インスパイアもとはこちら。
「クローズZERO」の大ヒットとアニメ業界の窮状をちと思う。 : ゲームセンターに明日はあるの? - livedoor Blog
でも、『「クローズZERO」の大ヒットでアニメ業界のことを考えるのはお門違いも甚だしい。』んじゃないかなー、ということで。
いわゆる「ヒットマンガ」にはオタクが読んでいないマンガっつーか、「ヤンキー(アウトロー)マンガ」が数多く含まれるのだな。「クローズ」もそうだが他にも「BAD BOYS」や「湘南爆走族」など、「雑誌を支えるだけの力」を持った作品だけでも枚挙に暇がないほど。
例に出てる漫画が中途半端に古いのはらしいけど、何故『「アニメに出来るマンガ」の中』でアニメ業界の話をするなんてトートロジー的な事になってるんでしょうか。
しかも、この例に出してる作品がどれもアニメ化されてるっていうのを知らないんでしょうか、知ってて惚けてるんでしょうか。
まさか、TVアニメじゃないから別だ、とか言い出すんですかねえ。
それぞれAmazonでリンクしときます。確かににどれも「アニメとして」ヒットしたとは言えませんけどね。
それにアウトロー漫画ってのは実写化こそが華でしょう。改変して言うならば
> それはさておき、映画・ドラマ業界はヤンキー(アウトロー)マンガ、という優良コンテンツをただ指を銜えて見ているなんてことは無かった。
> そのため、「実写に出来るマンガ」では、中高生のみならず主婦からジャニオタからサラリーマン層までもがお客になってくれたのだな。幸せなことに。
となるわけですよ。
映画、ドラマ、Vシネマと時期により発表・発売形態こそ変化していますが、歴史を考えれば一目瞭然。
そりゃ量はアニメに比べたら少ないけど、1970年代以降ほぼ途切れることなく作られていることを林田さんが知らないはずが無いし、クローズZEROがこっちの流れに位置する物だって事を理解できないはずが無いと思うんですけど。
1970年代、まだまだ映画が強かった頃の例で言えば、
- ハレンチ学園 永井豪(1970年)はASIN:B00005FCAK、ASIN:B00005FCAN など数作作られています。同年TVドラマ化も。
- 男一匹ガキ大将 本宮ひろ志(1971年)もあります。これはソフト化されてないのかな。アニメの方が先(っても1回10分の帯放送)で、その後に実写映画。
- 愛と誠 梶原一騎×ながやす巧(1974〜1976年)なんかは完結まで3年にわたって作成されています。ASIN:B0001L7T8Y 3本あるのに、続いてるのに、全部主役が違うというのは逆にすごい。
- 男組 雁屋哲×池上遼一(1975〜1976年)もアクション映画と仁侠映画の要素を取り入れてました。
- 嗚呼!!花の応援団 どおくまん(1976〜1977年)も主役を交代しつつ数作作られ、いずれもヒットしています。
1980年代は超大ヒット作「BE-BOP HIGHSCHOOL」を含め色々と。
現在も活躍する俳優やタレントが出てきた作品なんか結構あります。ただ、映画での大ヒットはこの年代までかな。
- ハイティーン・ブギ 後藤ゆきお×牧野和子(1982年)は、たのきんトリオの主題歌も大ヒット。あー、でもこれはアイドル映画って方が正しいか。DVD化されて無いのね。
- ビー・バップ・ハイスクール きうちかずひろ(1985〜1988年)は計5作も作られました。中村トオルなんかはこれで出世しましたからね。 ASIN:B000066AEK、ASIN:B0000896KK
- ビッグマグナム黒岩先生 新田たつお(1985年)は、横山やすしが主演してますがなんというか怪作。今月DVDが出ますが、えー、独特。
- 湘南爆走族 吉田聡(1987年)も忘れちゃいけない。江口洋介*1、織田裕二はここが原点。ASIN:B000095YKL。
- スケバン刑事 和田慎二(1987〜1988年)は・・・原作の意味があるのか無いのか。独自路線のアイドルドラマ・映画でしたけどヒットしましたね〜。ASIN:B0001HDLS0、ASIN:B000803CD4。
1990年代に入ると、映画だけではなくVシネマも増えてきました。
ビデオデッキの普及とレンタルビデオ店の隆盛により、色々な作品が出ては消えていった時代でもあります。
- ミナミの帝王 天王寺大×郷力也(1992年〜現在)は多分作品数としては最も多いと思われます。つーか、関西では昼にTV放映もされてるんでVシネマと認識して無い人も多いかもしれませんが。竹内力はハマリ役ですよね。ASIN:B0001E3EF8。
- 押忍!! 空手部 高橋幸二(1990年)は主役が髪型をあのまんま再現してて笑えましたっけ。
- 本気! 立原あゆみ(1991年)の主演はヒガシこと東山紀之。でもパンチじゃなかったみたい。本人からすれば黒歴史かも。ASIN:B00005N2DT
- ヤンキー烈風隊 もとはしまさひで(1995年)なんかも時代錯誤を押し通してやってました。ASIN:B00005H6ML。
あとはオヤジ雑誌掲載作品、例えば古沢優の「特攻会社員」「(走)自動車教習所」、新田たつおの「静かなるドン」、向後つぐおの「おとこ喰い」 、早乙女正幸×檜垣憲朗の「ジ・ゴ・ロ」、あたりもVシネマとして出ています。
他には少年誌掲載作品で言えば
- 今日から俺は!! 西森博之(1993年〜)では、伊藤の髪型を実写で忠実に再現しようとして大変なことになってたりASIN:B00005GDRU
- カメレオン 加瀬あつし(1996年)では、山崎邦正がどう見ても高校生には見えなかったり。ASIN:B00005GHHB
- 湘南純愛組 藤澤とおる(1995年)だと、後のGTOとの共通点を探す方が難しいくらいで・・・ASIN:B00005GHGP
で、これら3作品はどれもアニメ化「も」されてるんですけどねえ・・・。
そして2000年代は、ドラマ化の延長としての映画化とVシネマと色々。深夜ドラマとして放送される例なんかも。
今年の例で言えば
- 喰いしん坊! 土山しげるは実在大食いタレントも起用しての実写化。このキャストは結構いいかも (こっちは12月発売予定)
- 艶恋師 倉科遼×みね武は「きぬた」を実写で再現!という触れ込み。ASIN:B000R34VUA
とまあ、抜けや見落としが多いかも知れませんがざーっと見ただけでこういう感じですからねえ。
> 結論っちゅーか、取り留めの無いまとめとしては(日本語がおかしいが)、「直球でヤンキーマンガ」はアニメを中心に語るより、実写を中心に語った方がメディアミックスを考える上では理解しやすいんじゃないんでしょうか。
>つーか、その要素は無視できねえのではないかっちゅー話。 なわけですよ。
ついでに書いておくならば、現在連載されている「アウトロー」もので大ヒット作品の例を挙げるなら、ヤングキングで連載されているギャングキング@柳内大樹でしょう。
11巻で累計400万部突破だそうですから、単巻になおすとエリートヤンキー三郎の3倍売れてる計算です。
でもWEBでは殆ど話題になりませんよね。ヤングキングそのものが。
そういうことを考えれば、「オタクが読んでいない漫画」ではなくて*2「多くの人が読んではいるけどWEBでは語られない漫画」のことを考えてみた方が良いのかもしれません。
「本当にあった〜」系とかね。