両さんと歩く下町―『こち亀』の扉絵で綴る東京情景 (集英社新書)
- 作者: 秋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 新書
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2004年に出た本で、秋本治がこち亀の扉と内容と自身の思い出とを絡めながら書いた本なんですが、これは良著。
この本における作者の秋本治の視点は時に厳しく、時に悲しみを伴うのだけれど、それでも、描かれる場所と風景への好意が薄れることが無い。
行ったことがある場所が描かれて・書かれてるともう一度行ってみたくなるし、一度も行ったことのない場所は、じゃあ今度行ってみようかな、なんて考えてしまう。
そして、その話題になってる回以外のこち亀ではどんな風に描かれてたっけ、と単行本も読み返したくなってしまう。
ただ、この本が出てからの4年でさらに風景が変わってしまった場所は沢山あるし、これからもどんどん変わっていくでしょう。
そういうのもあり、こちら葛飾区亀有公園前派出所という連載作品が常に「現在」の東京を描き続けているという事に意味があるのかもしれません。
(あと、作品内で神田関連が何故作品に登場することになったか、というのが書かれてるんですが、これは必読かも)
ただ、私自身は元々東京に殆ど馴染みがない生活をしてて、大学卒業までに多摩川を超えた回数は両手足の指で数えられる程度。
なので、東京やその近郊在住だったり思い入れのある方だとまた違った感想になるかもしれません。
#そういえば、初めて柴又帝釈天に行った時*1はあの参道の短さに驚きました。映画「男はつらいよ」で何度も見たあそこ、寅さんが行ったりきたりしてる時には後ろを引っ切り無しに人が通るんで、もっと長くて人が多いと思ってたんです。
*1:つい最近。21世紀になってからの話です