情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

2011年7月現在の月2回刊漫画雑誌、全19誌の傾向と対策


 正確には曜日固定の「隔週」と発売日固定の「月2回刊」とで少し違うけど、年に24回発される漫画雑誌の話


 さて、先日こんなニュースが発表になりました。スーパージャンプビジネスジャンプが統合、1雑誌になるというのです。


 集英社は、ビジネスジャンプスーパージャンプの青年誌2誌を統合し、新しい月2回刊行の青年マンガ誌を今秋に創刊すると発表した。

ビジネスジャンプとスーパージャンプを統合し、新雑誌創刊 - コミックナタリー


 これにより10月以降、月2回刊の漫画雑誌は現在の19誌から18誌に減少することになります。


 ここ10年ほどで月2回刊の漫画雑誌が一番多かった時期は2007年06月頃で、23誌でした。
 そこからコミックヨシモトコミックチャージが休刊、別冊漫画ゴラクプレイコミックが月刊化、そして今回スーパージャンプビジネスジャンプが合併。
 月2回刊はどんどん数を減らして行ってるのです。



 ということで、このジャンル「月2回刊」の雑誌ってどんなんがあるの、というあたりの話を纏めてみます。


現在発行中の月2回刊漫画雑誌


 


 出版社別に以下の19誌。出版社で見ると、小学館集英社が4誌で最多。講談社が3誌、白泉社が2誌、それ以外が1誌づつ。
 一橋系(小学館集英社白泉社)だけで半分以上ってことになります。
 全部並べるとこんな。

 ちなみに、これらのうち最も多くの雑誌で執筆したことがある作家は立原あゆみだと思われます。
 7誌(マーガレット、YOU、BE・LOVE花とゆめスーパージャンプヤングチャンピオンヤングアニマル)に掲載されたことがあるので。その次は柳沢きみおかなあ。多分5誌。
 



 発行部数順(2011年版「新聞・雑誌総かたろぐ」と「一般社団法人 日本雑誌協会」による)に並べると

  1. ビッグコミックオリジナル(729,750部)
  2. ビッグコミック(454,000部)
  3. ビジネスジャンプ(285,334部)
  4. スーパージャンプ(277,500部)
  5. ヤングチャンピオン(250,000部)(※公称部数)
  6. 漫画アクション(240,000部)(※公称部数)
  7. ビッグコミックスペリオール(204,125部)
  8. 花とゆめ(203,959部)
  9. 近代麻雀(200,000部)(※公称部数)
  10. ヤングキング(200,000部)(※公称部数)
  11. YOU(162,917部)
  12. Sho-Comi(162,609部)
  13. ヤングアニマル(159,709部)
  14. BE・LOVE(153,792部)
  15. みこすり半劇場(150,000部)(※公称部数)
  16. ヤングガンガン(150,000部)(※公称部数)
  17. イブニング(147,980部)
  18. KISS(127,962部)
  19. マーガレット(95,044部)


 となっています。
 公称部数の場合、実際は7掛けか6掛けくらいじゃあないかと思いますが、まあ一応。
 10万〜30万部程度が多く、これは週刊漫画雑誌が200万〜30万部程度であるのに比べ(発行回数が2倍とはいえ)かなり少ない部数である、ということができます。



 また、これらの雑誌は、元々の発売間隔が変更されて現在の様になったものが多いです。


 逆に隔週などから週刊になった例、というのは無いんですけどね。


発売日と定価


 曜日が決まっているものと日付が決まっているものがあるので、こんな感じです。
 中綴じ・平綴じの差があるため定価はまちまち。また、付録等の影響により10〜50円程度(DVDだともっと高価い場合も)変動します。


発売日誌名定価
1,15日YOU370円
BE・LOVE410円
近代麻雀420円
5,20日Sho-Comi320円
ビッグコミックオリジナル290円
マーガレット310円
花とゆめ340円
10,25日KISS400円
ビッグコミック290円
1,3火曜日漫画アクション330円
1,3水曜日ビジネスジャンプ290円
1,3金曜日ヤングガンガン320円
2,4月曜日ヤングキング300円
2,4火曜日イブニング340円
ヤングチャンピオン340円
2,4水曜日スーパージャンプ320円
2,4木曜日みこすり半劇場390円
2,4金曜日ビッグコミックスペリオール300円
ヤングアニマル400円


 流通の関係上、早くなる地域と遅くなる地域が存在しています。
 関西・名古屋など、A配送地域は基本的に1日早いですね。


 また、1日、5日、1週目に発売されるものは、年末年始やGWによる発売日変更の影響を受けることも多いです。
 発売間隔が変わらないまま発売日を変更する場合もあり、例えばビジネスジャンプビッグコミックスペリオールは以前1・15日発売でした。


おおまかな分類と位置づけ


 対象読者の性別と年齢で、青年誌、オヤジ誌、少女誌、女性誌といった所でしょうか。
 青年・オヤジはすべて中綴じ、少女・女性はすべて平綴じ。

 
 
 


 表紙がグラビアなのは、ヤングアニマルヤングチャンピオンヤングガンガン
 近代麻雀だけは別ジャンルな気もしますが、一応ここに。


 


 漫画アクションのみ、表紙がグラビア。みこすり半劇場を「漫画雑誌」と言っていいものかどうかは、ちょっと微妙。


 


 これ全部一橋系ですね。



 


 少女・女性誌は週刊がないので、この月2回刊が最頻発行雑誌ってことになります。


メディアミックスなど


 雑誌によって大きく傾向が異なります。
 大雑把に言えば、青年誌はアニメと実写、オヤジ雑誌は実写、少女誌は、女性誌はアニメと実写、ってとこでしょうか。
 ここ5年くらいのを探してみたところ

  • アニメ化
  • 実写化
  • アニメコミカライズ
  • 実写コミカライズ
  • その他(小説・ゲームなど)のコミカライズ


 として、多い順にこんな感じでした。

 それぞれ作品名を挙げておくとこう。同じのが複数回は1カウントにしてます。ちょっと未来(発表だけあったとか)まで含んでます。
 実写Vシネマとか、OVDとか、抜けはあるかも。ドラマCDは把握し切れなかったんでカウントしてません。


 TVドラマや映画など実写化がやっぱり多い。
 「のだめカンタービレ」、「JIN-仁-」、「医龍」、「ごくせん」など、大ヒット作と呼べるものも結構多い。

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 逆に、実写ドラマのコミカライズは少なめ。オリジナル企画が少ないということの証左でもあるか。
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 アニメ化は雑誌によって全然違います。深夜枠もあればOVAもあります。(ゴールデンは無いか?)
 青年誌で一番ヒットしたのは咲-Saki-かなあ。オヤジ雑誌はアニメ化自体無いや。
 少女・女性誌だと一番ヒットしたのは、やはりのだめカンタービレでしょうか。ちはやふるがどうなるか次第かも。


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単行本


 雑誌によってというよりも、出版社によって違いますが、みこすり半と近代麻雀以外はほぼ単行本化されると思っていいんじゃないかな。
 みこすり半は特定作者のみ、近代麻雀は特定作品のみ単行本化。


 一回のページ数は週刊よりも多いのですが、月あたりの総ページ数は少なくなるので単行本の刊行ペースは遅めです。
 ストーリー作品で年3冊ペースくらいかな。(1回24ページ、4ヶ月分8回掲載で192ページ。)




休載とか増刊とか


 少女誌は普通に連載してるのが多い、オヤジ誌は、アクションが不定期多い、女性誌は作品によって差があるみたい。


 青年誌は「月1連載」「シリーズ連載」のように、毎号は載らない作品がかなりあります。
 月刊ペースで掲載されればまだ良いほうで、不定期掲載とかどうなってるんだ的なのも。
 参考記事>講談社イブニングの掲載作品告知がちょっとひどい


 雑誌の価格とページ数は密接に結びついている為、全ての作品を毎号連載にはできず、とはいえ打ち切るほどに単行本が売れないわけでもなく、ということなんですかねえ。
 漫画家さん側の執筆ペースとして隔週は向いていないという場合とか、他の仕事との兼ね合いとかそういった事情もありそうです。
 あとはレギュラーなのによく落とす人が居る場合とか。


 増刊については、青年誌の中では、ヤングアニマルヤングチャンピオン、が月刊の増刊「ヤングアニマル嵐」「ヤングチャンピオン烈」を発行していて、毎月1週目の曜日固定のため実質月3冊という変則。
 ビッグコミックビッグコミックオリジナルは年4回発行の増刊、ヤングガンガンも時々増刊を出してます。


 増刊で好評だった作品が本誌で連載になったり、本誌であまり好調じゃないと増刊で完結、なんて場合も。
 新人のデビューやスピオンオフ作品載せる場合もあるか。
 その辺は週刊漫画雑誌と近いですね。



長期連載作品


 少女誌はそんなに長いのがなく、青年誌はそこそこ、女性誌BE・LOVEにいくつか、そしてオヤジ雑誌は沢山。


 ビッグコミックビッグコミックオリジナルはとにかく長期連載作品が多いです。
 昭和からやってる作品がこんだけ。他の作品も長いのが多い。


 あとは、漫画アクションBARレモン・ハート (古谷三敏)も1985年から。



 20年以上かそのぐらいの作品は他に、ビジネスジャンプ甘い生活(弓月光)、スーパージャンプのZERO(里見圭)、ヤングアニマルベルセルク(三浦建太郎)、近代麻雀のアカギ(福本伸行)、BE・LOVEのふくふくふにゃ〜ん(こなみかなた)、ぴくぴく仙太郎(布浦翼)、みこすり半劇場みこすり半劇場(岩谷テンホー)などでしょうか。



 ふくふくふにゃ〜んふくふくふにゃ〜ん NEW(6) (KCデラックス)は、1988年スタートですが途中移籍。ぴくぴく仙太郎ぴくぴく仙太郎(36) (BE LOVE KC)は1993年連載開始ですね。*7



 花とゆめは、この雑誌で始まって長期連載になった「ガラスの仮面」「パタリロ」などがあるのですが、現在は掲載誌が変わってしまっています。


 終わる気配の見えない作品も結構ありますねえ。


 参考までに、各雑誌の創刊時期は


 創刊時期が遅い雑誌だと、長期連載にしてもそこからなので限界がありますが、雑誌がある限り続くんだろうな、なんてのも。


移籍作品と続編作品とか


 移籍作品は大雑把に3種類。増刊号から本誌に移籍、同じ出版社内で移籍、別の出版社に移籍ってとこでしょうか。
 これ、前二つはよくあるんですが、別の出版社に行っちゃうってのが時々あります。
 現在連載中の作品だと

 なんかがそう。
 どこの雑誌に載ってようと読者がついてきてくれる作品、ってことなのでしょう。



 作品のみならず作家の移動はもちろん多く、兄弟姉妹誌が発行されてる場合(別コミとか近代麻雀オリジナルとか)、作家が移動する、というのも結構多いようです。



 また、青年・オヤジ・女性誌では対象読者が年齢高めということもあり続編・スピンアウト作品が多いかも。
 ヤングチャンピオンの仁義S、バビル2世ザ・リターナーBE・LOVE生徒諸君!近代麻雀のHERO、ヤングガンガンロトの紋章ハーメルンのバイオリン弾き、イブニングのシマコー、スーパージャンプ霊媒師いずな、などなど。


 スーパージャンプリングにかけろ2暁!男塾など昔から多かったけど、やはり出自というか出版社の意向というのが多分にあるということでしょう。


どこで買うか


 雑誌によって売ってる場所売ってない場所にかなり差があるのでご注意。
 傾向と対策の「対策」はここだけですすいません。

  • 青年誌
  • オヤジ誌
    • コンビニ、駅売店、書店
  • 少女誌
    • 書店、コンビニ
  • 女性誌
    • 書店、コンビニ


 月2回刊漫画雑誌のうち、少女・女性誌は書店で買える所が多いでしょう。
 コンビニでも大概あつかってるんじゃないかと思います。


 しかし、青年誌とオヤジ雑誌が難しい。
 書店だと、ヤングガンガンは扱ってるけどヤングキングは扱ってないとか、コンビニでも店によってヤングアニマルはあるけどイブニングが無い(またはその逆)なんてのがざらにある。
 どこでも置いてるのはビッグコミックビッグコミックオリジナルくらいじゃないかな。


 全部を置いてるってのはよっぽど大きい書店か漫画に特化した専門店。
 しかし、それでもヤングチャンピオンが無かったりします。


 ということで、欲しい雑誌が決まっているならば、その雑誌が入荷する店を把握しておいて、かつ、毎回買うようにしとく、または取り置きしておいてもらうのがいいと思います。
 ・・・それでも店自体が無くなるとかあるんですけどね。




 とまあ、大体こんな感じ。
 間違いや誤解も多いかもしれないので、気付いたことがありましたらお知らせくださいませ。


 週刊のペースでは早すぎる、月刊だと待ちきれない。
 そんなニーズから生まれたのかどうかは分かりませんが、機会があったら読んでみてくださいな。


 と言ったところで今回はここまで。


*1:正確には、一度休刊したのち再創刊

*2:元々はビッグコミックの増刊

*3:正確には、月刊アニマルハウスから誌名・発刊ペース変更

*4:2011/07/24 07:20修正

*5:2011/07/24 07:20修正

*6:無期限休載中

*7:Wikipediaが間違ってます

*8:1988年から月2に

*9:と中継かはともかく、1978年から現在のペース