情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

ライトノベルとかのイラストは過去と比べて劣化したわけじゃない(復刊された作品の装画の変遷とか)


 単にその時代にあった装画をされるだけですよ。
 現在刊行されてる作品が一度絶版になった後、例えば20年後くらいに復刊されたらその時はその時代に合った絵になるだけ。


 http://novelno.net/archives/2007/06/17-102640.php こちらのまとめに議論は詳しいので、まあ略。
 ということで、復刊された小説で旧装丁と現行の装丁を見比べれば分かりやすいんじゃないですかね。


 例えばクララ白書@氷室冴子。上が1980年の旧版、下が2001年の新装版。上の旧版は原田治*1のイラストで、下の現行品は谷川史子。(旧版は集英社へのリンク)
 
 クララ白書〈1〉 (コバルト文庫) クララ白書〈2〉 (コバルト文庫)


 同じ氷室冴子の時代劇シリーズ「ざ・ちぇんじ」「なんて素敵にジャパネスク」の旧版では峯村良子がイラストを描いていましたが、新版では後藤星になってたり。
 ざ・ちぇんじ!〈前編〉―新釈とりかえばや物語 (1983年) (集英社文庫―コバルトシリーズ) なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)


 以前に取り上げた*2銀河のさすらいびと@キース・ローマー。
 左が1974年の旧版、右が2005年の新版。旧版は金森達、新版はエナミカツミが描いてます。同じモチーフでこれだけ違う。

 銀河のさすらいびと 旧版表紙 銀河のさすらいびと (ハヤカワ名作セレクション ハヤカワ文庫SF)


 同じくハヤカワでいえば、竜を駆る種族@ジャック・ヴァンスも同じモチーフで全然違う。
 左が1976年、右が2006年。旧版は武部本一郎
 竜を駆る種族 表紙 竜を駆る種族 (ハヤカワ文庫SF)


 「ホーカ」シリーズ地球人のお荷物@ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスンも、1972年の旧版は新井苑子でしたが、1987年にくたばれ!スネイクスが出たときにあまのよしたかに変わってます。(現行品は3バージョン目ですが、イラストはあまのよしたかのまま)
 地球人のお荷物 表紙 地球人のお荷物―ホーカ・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)


 ポール・ギャリコの「ハリスおばさん」シリーズの旧版は上田とし子、新版はサカイノビー。
 メイド服!メイド服!
ハリスおばさん 旧文庫版表紙 ハリスおばさんニューヨークへ行く (fukkan.com)



 あとは文庫化されるときに変わったり。ドゥームズデイ・ブック@コニー・ウィリスは、ハードカバー版が和田誠、文庫版は未確認田口順子(2007/06/19 23:00取り消し線・変更。umi_urimasuさん、コメントありがとうございます)。
 ドゥームズデイ・ブック 表紙 ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)


 とまあこのように、その時に売れそうな絵で装丁されるというだけのことでしょう。
 今の主流な絵、つまりは売れると思われるのが集中してもなんの不思議もありゃしません。


 不思議の国のアリスですら、なんですから。John Tenniel - Google 検索ふしぎの国のアリス (POP WORLD)みたいにね。


*1:ミスタードーナッツのキャラクターイラストがこの人になった時、「あー、ドーナッツなあ」と思ったのは私だけじゃあるまい

*2:銀河のさすらいびと@キース・ローマー、旧版と新版を並べてみる - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明