食べ物漫画における「説得力」って何だろうかと考えると、やっぱり美味しそうに食べる人の表情だよな、と思うのです。
というわけで、深谷陽「スパイスビーム」をご紹介。
- 作者: 深谷陽
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2008/02/18
- メディア: コミック
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アマゾンに書影がないようなおで、帯ありと無しの表紙画像。
そうそう、雑誌連載分に加え、短編2編が書き下ろし収録されています。
経歴・年齢一切不明の「ボス」が店主兼コック長を勤め、これまた謎のスペイン系(?)美女「ポーラ」がウエイトレスをしているタイ料理店「チャーン」で働くことになった「コージ」が主役。
毎回出てくる料理が美味そうなのと、それを食べた人たちの美味しさを感じてる表情が良いんです。
あの、辛くて美味くて熱くてすっぱくて混沌としているうちに食い終わっちゃう、という不思議な感覚を絵にすると、そうこんな感じだよな、という表現が上手いんですよ。
他の回も料理の美味しそうなこと。
なるべく自分の目で確かめて欲しいので画像は控えめ。
また、P188-189の見開きは圧巻です。
この作品は日本文芸社の月刊漫画ゴラクネクスターに2007年3月〜12月まで連載され、同誌が休刊したことで連載終了した作品。
もう少し雑誌が続いてれば、とも思いますが、そうすると単行本が出なかった可能性もあるんで複雑なところ。
以前の作品「スパイシー・カフェガール」
のリメイクのような部分もあり、そうでない部分もあり。
深谷陽は東南アジア描写をさせたら当代随一といって良いんじゃないですかね。
以前の作品も実地の深みと、少し外側からの視点が混ざって不思議と重くなりすぎずに読ませてくれます。
こちらは原作付きですが、地雷と言う重いテーマに真正面から立ち向かった作品。(原作付きですがお勧めいたします)
#美味しいタイ料理を食えるオススメの店があったら是非教えてください。チャンスを見つけていってみますんで。