情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

1968年にSF作家たちが語った「未来の結婚」




 文藝春秋漫画讀本1968年1月号に掲載された「どう変わる?未来の男女関係」(どうなっちゃうんだろう座談会シリーズのうち1回)より一部抜粋。


 この会の座談会メンバーは以下5人。


 

 流石にみんな若い。


★何のための結婚



石川:男と女の意識の上での区別がなくなったとき、恋愛とか結婚とかは、どう変化するだろう?
小松:結婚は残るね。世の中にはいいことばかり無い、という人間教育の為に残しておくべきだ。病気がなくなり、戦争がなくなり、その上、結婚までなくなっちゃったら人間はバカになっちゃうよ。
筒井:女房に隠れてオナニーやるために結婚するようになる。(笑)あれがまたいいんですよ。
小松:女房を柱にしばりつけて、その目の前でオナニーをしたらどう?
筒井:それがまたいいんですよ。(笑)
星:女房は女房で、ものかげにかくれてオナニーをしている。(笑)
大伴:なんのために結婚するのか分からない
筒井:かくれてやるためだよ。泥棒だって捕まえる人がいなきゃ張り合いがないもの。
大伴:しかし結婚は、法律的な習慣として残るとおもうな。結婚したあとは、おたがいになにをしてもかまわない。
石川:やはり一夫一婦制かな?
星:一夫一婦制がますます確立する。
筒井:なんだ、つまらない。(笑)
星:電気計算機で、理想的な結合ができてベスト・ハーフになる。顔も整形手術で変えられるから、浮気な男でもうちのカアちゃんが最高だとおもっている。万一、不満が生じたとしても、トランキライザーの霧を吸い込んでモトのサヤにおさまる。これこそ、二十一世紀の夫婦像ですよ。
小松:おもしろくねえな。(笑)一夫一婦制は、そのあと浮気をする楽しさを味わうための大前提だよ。結婚しないと、浮気の味がわからない。
大伴:おれの女に男がいるんじゃないか、とハラハラする気持ちは人類永遠の生きるよろこびなんだ。
小松:他人に盗ませるために女房をもらうようになるかな。
筒井:他人に盗まれない女房は死ぬまでバージンだ。(笑)
小松:こんど書くSFに「売主婦禁止法」を考えたんだ。未来はフリー・セックスが当たり前になって、浮気は自由だが、ただ一人、他の男と寝ないという人妻がいて、バカな高値がついて、男がワンサと押しかけるんだ。(笑)これを見て、くやしがった良家の子女、つまり浮気女たちがだな、けしからんといって「売主婦禁止法」を作る。売ってはいかん、タダでやらせなさい、というわけだ。(笑)
星:しかし、結婚という風習がなくなると、困るやつが多いだろうな。倒産する会社もでるね。
小松:家庭電機産業、家具、ベッド。
筒井:熱海のホテルは総倒れ。
星:婦人雑誌がつぶれ、明治神宮がつぶれ、日本中の神主が首をつる。(笑)


 酔っ払いのヨタ話・・・というか、ホント滅茶苦茶言ってますが、夫婦ジョークとはきわどいながら面白いというのが流石です。
 この前後もすごいので、本文は全部紹介したいところだけど、今回は一部ということで。



 

 挿絵は真鍋博が描いてます。


 表紙はこんな。
 






#この対談シリーズ、ASIN:B000J97S6Qすが、今だと色々な事情でそのまでは出版できないんじゃないですかね。傍若無人を通り越しすぎてます。