情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

カラスヤサトシの本棚


 もやしもんTVアニメ化決定の報が壁で踊ってましたよ、コミティア


 それはさておき、本日のコミティア80の『「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」祭』と称した展示の片隅で、「カラスヤサトシの本棚」という一枚のペーパーが配られていました。
 ちょっと、いや、まったく目立たないポジションに置かれていましたので(図を参照)*1、嫌がらせかと思いましたよ。
 同様のペーパーは2年前にこうの史代の展示をやった時には「こうの史代の本棚」*2として配られてたり、恒例企画みたいなんですがもっと普通に目立つ場所に置かれてた様に記憶してるんですが・・・。


 ともかく、その内容が非常に面白かったので紹介したいな、と。*3
 各コメントは基本的にそのまま。漢字変換とかも。
 本来は出版社と発行日まで詳細に書かれてるんですが、青空文庫で公開されているものはそっちへのリンクに変更しました。


 『アフタヌーン』で人気沸騰中のギャグマンガ家・カラスヤサトシ氏の本棚の中身はどんな本?


 そのラインナップはもちろん得意のお笑いから、妖怪物、児童文学、古典、芸術書、歴史書…と驚くほど多岐に渡り、氏の広範な知識が伺えます。
 作者の内的宇宙(インナースペース)を見よ!

  • 星と星座のひみつ (山梨賢一・相田克太)*6
  • いる?いない?のひみつ-宇宙人・怪獣・ゆうれい・超能力者- (七海ワタル・深峰たかし)
    • とにかく読んでて大興奮した。ボロボロになるまで読み込んだ一冊。
    • いる?いない?のひみつ―宇宙人・怪獣・ゆうれい・超能力者 (学研まんが ひみつシリーズ)
  • セミくんいよいよこんやです (工藤ノリコ)
    • これはいい本です。全ページが見所です。
    • セミくんいよいよこんやです
  • 天水 上下 (花輪和一)
    • 花輪さんの漫画はどれも好きですが、一つ選ぶならこれ。ご本人はわくわくさせる気も感動させる気もなさそうな気がしますが、読んでてわくわくするし、感動します。
    • 天水 上 KCデラックス 天水 下 KCデラックス
  • コロポックル 完全版 (花輪和一)
    • 天水がもし絶版なら、これ。*8ご本人はわくわくさせる気も感動させる気もなさそうな気がしますが、読んでてわくわくするし、感動します
    • コロポックル[完全版] (KCデラックス)
  • 『坊ちゃん』の時代 (関川夏央×谷口ジロー)*9
    • 五冊連続で夢中で読んだ。文豪たちの話、そいうより、明治の人々の青春や人生を追体験してるみたいで、読後は放心しました。
    • 『坊っちゃん』の時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (アクションコミックス)  『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫) 『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫) 『坊っちゃん』の時代 (第3部) (双葉文庫) 『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫) 『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫)
  • 合葬 (杉浦日向子)
    • 杉浦日向子先生の漫画も全部好きですが、一番好きなのがこれ。時代に翻弄される若者の群像劇が、淡々と描かれてます。
    • 合葬 (ちくま文庫)
  • もう、しませんから。 (西本英雄)
    • おもしろすぎて度肝ぬかれます。4巻には私も出させてもらってます。
    • もう、しませんから。(1) (講談社コミックス) もう、しませんから。(2) (講談社コミックス) もう、しませんから。(3) (講談社コミックス) もう、しませんから。(4) (講談社コミックス)
  • ノンストップおヨメ道-独身漫画家・柘植文のマイペース花嫁修業!!- (柘植文)
    • レポート漫画です。滅茶苦茶面白いです。この力の抜け方は憧れます。
    • ノンストップ おヨメ道―独身漫画家・柘植文のマイペース花嫁修業!!
  • あかちゃんのドレイ。 (大久保ヒロミ)
    • ヒヨ子ちゃんの可愛げの無さがかわいい。赤ちゃんてこんなこと考えてんのかなーとほんとに思う。
    • あかちゃんのドレイ。(1) (ワイドKC Kiss) あかちゃんのドレイ。(2) (ワイドKC Kiss)
  • 思い川・枯木のある風景・蔵の中 (宇野浩二)
    • 一番好きな小説家。個人的にはこの本より『苦の世界』*11『枯野の夢』*12が名作だと思うのですが、現在共に絶版。いつか自分の手で、漫画化したいと本気で思ってます。
    • 思い川・枯木のある風景・蔵の中 (講談社文芸文庫)
  • 忘れられた日本人 (宮本常一)
    • 宮本常一さんの本は、どれも素晴らしいですが、やはり一冊をあげるならこれしかない。目からウロコがボロボロ落ちる、名作。
    • 忘れられた日本人 (岩波文庫)
  • 増補幕末百話 (篠田鉱造)
    • 幕末を生きた普通の人々の証言集。生き生きとした語り口が、とにかく臨場感にあふれておもしろい。このシリーズはほんとおオススメ。
    • 増補 幕末百話 (岩波文庫)
  • 氷川清話 (勝海舟江藤淳・松浦玲)
    • 勝海舟の口から直に語られる、幕末の裏話。はじめて読んだ時は、例えば織田信長の肉声を聞いたような、そんな感じで大興奮した。
    • 氷川清話 (講談社学術文庫) *13
  • 不美人論 (藤野美奈子・西研)
    • この現代、恋愛問題で悩んでるのは男ばかりかと思いきや、女は女で地獄のような苦の世界を味わってるのだなあ、と。まあ、そんな大げさなもんではなく、笑えるんだけど、目からウロコの一冊。
    • 不美人論
  • 開運楽観道のすすめ (薮内佐斗司)
    • 薮内佐斗司さんという彫刻家の方の著書。作品からあふれる笑いのセンスが、ものすごい。圧倒的に深く、軽やかなユーモア感覚。かっこいい。
    • 開運 楽観道のすすめ
  • 太郎に訊け!<2>-岡本太郎流熱血人生相談 (岡本太郎)
    • 読むと人生観が変わると思います。なんと素晴らしい思想の持ち主。
    • 太郎に訊け!―岡本太郎流爆発人生相談 太郎に訊け!〈2〉―岡本太郎流熱血人生相談 太郎に訊け!〈3〉岡本太郎流激突人生相談
  • 真面目ちゃうちゃう可朝の話 (月亭可朝)
    • 個人的に、日本で一番面白いと思う方。その御著書。面白いに決まってます。
    • 真面目ちゃうちゃう可朝の話


 と、以上がラインナップ。判るような、判らないような、でもカラスヤサトシっっぽいといえそうな感じです。


 実際のペーパーはこんな感じ。
 
 *14


 カラスヤサトシ本人の単行本も現在好評絶賛発売中。
 カバーの裏までびっしり詰まっててお得感があります。


カラスヤサトシ (アフタヌーンKC) カラスヤサトシ(2) (アフタヌーンKC)



 実際、2巻がこんなに早く出るというのは予想外でした。今って連載3〜4本持ってるのかな。本当に、2006年から今年にかけて一気にブレイクしましたね。
  



#作者名=単行本タイトルって〜短編集とか、〜作品集みたいな冠が付いている場合はともかく、非成年漫画ではあんまり無いような気がしますが。他の例あんまり思いつかないなあ。

*1:配布場所の図 フォト蔵が落ちてるんでフォトライフに>

*2:これもなかなか面白かった。Web上には無いのかな? 追記:自分でやりました。d:id:soorce:20070506/p1

*3:文句が付いたら即効削除。註部分はsoorceが書いてます。

*4:本来はISBN:4480022384 はてなの表示がおかしいので画像が出るので

*5:これは復刻版か。

*6:以下2つはいずれも新装版

*7:ISBN:4051044807 Jcross(ジェイクロス) - 図書館と図書館にかかわる人たちのサイトの図書館横断検索で調べてみると、所蔵館はそれなりにあるけど。

*8:この花輪和一2項、本来はこっちだけだったんじゃ。多分、例のあのT田さんが内容よく読まずに通したんだろうと邪推してますが

*9:本来推薦されているのは文庫本。イメージは1巻の単行本版。これはsoorceからもオススメです

*10:育児漫画って色々ありますが、高野優のとかすごい数でてますよね。

*11:ISBN:4003106814

*12:ASIN:B000JB6NWY

*13:こっちも同内容>ISBN:4043209010

*14:2007/05/06 23:00 フォト蔵が落ちてるんではてなフォトライフに。 フォト蔵もう使うのやめるか?