情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
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漫画ナツ100-マイナーだけどこの辺面白いよ2007-


 集計用カンマ区切り形式へのリンクはこちら



 今年も参加します、漫画ナツ100。
 募集要項は【今年もやるぞ】 漫画ナツ100 【地獄の集計】 - 酔拳の王 だんげの方のとおり。
 自分としてはあんまり制約らしい制約ではないので、自分ルールは下記のとおり。


 昨年の自分のはこれ>漫画ナツ100 -ヒマならこの辺読んでみて-
 勝手な補足がこれ漫画ナツ100結果発表を受けて補足。雑誌別、開始年代別の傾向など。

条件決め 「マイナー」ってなんだろう。


 ことインターネットにおいて話題となる、語られる漫画は必ずしも「メジャー」では無い*1ので、なかなか悩ましいところです。
 1例、「それ町」と「静かなるドン」の間には総部数で数十倍の開きがありますが、ネット上での評判・話題の量では逆転してるでしょう。


 等と考えたので以下のような感じで選んでみました。

  • 基本雑誌派なので、掲載された雑誌があまり多く目に触れてない、ということを考えていくつか。
  • 掲載誌が無くなったり名前変わったりしてるような作品。(の割りに復刊されてるのが結構多いけど。この辺はメジャーなのか?)
  • あと昨年選んだのから、今回の集計対象外作品をはずし、減らしたの。*2
  • 他に今連載中のは、昨年条件を満たせなかったもので、その雑誌を読み始めるならそのあたりから、という感じ。


 ということで、あんまり「マイナー」では無い作品が多くなったかもしれませんが、漫画喫茶とか古本屋で見かけたら読んでみてね、っていうセレクションです。
 アマゾンリンクは今買えるか最新のもの。
 古本屋で探した方が早いのもありますが、そこはそれ。


児童誌・学習誌などに掲載された作品


 対象読者層が非常に狭いため、単行本化されないまま埋もれてる作品が沢山あると思われます。
 こういうのはマイナーとも言い難いかもしれません。



  • りんたろうパニック (竹宮惠子) 小学一年生・小学二年生掲載 ISBN:4875199562 りんたろうパニック 表紙
    • 下の方にも挙げた「私を月まで〜」と同じく竹宮惠子の「陽」の部分がとても強く出てる作品。ロリっ娘が魔法のアイテムでショタっ子に変身する漫画。(本当)光風社から単行本化されましたが現在は絶版。
  • 夢降るラビット・タウン (ますむら・ひろし) Z会通信掲載 夢降るラビット・タウン (1) (MF文庫)
    • もともと「ラビットタウン」は朝日ソノラマのDUOで掲載された作品ですが、リニューアル版というか。現在はMFから文庫版。
  • クレープを二度食えば (とり・みき) 中3チャレンジ掲載 クレープを二度食えば―自選短篇集 (ちくま文庫)ISBN:4198330816
    • これも、その年に中学生3年だった人しかリアルタイムで読めてなかったということですね。徳間書店から(別冠タイトルで)出た後、現在はちくま文庫

掲載誌が休刊・廃刊になった(場合によっては出版社自体消滅してる)作品*3

 単行本が絶版になっても新装版で出たり、また別の出版社で新シリーズが始まったりしてる作品も多いですが。




  • 夢幻紳士 (高橋葉介) マンガ少年・リュウ・キャプテン・ネムキ・ミステリマガジン 《新装版》夢幻紳士〈マンガ少年版〉 (ソノラマコミック文庫)
    • 渡り歩く雑誌は悉く休刊してるような・・・。怪奇版、冒険活劇版とで名前は同じでもかなりテイストが異なります。
  • ワイルド7 (望月三起也) 少年キング・コミックバンバン・伝説マガジン他 新ワイルド7―野獣伝説 (8)
    • 新、続・新、飛葉、とタイトルも色々。「魔像の十字路」は一番最近の復刊でようやく完全なものが読めるようになりました。
  • ダイ・ソード (長谷川裕一) コミックコンプ・少年キャプテン 轟世剣ダイ・ソード (1) (講談社漫画文庫)
    • 最初の掲載誌が休刊、移籍した先では最終巻分が掲載されず単行本1冊書き下ろしで完結。で、そのあとレーベルごと消滅って大概ですね。
  • ゆず (須藤真澄) グランドチャンピオン ゆず―生きていく私とゆず (グランドチャンピオンコミックススペシャル)
    • グランドチャンピオンも妙な雑誌だったけど、あっさり休刊したような。ゆずは昨年逝ってしまいました。
  • マップス (長谷川裕一) NORA マップス (1) (MF文庫)
    • これは文庫だとちょっと迫力減なのでもとの方が良いかも。まあ、連載時のNORAはB6*4(最後の方は違ったけど)だったんですけどね。
  • チョコレートパニック (藤原カムイ) スーパーアクション ISBN:4575930709
    • これはもう復刊できないんですかね。主人公が土人3人組で名前がチンボ・チョンボ・マンボって当時にしてもよく通ったよな。スコラの全集にも収録が予告されてましたけど結局未刊行。装丁がチョコレート風で*6凝ってます。パロディネタ満載。
  • 私を月まで連れてって! (竹宮惠子) SFファンタジア・フォアレディ・プチフラワー 私を月まで連れてって!―完全版 (6) (JETS COMICS (4246))
    • SFネタが詰まった竹宮惠子の「陽」の集大成とでも言うべき作品。私はこれが好きすぎて、FLコミック版、文庫版、中公愛蔵版、竹宮惠子全集版、と持ってるのに完全版まで買ってしまった。一応の続編「ブライトの憂鬱」は現在2巻まで。*7
  • 不条理日記 (吾妻ひでお) 奇想天外 アズマニア (2) (ハヤカワ文庫 JA (550))
    • SFへのオマージュ・パロディネタ満載と言えばこれも。方向性が大分違いますが。
  • 怪人アッカーマン (新田たつお) コミックギャング・別冊アクション ISBN:440816142X アッカーマン マンサン版 表紙
    • これもSFパロディの系譜。スーパーマンを縮めて「スッパマン」はこっちの方がDr.スランプより早いんじゃなかろうか。*8実業之日本社から復刊されたのはかなり削られた再編集版。それでもこんなコマアッカーマン コマ残ってますが。*9
  • ペイルココーン (板橋しゅうほう) 月刊OUT ペイルココーン 表紙
    • これまたSF(と漫画)パロディの系譜。今見ると流石に古いネタばかりだけど、懐かしさ満載。
  • マインドゲーム (ロビン西) コミックアレ! マインド・ゲーム
    • 映画化を期に復刊されましたが、これまた異彩。決して「上手な」絵ではないのですが、いや、単純化された線でこれだけの表現をなし得るものなのですね。
  • おなかはすいた? (東城三紀夫) Mr.マガジン ASIN:B00007CEZ8
    • これは面白いのか面白くないのか分からないところが面白い。なんかじわじわ来る。
  • 東方機神傳承譚ボロブドゥール (太田垣康男) コミックバウンド 東方機?傅承譚ボロブドゥール (アクションコミックス)
    • これは雑誌がネタというかなんというか。5号雑誌でした。一平とMOON LIGHT MILEの中間にこれがあるというのが異様でありながらしっくりと来る。
  • BREAK-AGE (馬頭ちーめい) アスキーコミック BREAK-AGE外伝 ボトルシップ・トルーパーズ完全版 (ビームコミックス)
    • これは雑誌名変わっただけなんでちょっと違うかも。もうこの作品の年代に現実が追いついてしまいました。↑のは外伝。
  • 阿弖流為II世 (高橋克彦×原哲夫) GOTTA ISBN:4091580319
    • ロンドンブーツが編集長!というのはともかく、短命に終わった雑誌でしたがこの作品を世に出したというだけで評価されるべきじゃないでしょうか。
  • 魔獣戦線 (石川賢) 少年アクション 魔獣戦線 THE COMPLETE 1 (アクションコミックス)
    • 青年漫画専門だった双葉社が少年誌進出、ということでしたが結構短命。これも一時期入手が難しかったんですが、その後何回か復刊されてますんで入手は容易。「真説」の方も含め、石川イズムあふれるぶっちぎり方で良いです。
  • 寺島町奇譚 (滝田ゆう) ガロ 寺島町奇譚 (ちくま文庫)
    • 滝田ゆうの作品はどれを挙げても良いのですが、これで。文庫化されてますので図書館とかにもあるんじゃ無いかな。フキダシの中に食べものやお猪口なんかの絵を描く手法はこの人が元祖?
  • 燃えよペン (島本和彦) シンバット ISBN:4091571913
    • シンバットが休刊し、「Young Club」としてリニューアルしたものの、2号くらいで潰れたんだっけな。これも復活まで時間がかかった例か。「耐えよペン」@うかつ賢二はまだ未収録だっけ?
  • 火星探検 (大城のぼる) 書き下ろし 火星探険―復刻版
    • これも色々な作家に影響をあたえた、という話ですが、素朴にして今読んでも新鮮。
  • カムイ伝 (白土三平) ガロ・ビッグコミック カムイ伝全集―決定版 (第1部1) (ビッグコミックススペシャル)
    • もともとガロはこの作品を載せるために立ち上げられたわけですが・・・。三部作の最後が描かれる可能性は低いんでしょうね。
  • 預言者ピッピ (地下沢中也) COMIC CUE 預言者ピッピ (1)
    • もうCUEは休刊とみなしていいんじゃないのかなー。そもそも雑誌じゃない、と言うかもしれませんが。
  • 戦え!軍人くん (吉田戦車) コミックバーガー ISBN:4882750422
    • 今読んでも面白いなあ。この性格キツめっぽいお姉さんが、お姉さんが!!
  • ネオデビルマン (アンソロジー) モーニングマグナム増刊 ネオデビルマン (上) (講談社漫画文庫)
    • 複数の漫画家が同じテーマで描くネタとして。永井豪は色々と太っ腹すぎる。

昨年のセレクトからプラスアルファ

 この1年でタグ「OYM」で取り上げたのなどを入れて少し変えましたが、こんな感じで。
 その雑誌を手に取るきっかけにするならこれ、って感じで。

101作品目

 余一、ということで。


 お楽しみはこれもなのじゃ―漫画の名セリフ


  • お楽しみはこれもなのじゃ-漫画の名セリフ- (みなもと太郎) マンガ少年

 これはちょっと例外。
 お楽しみはこれからだ@和田誠をもとにしたパロディ的漫画評論本ですが、名著。


 扱われている作品が古いのは執筆年代の問題なんでしょうがない。30年前ですからね。


好きなキャラクター10人


 「私が好きな」、じゃなくて、多くの人に望まれて、移籍したりして生き残ったキャラクターを10人セレクト。
 今回のからは敢えて外してますが、サザエさんドラえもんが「死ぬ」時は来るんだろうか?



 実在なのはゆずだけ。
 のらくろは、山根青鬼山根赤鬼永田竹丸が描けることになってはいますが、現在新刊は入手不可能な状態。
 ロックは全部で何誌渡り歩いてるんでしょうね。漫画の方の「不老不死故の苦悩」を体現しているといえなくもない。
 夢幻魔実也はバージョンによって違うのですが、ミステリマガジンのは最終的に「影」だったってことは、雑誌のほうが生命力が強かったということかもしれない。
 



 といったところで本年はここまで。




#今年は分析とかご本人がやられるんですよね。そのためのデータだろうし。

*1:例えば、ウルトラジャンプ漫画ゴラクなら、後者の方が公称部数で7倍くらい

*2:ジャンプサンデーマガジン以外は、エマ、あずまんが大王寄生獣火の鳥ベルセルク三国志ロトの紋章魔法陣グルグル逆境ナインエリア88

*3:昨年選んだのもいくつか混じってますが

*4:コロコロコミックみたいな感じな

*5:おいね クレジット

*6:チョコパ カバー

*7:自分はそんなに根性入った竹宮ファンではないので、最初に読んだのはこっちでですが。SFマンガ大全集 表紙

*8:アッカーマン スッパーマン

*9:同時期の別単行本にはこんなのも 地球防衛軍は負けない ウルトラ月光28号