情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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1969年、ケンヂ達が読んでいた頃の週刊少年サンデーはこんな感じ その1 基本データと次号予告




 アポロが月へ行き、翌年には大阪万博を控えていた1969年。そう、20世紀少年の作中でケンヂたちが読んでいたのがこの頃です。


 「片手にジャーナル、片手にマガジン」という言葉がこの前後*1にありました。
 じゃあ、ライバル誌だったサンデーはどうだったのよ、というのを紹介してみようかと。
 発行部数で言うと、マガジンは100万部を超えてましたがサンデーは少し伸び悩んで、丁度今と同じくらいだったんじゃないかな。公称は100万超えてましたっけ?


 当時の現役読者が小学1〜中学3年くらいとすると、現在は45〜55歳くらいでしょうかね。



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 フォト蔵は時々不安定なので、画像が表示されない場合は時間を置いてみるか、右クリックから画像を再度読み込むかしてみてください。



表紙と目次

 週刊少年サンデー 1969年39号 001_after
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週刊少年サンデー 1969年39号 272_mokuji




 目次より

 ■表紙<デビルキング>さいとう・たかを



奥付より


週刊少年サンデー1969年第39号 9月21日号*2

  • 昭和四十四年九月二十一日発行(日曜日発行)
  • 第十一巻 第四十一号
  • 通巻 五百六十一号
  • 昭和三十四年四月十三日第三種郵便物認可
  • 編集人 高柳義也
  • 発行人 相賀徹夫
  • 特価七十円
  • 雑誌コード 0663

ページ数など


 連載漫画作品9作品、特集記事10本、他に記事ページ多数。


  • 総ページ数:274ページ*3
    • 漫画作品ページ数:176ページ
    • 記事ページ:82ページ*4
    • 広告:8ページ*5
    • 自社広告:8ページ*6


 漫画は総ページの64%に留まり、この頃の週刊少年誌は「漫画雑誌」では無く、「まんがと読み物」の総合誌だったという事がお分かりいただけると思います。


 ページ単価は0.2554円。
 オイルショック前なので、現在の半分以下ですね。*7



この週の漫画*8


 各作品のページ数は扉も含めての数字。結構まちまちです。


 詳細は下のほうで。



この週の記事

  • サンデー宇宙情報「宇宙にいどむ新兵器」(1P)
  • 怪奇昆虫園「怪奇フクロチョウ」「恐怖のバッタ地獄」(巻頭折込グラビア裏表)
  • まぼろしの海底都市大発掘(9P)
  • 決死の大空戦(4P)*9
  • 第2回新人まんが賞作品募集(1P)*10
  • キミの頭脳に挑戦するチャレンジクイズ(3P)
  • 雪男追跡 第4回「雪男のすみか」(6P)
  • カバゴンのなやみ相談室(答える人 阿部進)(1P)
  • ワイド特集「日本にいるスパイ」(4P)
  • 科学ニュース(1P)
  • スポーツワイド特集「五人のヒーロー」(西城正三釜本邦茂、チャンス*11、西川純、田口信教)(4P)
  • 12球団ニュース「くたばれ!!2年目のジンクス」(1P)
  • 科学特ダネ「地底超特急」(2P)
  • 山タク大情報(山口琢也)(4P)
  • 頭の特訓ハードトレーニング*12(3P)
  • 学校なんでもNo.1(4P)
  • アオシマのアポロシリーズプレゼント(読者プレゼント)(2P)
  • 豆記者募集『万博』へ少年サンデー豆記者特派!日本IBM小学館がプレゼント(2P)
  • サンデークラブ*13(1P)
  • ズバリ100シリーズ「ミイラの怪100」(15P)
  • まん劇道場*14(4P)
  • 35号プレゼント当選者発表(2P)


 例として、万博豆記者募集記事。


週刊少年サンデー 1969年39号 191週刊少年サンデー 1969年39号 190
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 「コンピュータを使ったあなたの夢」という作文を原稿用紙1〜5枚で書いて応募した読者の中から2名、日本IBM小学館が大阪万国博覧会に招待する*15という企画。
 記事内の予測では総来場者数が5000万人となっていますが、実際にはその1.28倍以上、6400万人が訪れることとなりました。


 審査員は、草下英明手塚治虫、大田英彦、少年サンデー編集長の4名。
 応募倍率はどのくらいだったんでしょうか。




巻末コメント


 作者からは無く、「オッス!!こちら編集部」という読み物記事が目次ページに載っています。


 週刊少年サンデー 1969年39号 272_all
拡大画像へのリンク


 編集者を「記者」って言ってますね。
 内輪ネタなのか、読者サービスなのかよくわかりませんな。




個々の作品について


 流石に古すぎるんで色々不明な場合も。
 というか、この頃だと小学館はまだサンデーコミックスを出していないんですね*16。初単行本はいずれの作品も小学館以外から刊行されています。
 どの作品もコマノンブルが入っています。


 天才バカボンがサンデーに移籍した直後ですが、この号には載ってません。
 広告をみるとデラックス(月刊誌)の方には掲載されていたみたいです。



 週刊少年サンデー 1969年39号 026


 週刊少年サンデー 1969年39号 023 週刊少年サンデー 1969年39号 023_2 週刊少年サンデー 1969年39号 023_3



 TVアニメのスポンサーでもあったアキレス靴主催で似顔絵コンテストをやってたみたい。
 週刊少年サンデー 1969年39号 035
 週刊少年サンデー 1969年39号 034




 週刊少年サンデー 1969年39号 047


 週刊少年サンデー 1969年39号 044 週刊少年サンデー 1969年39号 052 週刊少年サンデー 1969年39号 055



  • ターゲット (園田光慶)
    • 話数、サブタイトルなし。若木書房のコミックメイトシリーズから刊行されました。
    • 現在はマンガショップ版が新品で買えます。ターゲット(上) (マンガショップシリーズ (12)),ターゲット(下) (マンガショップシリーズ (12))
    • 劇画・貸本の流れを汲む作品。
    • 園田光慶は1997年に死去。


 週刊少年サンデー 1969年39号 065


 週刊少年サンデー 1969年39号 076 週刊少年サンデー 1969年39号 067




 週刊少年サンデー 1969年39号 103


 週刊少年サンデー 1969年39号 101 週刊少年サンデー 1969年39号 106 週刊少年サンデー 1969年39号 107



  • 欠陥中学 (高橋純司)
    • 第4話「恋するシッ子」。そもそも単行本になってないです。
    • この頃だけに普通に「きちがい」とか使ってますね。
    • 高橋純司は消息不明。


 週刊少年サンデー 1969年39号 119


 週刊少年サンデー 1969年39号 115 週刊少年サンデー 1969年39号 117 週刊少年サンデー 1969年39号 127



  • 源とツグミ (赤目プロ)
    • 第二話「よくばり女とイカスやつ」。これも未単行本化。一度も出版されてません。
    • 赤目プロは白土三平のプロダクション。クレジットには、「構成・画 小山春夫、原作 李春子、スタッフ 岡本鉄二、小堀純子、小井土繁一、国本サチ子」との記述。*18
    • 白土三平は一応現役ですが、カムイ伝の第3部はどうなるんでしょうねえ・・・。


 週刊少年サンデー 1969年39号 167


 週刊少年サンデー 1969年39号 172 週刊少年サンデー 1969年39号 187





 週刊少年サンデー 1969年39号 197


 週刊少年サンデー 1969年39号 197
 週刊少年サンデー 1969年39号 199 週刊少年サンデー 1969年39号 204




 週刊少年サンデー 1969年39号 213


 週刊少年サンデー 1969年39号 210 週刊少年サンデー 1969年39号 218




 週刊少年サンデー 1969年39号 249


 週刊少年サンデー 1969年39号 254_255
 週刊少年サンデー 1969年39号 264
 週刊少年サンデー 1969年39号 245



 各作品の名前は奇数ページ天側にあるタイトルバナーみたいの。
 現在は雑誌や作品によってあったり無かったり。タチキリまで描くことが多いから不明、って場合もありますか。


次号予告


 週刊少年サンデー 1969年39号 155週刊少年サンデー 1969年39号 154
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 基本的にはこの号の続き。
 「コンピュートピア」の所にあるコンピュータの絵が流石に古い。
 ズバリ100シリーズは「悪役ボクサー100」です。


 「発売日9月12日、ねだん70円、都内は11日午後、一部の地方は15日」となっており、金曜が正式発売日で、都内は木曜日中、所によっては翌週月曜日、と随分幅のある感じです。



 といったところで今回はここまで。
 次回はこの当時一番ホットだったあの話題を。


余談


 これは状態にかなり難あり(まともなコレクターさんが買わない様なもの)、表紙に落書き(書き込み)があったんでちょっと手を入れてます。
 なんで、↑の方にある表紙に違和感を覚えた人もいるかも。修正前後でこういう感じ。


 週刊少年サンデー 1969年39号 001_before  週刊少年サンデー 1969年39号 001_after

拡大画像へのリンク before  拡大画像へのリンク after
 


 やっぱり、完全に誤魔化すほど上手くはできませんね。
 また、背表紙もボロボロだったので古谷三敏の背表紙連載漫画はどんなだったか確認できません。





#これより古いのは流石にそうそう無いし、多少状態が悪くてもとても良いお値段ですね。

*1:70年安保前後

*2:発売日は9月5日

*3:表紙・裏表紙含む

*4:表紙・目次を含めて

*5:4C:2ページ、モノクロ:6ページ

*6:次号予告、単行本広告を含めて

*7:関連記事> 週刊少年漫画雑誌はここ30年くらい値上がりしていない

*8:この号での掲載順どおりです

*9:ユナイト映画「空軍大戦略」(ASIN:B000VRXIRY)の宣伝を兼ねて

*10:そういや、80年代以前は持ち込み以外漫画家デビューは無かったみたいなアホなこと言ってた人が居ましたね

*11:プロ野球の助っ人外人。アームズ

*12:クイズ

*13:読者ページ、文字ネタ

*14:読者ページ、絵と同人

*15:読者1名につき付き添い1名も同伴

*16:ゴールデンコミックスは出てます

*17:この号では載ってなくて、サンデーDELUXの広告にあります

*18:http://homepage1.nifty.com/kumori-hibi/sirato-b/hiwa/sirato28-akame.htmlに詳しい情報が

*19:http://comics.yahoo.co.jp/leed/saitouta01/debiruki01/shoshi/shoshi_0001.htmlhttp://www.ebookjapan.jp/shop/title.asp?titleid=2290など