情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

オヤジ漫画がネットで話題になりにくい理由を考えてみる


 ネットがあまりフォローしていないマンガジャンル〜漫画ゴラク系 - 空気を読まない中杜カズサ
 よりインスパイア。

用語の定義


 まず、私は「オヤジ漫画」「オヤジ雑誌」って書き方をするんだけど、これが決まった書き方ってのはありません。
 「劇画誌」「オッサン漫画」「サラリーマン向け漫画雑誌」「中年誌」とか人によって色々です。


 また、こちらではゴラクだけが挙がってますが、週刊14誌の中では、ゴラク・マンサン・週漫がオヤジ漫画雑誌に分類されると私は考えています*1
 モーニング・バンチは、ヤング誌ではないけどこっち側でも無い感じ。


 隔週誌だと、漫画アクションプレイコミックかな。
 ビッグコミックは、本誌とオリジナルが近いけどまだホワイトカラー寄りかと。



何故話題にならない(しにくい)か


 まず、ゴラク本誌に連載されてる作品はそれでもまだ話題になる方なんですよ。
 別冊ゴラクネクスター、週刊漫画サンデー週刊漫画TIMESなんかはもっと話題になりにくい。


 その理由として考えられるものですが

  • 読者年齢層とネット利用年齢層(特にブログとかやる層)が違う

 というのはもちろんですが

  1. ほとんどの作品が一〜数話での読切連作方式で、単行本を買わなくても理解できるのが多い
  2. 単行本になっても、続巻が出ないことが多い
  3. 単行本にならないシリーズ連載・短期連載が多い


 というのがあるんじゃないでしょうか。

1.の例

 漫画ゴラクの「ミナミの帝王」(天王寺大×郷力也)。
 長いシリーズでも単行本1冊か2冊に収まる範囲でまとまってますし、主人公である萬田銀次郎は基本的に狂言廻し。
 最初の方の巻読んでなくても、途中からでも読んでるうちにどうにかなります。
 

2.*2の例

 週刊漫画TIMESに連載されている「解体屋ゲン」(星野茂樹×石井さだよし)*3
 これは現在連載240回を超え、昨年パチンコ化までされています(http://www.monako.co.jp/products/2006/details_kg/index.html)が、単行本は1巻が出たきりで、その1巻も品切れ重版未定。

解体屋ゲン 1 (芳文社コミックス)

解体屋ゲン 1 (芳文社コミックス)

同じく2.の例

 漫画ゴラクネクスターに連載されていた「新宿イエス」(本沢たつや)。
 2000年〜2007年の長期に渡って連載されましたが、2002年に1巻が出たっきりで続巻は出ていません。
 

新宿イエス 1―イレズミ牧師伝 (ニチブンコミックス)

新宿イエス 1―イレズミ牧師伝 (ニチブンコミックス)

3.の例

 これは色々。別冊漫画ゴラクで連載された「悪党パンチ」(原恵一郎)、漫画サンデーで連載された「東陽片岡煩悩劇場」、プレイコミックの「パパは大モノ!」(鳴海丈×大和正樹)等等、長期連載だったとしても単行本になってないのなんかがあります。


でもどうにかしてほしいよね


 やっぱり、単行本で後から追うことが出来ないというのは、WEBで話題にするにはものすごく不利なんですね。
 「任侠沈没」(山口正人)の様にちゃんと完結まで単行本が出て、その話題を共有できないと話題にしにくいんですよ。
 例えば私が『「悪党ランチ」は近年稀に見る傑作だった』、と書いたとしてもそれを読めないんじゃ反論もコメントも出てこないわけですよ。


 本屋で売るのでは採算が取れなくても、電子書籍とかオンデマンド出版なんかでどうにかしてほしいんですけど、そこでまた読者年齢層とネット利用年齢層(特にブログとかやる層)が違うってのが効いてくるんですよ、多分。
 オヤジ雑誌に描いてる人じゃ、同人誌として自分でまとめてコミケで売るってのもまず無いでしょうし、どうしようもないのかなあ、といったところです。




#しかし、単行本に頼らず雑誌だけで収益を出せてるってことも無いと思うのですが。売れそう(と私なんかには思える)のでも出てないのは不思議なんだよなあ。

*1:他は、少年誌:ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオン、ヤング誌:ヤンマガ・スピリッツ・ヤンジャン・ヤンサン、ミドル誌:モーニング・バンチ、その他:ガンボ

*2:と1.

*3:Îˆä–Ÿ‰æH–[ƒIƒtƒBƒVƒƒƒ‹ƒTƒCƒg