンコールなんかもやっちゃってます。
 


 INDEXも完備。ちょっと項目がおかしかったりもしますが。
 



 また、あとがきによると
 

 この作品が、僕らの本当の意味でのデビュー作にあたる

 とのこと。



 しかし、この単行本の後、ホイチョイ・プロダクションの名前は映画3部作
 私をスキーに連れてって私をスキーに連れてって [DVD]彼女が水着にきがえたら彼女が水着にきがえたら [DVD]波の数だけ抱きしめて*5
 でさらに広く知られることになり、バブルといえばホイチョイホイチョイといえばバブル、とまで言われる様になったのですがが、それはまた別の物語。



 
 ところで、このロゴマークの鳥って何なんでしょうね。


 といった所で今回はここまで。
 





#そうそう、この単行本の献辞は「Dedicated to Mr.Sumikazu Okazaki」ということで広告プロデューサーの岡崎澄一氏に送られています。今は何をやってらっしゃるんでしょうかね。

*1:これ見たこと無いですわ。今度探そう。

*2:4ページ分

*3:東京ディズニーランドは1983年開園

*4:1984年のロサンジェルス時にに「次」の放映権の話をしてる。同じビッグコミックスピリッツで連載してたYAWARA!ソウルオリンピックでしたね。

*5:って、「波の数だけ抱きしめて」ってDVDになってないのか!そこが驚きだ。